1,800円以上の注文で送料無料

みすゞと雅輔 の商品レビュー

4

10件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/03/02

とても面白かった。 松本侑子さんは、素晴らしい書き手だと思う。綿密な取材の上に、熟考を重ねて書かれているのだと感じる。表現もとても美しくて、目に風景が浮かぶ場面も多かった。 細かい字で書かれているけど、夢中になって、あっという間に読んでしまった。 それにしても、昔の男性は、なん...

とても面白かった。 松本侑子さんは、素晴らしい書き手だと思う。綿密な取材の上に、熟考を重ねて書かれているのだと感じる。表現もとても美しくて、目に風景が浮かぶ場面も多かった。 細かい字で書かれているけど、夢中になって、あっという間に読んでしまった。 それにしても、昔の男性は、なんと自由に生きていたんだろう(不自由な面もあって、だからこそなのかもしれないけど)。自分探しのために周りも巻き込んで七転八倒する姿を見ると、今の若者に、まだまだ好きにやって大丈夫だよ!と伝えてあげたくなった。

Posted byブクログ

2022/10/26

金子みすゞとその弟の話。 図書館で借りた。 金子みすゞの優しい詩は好きでしばらくよく読んでいた。 背景も知りたいと思い読んだが途中で断念。 詩そのものだけを味わう方がいいのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/04/10

金子みすゞの自殺については、夫が悪者というのが陸軍悪玉史観のような公式プロットなのだが、そうではない多面的な視点が楽しめる作品。夫や兄嫁のような、芸術の世界に入れない人を傷つけていた一面もあったんでしょうね。そういうのも、芸術家の業なんでしょうか

Posted byブクログ

2022/03/19

効果的な章立てでどんどん読み進めました。 大正、昭和初期の文学、芸能の大きな流れがわかったのも収穫。みすゞさんの詩をもう少し読んでみようかな… それにしても童謡界の憧れの存在だった島田忠夫さんと金子みすゞさんの生涯は中々辛いものがありました。生きづらかったんだろう。 そしてギリギ...

効果的な章立てでどんどん読み進めました。 大正、昭和初期の文学、芸能の大きな流れがわかったのも収穫。みすゞさんの詩をもう少し読んでみようかな… それにしても童謡界の憧れの存在だった島田忠夫さんと金子みすゞさんの生涯は中々辛いものがありました。生きづらかったんだろう。 そしてギリギリまでみすゞさんと雅輔さんの姉弟のコミュニケーションは濃密。

Posted byブクログ

2019/09/30

年上の女性と年下の男性の愛と恋を描くのが似合ってるw松本侑子さん、「みすゞと雅輔」、2017.3発行。事実を基にしたフィクションとのこと、ノンフィクションだと思います。林芙美子、佐多稲子、平林たい子らと同世代の童謡詩人、金子みすゞ(金子テル)。金子テルとは実の姉弟でありながら、養...

年上の女性と年下の男性の愛と恋を描くのが似合ってるw松本侑子さん、「みすゞと雅輔」、2017.3発行。事実を基にしたフィクションとのこと、ノンフィクションだと思います。林芙美子、佐多稲子、平林たい子らと同世代の童謡詩人、金子みすゞ(金子テル)。金子テルとは実の姉弟でありながら、養子に出され成人するまで知らなかった上山正祐(後に雅輔)。金子みすゞが26歳で自殺するまでの二人の関係、正祐のテルへの思いを軸にストーリーが展開されています。事実なるがゆえでしょうか、じれったい思い、そして雅輔のだらしなさが鼻をつきました。大正から昭和の時代背景はよくわかりました。

Posted byブクログ

2018/07/13

金子みすゞさんの生い立ち、亡くなるまで。 可愛らしい、ほんわかした詩のイメージとはまた違う、現実の女性を感じた。

Posted byブクログ

2017/09/24

本来自分で読まねばならない金子みすゞと上山雅輔姉弟の書簡を代わりに読んで聞かせてもらったような気分。金子みすゞは詩人として名を残したひとで当時から認められていたという先入観を持っていたのだけれどそれを壊してもらった。 #抒情詩人留想譚

