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冬の日誌 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2026/01/14

冬の表紙に惹かれて。 目次も、章立てもない随筆。 人生で暮らしてきた20以上の住居のリストと詳細な描写、歓びと失敗に彩られた過去の女性関係と幸せな結婚、幼少期の怪我から廃車レベルの交通事故、青年期の性病までありとあらゆる体調不良の話。両親や親類縁者の人となり、彼らの死をどう見...

冬の表紙に惹かれて。 目次も、章立てもない随筆。 人生で暮らしてきた20以上の住居のリストと詳細な描写、歓びと失敗に彩られた過去の女性関係と幸せな結婚、幼少期の怪我から廃車レベルの交通事故、青年期の性病までありとあらゆる体調不良の話。両親や親類縁者の人となり、彼らの死をどう見送ったか。そんな話がえんえんと続く。 つまり、どこまで行っても小さな、なんにも特別ではない話。無数の人の世間話をひもといても、きっと同じような出来事が連なっている。なのに、読む手が止まらない。他人の人生の重箱の隅なのに、自分の人生を覗き込んでいるような心地になってくる。 とりとめのなさに筆を任せながら、細部までコントロールして読ませるお話に仕立てる、その腕前の凄さが伝わってくる。 途中でオリンピアのタイプライターの話が出てきて、「わがタイプライターの物語」に書かれてたアレ!とうれしくなる。あと、ママの草野球のお話が素敵。 こちらは「身体」をテーマにしていて、もう一冊「精神」をテーマにした「内面からの報告書」もあるという話。 そっちはどうかなあ、読むかどうか。未定です。

Posted byブクログ

2025/03/16

ポール・オースターの作品はこれまで読んだことがなかったんだけど、古本屋で表紙に惹かれて買ったのがこれ。彼の語り口や柴田さんの訳のせいか、回顧録にもエンタメ性が加わっているような気がして楽しく読めた。「君」という人称が使われることで余計に追体験性が強まり、自分の人生にもささやかなド...

ポール・オースターの作品はこれまで読んだことがなかったんだけど、古本屋で表紙に惹かれて買ったのがこれ。彼の語り口や柴田さんの訳のせいか、回顧録にもエンタメ性が加わっているような気がして楽しく読めた。「君」という人称が使われることで余計に追体験性が強まり、自分の人生にもささやかなドラマがあちらこちらに隠されているのかもと思わせてくれる。

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2025/02/09

筆者64歳時点での回顧録。淡々とドライに筆者の人生に起きた様々な出来事が書かれている。「君」と言う一人称で書かれていて、筆者の人生を追体験しやすい仕組みになっている。

Posted byブクログ

2024/11/15

ジャケ買いしましたが、女性の容姿や若さや性的価値にばかり言及していて、気持ち悪くて10ページいかずに読むのやめました。調べたら、村上春樹を好きな人がファンに多いとのこと…察しました…捨てます…。

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2024/06/16

 車中泊の車の中で読み終えた。読み終えた本を両の掌でこねるように持ち替え、表紙を見返してみる。先日亡くなった著者を想わずにはいられない。  64歳の著者が、命あるうちにと、人生を振り返った記録だ。著者の経験した出来事、出会った人たちの物語を読むとき、読者は自身の過去の経験もシン...

 車中泊の車の中で読み終えた。読み終えた本を両の掌でこねるように持ち替え、表紙を見返してみる。先日亡くなった著者を想わずにはいられない。  64歳の著者が、命あるうちにと、人生を振り返った記録だ。著者の経験した出来事、出会った人たちの物語を読むとき、読者は自身の過去の経験もシンクロして思い出している。エピソードはドライな筆致で描かれるが、かえって読者自身の人生を重ね合わせ易くしている。著者がタイトルを日誌(Journal)とした狙いはそこにあると思う。  著者の狙い通り、本書を読み終えたとき、自分自身の人生の旅を経験したようで、本書がいとおしく感じられ両掌で本を抱き、表紙を見返した。  青春、朱夏、白秋と、人生の四季の扉を開いてきた。そして玄冬の扉を開けようとしている今、著者の言うように自問する、あといくつの朝が残っているのだろう。

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2022/10/31

これまでの作品(特に「ニューヨーク三部作」などの初期作品)においては、ポール・オースターという名前や存在を装置として活用することで新たな文学を切り拓いてきたオースター。 そのような作者が人生の老いという冬の時代にさしかかり、身体をめぐるこれまでの出来事を赤裸々に語っています。長...

これまでの作品(特に「ニューヨーク三部作」などの初期作品)においては、ポール・オースターという名前や存在を装置として活用することで新たな文学を切り拓いてきたオースター。 そのような作者が人生の老いという冬の時代にさしかかり、身体をめぐるこれまでの出来事を赤裸々に語っています。長年の喫煙や過去のセックスなど、あまり言及されてこなかったトピックも含めたエピソードが時系列に沿って、それこそ「日誌」のように語られています。 個人的には、「これ!」というような箇所にはあまり遭遇しませんでしたが、そこはオースターの文体と名訳者による訳文ですから、するすると通読できました。

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2022/05/17

オースター作品は、過去のものは結構持っているくらいに好き。文庫落ちまで5年ほどかかるので、借りる。オースターの半生を回顧するという形の本。

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2022/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後半に出てくる“君が子供のころ愛した食べ物”がどれも美味しそうでたまらない。 “アイスクリームこそ君の若き日の煙草だった” は名言だと思う。 家族を乗せた吹雪の中のドライブの話も良かった。 戦争を経験された、寡黙なお義父さまの雪道のアシストもウィンクも、どれも素敵なシーン。

Posted byブクログ

2021/09/14

ポール・オースターのことを今まで知らなかったが好きな本屋さんがオススメしていたので読んでみた。人生にドラマを感じる1冊だった。

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2021/06/13

ポール・オースター。この方はこういう人生を生きているんだと知る。長い長い64歳の回顧録。大きな出来事も、小さな出来事も平等に掬いあげて書かれている。人生って、ビッグイベントだけじゃないものね。それにしてもなんというあたたかみのある文章。自分の人生をこんなふうに慈しむことができたら...

ポール・オースター。この方はこういう人生を生きているんだと知る。長い長い64歳の回顧録。大きな出来事も、小さな出来事も平等に掬いあげて書かれている。人生って、ビッグイベントだけじゃないものね。それにしてもなんというあたたかみのある文章。自分の人生をこんなふうに慈しむことができたら、書き記せたら、それは相当なしあわせではないか。オースターもそれを感じている。だから最後は9.11であり、ドイツの収容所であり。これを噛み締めて、冬の時代に入るのだ。64になったらもう一度読みたい。その頃は暇にあかせて原書でいこうか。

Posted byブクログ