あさきゆめみし(完全版)(ハードカバー版)(5) の商品レビュー
今回の主人公は、玉鬘の君、亡き夕顔の娘だ。新しい邸宅を作り、春の屋敷には紫の上、夏の屋敷には花散里、秋の屋敷には秋好中宮、冬の屋敷には明石の君を住まわせ、位人臣を極めた光源氏だが、煩悩は消えず、玉鬘の君に惹かれてゆく。その思いを堪えて、玉鬘の父である内大臣(かつての頭の中将)に会...
今回の主人公は、玉鬘の君、亡き夕顔の娘だ。新しい邸宅を作り、春の屋敷には紫の上、夏の屋敷には花散里、秋の屋敷には秋好中宮、冬の屋敷には明石の君を住まわせ、位人臣を極めた光源氏だが、煩悩は消えず、玉鬘の君に惹かれてゆく。その思いを堪えて、玉鬘の父である内大臣(かつての頭の中将)に会わせる。わだかまりを捨て、玉鬘の幸せのために力を合わせようとした二人だったが、思わぬ事態が起きる…。
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いい話ラッシュは終わった。また好き放題しまくりの源氏。槿の君だけはしっかりした女性だった。引き離される夕霧と雲居の雁。贅を尽くした六条の院の建築。筑紫で育って源氏に引き取られた玉鬘。夕霧と親子揃ってちょっかい出す。
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春の日のうららにさしてゆく船は 棹のしずくも花ぞ散りける ーーうららかな春の光の中を行く船は 竿のしずくまで花のように散ってゆきますーー 京の都に戻った源氏は、かねてからの夢を実現させた。 「静かな住まいを。どうせならば心ゆくまで趣味をつくして」 南東(たつみ)...
春の日のうららにさしてゆく船は 棹のしずくも花ぞ散りける ーーうららかな春の光の中を行く船は 竿のしずくまで花のように散ってゆきますーー 京の都に戻った源氏は、かねてからの夢を実現させた。 「静かな住まいを。どうせならば心ゆくまで趣味をつくして」 南東(たつみ)の町(源氏、紫の上、明石の姫君)ーー春。 「私たちの住まう南東の町は春の園だ。春になればここはは春の花々でいっぱいになる」 北東(うしとら)の町(花散里、夕霧)ーー夏。 「北東の町は夏の園だ。さわやかなご気性の花散里の住まいにふさわしく夕霧もいっしょだ」 南西(ひつじさる)の町(秋好中宮)ーー秋。 「南西の町は秋の園。秋をお好みの梅坪の中宮さまの里内裏に」 北西(いぬい)の町(明石の上)ーー冬。 「北西の町は冬の園。そこに住む人にふさわしく…」 ゆかりの人々をよびよせて、理想の生活がはじまるはずだった。 だが、人の悩みが尽きることはない。 生きていくことそれ自体が、理想と現実の狭間でもがくことだからだ。 美しく、そして今を懸命に生き抜く源氏の物語が続いていく。
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でた!近江の君! 打てば響くように和歌を作り上げる教養深い人々の中にいて、強烈な存在感を放つ近江の君が登場。 そして夕霧の忘形見の玉鬘も登場します。源氏の子供たちのお話も入り混じりながら、物語は中盤を迎えました。 いくら美男子でも、中年になった源氏は、昔ほどモテなくなっています...
でた!近江の君! 打てば響くように和歌を作り上げる教養深い人々の中にいて、強烈な存在感を放つ近江の君が登場。 そして夕霧の忘形見の玉鬘も登場します。源氏の子供たちのお話も入り混じりながら、物語は中盤を迎えました。 いくら美男子でも、中年になった源氏は、昔ほどモテなくなっています。やはり若者がいい、ということなのか、養父と冷泉帝だと、冷泉帝のほうが美しく感じる玉鬘や、梅壺の中宮の反応を見ると、若いときのようにいかない源氏の年齢を感じます。今見ると完全にセクハラな源氏の言葉や親密な行為をなんとかかわしていく玉鬘。 わりと源氏をちゃんと読んでいない人は、全編通して源氏がとにかくモテ続ける印象を与えるようですが、好きだけど違うの、なんて形で振られることもこの頃から増えてきます。それも女性によって形が違い、私としては朝顔の君の源氏拒絶理由が印象的でした。女としての生き方には、本当に結婚しかないのか?この時代からこんな葛藤を持つ女性がいたとは。源氏と結婚して仕舞えば、女としての苦しみが引き起こる。その闘争の中にいたくないという、当時の女性ならではの悩みを見据えて、結婚という形や、お互いに愛を交わす形をあえて取らない生き方がカッコよかった。 また、主要人物ではない中、花散里の言葉は考えさせられました。 美しいと相手からの愛を独り占めできないことに思い悩む。それが故に自分はこんなものと立ち位置が理解できている花散里は、源氏を愛する喜びだけに浸っていられる。 男ってやつは!と思いたくなるエピソードもたくさんあります。でも女性は女性で負けてない。女が自由でない時代だから、どんな覚悟を持って生きるか、それが問われるように思います。 で、ラストの髭黒…。玉鬘のことを考えると不憫でならない。
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六条の住まいが完成。 南東に紫の上。北西に明石の上。 待つことしかできない女たち。 男と女の関係を避けたい槿の姫君の気持ちも分かる。 そして玉鬘の君。 母の夕顔はたおやかで好きだった。 父の内大臣に内緒にして、あわよくばと思う 源氏は本当にしょうもない男だと思うけれど、 実際、...
六条の住まいが完成。 南東に紫の上。北西に明石の上。 待つことしかできない女たち。 男と女の関係を避けたい槿の姫君の気持ちも分かる。 そして玉鬘の君。 母の夕顔はたおやかで好きだった。 父の内大臣に内緒にして、あわよくばと思う 源氏は本当にしょうもない男だと思うけれど、 実際、目にしたら、 理屈では分かってても拒めないんだろうな。 そんな中、夕霧と雲居の雁の恋、ホッとする。
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さてそろそろ女性を絵で判別するのが難しくなってきた。親の姿を見て子は育つ。朝顔の君然り、秋好中宮然り、夕霧然り。源氏の、心はいろんなところにありながらも、紫の上に「君には何でも話すよ」という態度もいかがなものか。親の都合で引き離される夕霧と雲居の雁。小さい子が悲しむ姿はいつの時代...
さてそろそろ女性を絵で判別するのが難しくなってきた。親の姿を見て子は育つ。朝顔の君然り、秋好中宮然り、夕霧然り。源氏の、心はいろんなところにありながらも、紫の上に「君には何でも話すよ」という態度もいかがなものか。親の都合で引き離される夕霧と雲居の雁。小さい子が悲しむ姿はいつの時代でもインパクトがあり、たとえそれが1000年前のしかも架空の話だとしても、助けてあげたくなる。夕霧が自分の力で立ち直ることを期待する源氏はさすが。そして雲居の雁につり合う男になるために努力する夕霧はいじらしい。最後にかっさらうダークホースひげ黒。玉鬘がっ!
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