Posted byブクログ

2017/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実弟との”恋愛(純愛)”関係や自死についてなど、金子みすゞの「もやっとした部分」を知りたいと思っていた自分にとっては、面白い評伝(小説)である。 しかしながら、再度矢崎節夫氏の評伝やその他の研究書などを並べて読む必要もありそう。 読み終わったら追加レビューするかもです(ぉ

Posted byブクログ

2017/06/05

膨大な 上山雅輔の日記を読み解き 彼女の人となり その生き方にせまった書き方に ああ みすゞさんは 立派に生きられたんだな と胸が熱くなる 作品でした

Posted byブクログ

2017/04/14

金子みすゞにぼくがはまったのは、去年の春、妻とみすゞのふるさと仙崎を訪れたことからだった。大正期に童謡詩人として知られていたみすずは人々の記憶から忘れられて久しかったが、それを再び甦らせたのは、長年にわたってみすゞのことを追い求めてきた矢崎節夫氏の執念である。その矢崎氏にとって大...

金子みすゞにぼくがはまったのは、去年の春、妻とみすゞのふるさと仙崎を訪れたことからだった。大正期に童謡詩人として知られていたみすずは人々の記憶から忘れられて久しかったが、それを再び甦らせたのは、長年にわたってみすゞのことを追い求めてきた矢崎節夫氏の執念である。その矢崎氏にとって大きな転換点となったのが、みすゞの従兄弟の花井氏を通して、みすゞの兄である上山雅輔と出会い、かれからみすゞの残した三冊の詩集を渡されたときからだった。矢崎氏はみすゞの伝記『童謡詩人金子みすゞの生涯』を書くと同時にみすゞの三冊の詩集を本にして出版した。これによって、みすずの26年の短い生涯についてはかなりわかった。しかし、ぼくにとって気になっていたのは、みすゞがなぜ自死をとげたか。みすゞに淋病をうつした夫はそんな悪い人間だったか、さらにはみすゞの才能を敬い、みすゞを愛の対象とさえ考えた雅輔がなにを考え、その後どのような人生を送ったかである。それが今松本侑子さんの手によって著されたのだが、そこには雅輔の残した多くの日記の発見があった。松本さんは、それらの日記や多くの人への聞き取りを通じて、雅輔とみすゞをよりリアルな存在として描いた。タイトルは「みすゞと雅輔」であるが、ぼくはこの本は「雅輔とみすゞ」とすべきかと思う。(そうしなかったのは出版社の意向か?)本書は全体が雅助とみすゞの物語りになっている。松本さんによれば、それは史実に基づくフィクションだという。つまり、多くの部分は史実に基づいているものの、雅助の心理描写は想像による部分もあるということだ。それがすべて真実だったかどうかはわからないが、そうした想像がはいったからこそ、本書は生き生きと二人の関係を描写することに成功した。本書によれば、雅輔はみすゞを恋慕い、その結婚にも反対したりしたが、けっこうのうわきものである。それはみすゞとの関係が姉弟と知ったはらいせとは限らない。たとえば、東京で知り合い、後に妻になる容子と、博多で芸者をしている初恋の相手である初菊の両方をある時期天秤にかけている。容子との結婚式の前の日に初菊にあったり、容子が妊娠したら、初菊に会いにいったりしている。さいわい、容子の懐が深く強い女だったことと、初菊もいつまでもしがみつく人間でなかったから、なんとか修羅場を経ずにすんだが、それ以外でも雅輔は多くの女と関係している。雅輔の婚礼写真が巻頭に置かれているが、そこには「だれと」というキャプションがない。これは読み進めていて、はたしてどちらと結びつくのか読者をはらはらさせる松本さんの手法なのか。また、みすゞの夫であった宮田敬一に対しても松本さんは同情的である。宮田こそ、みすゞの義理の父である松蔵に店を継がせるとか言って振り回された犠牲者かもしれない。二人は本来性格が違い、婚姻生活を続けていくのは無理だった。さらには、淋病にしても当時の男はしばしば妻にそうした病気をうつしていたらしい。しかし、ここはちょっと宮田をかばいすぎている気がする。だから、本書では宮田の口から、二人の性格の違いや松蔵に対する恨み節はあっても、病気を移したお詫びがないのである。

Posted byブクログ