フィリピンパブ嬢の社会学 の商品レビュー
第47回ビブリオバトル〜明石の陣〜テーマ「熱」で紹介された本です。オンライン開催。 チャンプ本。 2022.8.10
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フィリピン旅行の際に読んだものだが、筆者のエネルギー臨場感が読み手にもひしひしと伝わってきて、次のページをすぐめくっていた。 私は今まで東南アジアはタイとインドネシアに行った経験があるが、その2カ国と比べても何だかすごく素朴な感じ。優しさやホスピタリティ精神が、とってもカジュア...
フィリピン旅行の際に読んだものだが、筆者のエネルギー臨場感が読み手にもひしひしと伝わってきて、次のページをすぐめくっていた。 私は今まで東南アジアはタイとインドネシアに行った経験があるが、その2カ国と比べても何だかすごく素朴な感じ。優しさやホスピタリティ精神が、とってもカジュアルで鬱陶しくない感じ。さりげなさ。 でもミカは自分で働いたお金をコレでもかと家族に引き渡してしまうけど、それも心置きなく。 それってどうなんだろう?とはめちゃくちゃ思うけど、ミカにとってそれが幸せなら何でもいいんだけどーーーーー、そのポジティブさってどこからくるんだろうか 5時間もあれば飛行機ですぐ飛べる国なのにこんなにも家族観の相違について学べたのは凄く良かった。ヒーローね、
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映画が予想を超えて面白かったので、原作を読んでみた。 フィリピンパブには行ったことないしこれからも行く機会は多分ないだろうけど、彼女らに対する偏見や誤解を持っていることを、本書を読んで自覚した。 フィリピン家族との金銭感覚の激しいズレは、映画よりも明確に語られている。 本書は、...
映画が予想を超えて面白かったので、原作を読んでみた。 フィリピンパブには行ったことないしこれからも行く機会は多分ないだろうけど、彼女らに対する偏見や誤解を持っていることを、本書を読んで自覚した。 フィリピン家族との金銭感覚の激しいズレは、映画よりも明確に語られている。 本書は、フィリピンパブ嬢の生活を明らかにしているだけではない。フィリピン人家族との家族観や金銭感覚、貧富についての捉え方の違いに戸惑う、フィリピンパブ嬢と付き合い結婚した著者の困惑や悩みを明らかにした、日本人男性を語る本でもある
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友人といっしょに映画を観て、原作あるなら読むかと取った1冊。 発売から7年。実際は当時から10年くらいは経ってると思うので、日本の方が給料がいいというのはないと思うが、アジア圏特有の女性の生きづらさについて考えた1冊。学びたいなら「働け」、女性の(シャドー)ワークが支える家族。男...
友人といっしょに映画を観て、原作あるなら読むかと取った1冊。 発売から7年。実際は当時から10年くらいは経ってると思うので、日本の方が給料がいいというのはないと思うが、アジア圏特有の女性の生きづらさについて考えた1冊。学びたいなら「働け」、女性の(シャドー)ワークが支える家族。男性の生きづらさ(格差?)も相まってなんとも言えない読後感想文だった。
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新書というと、なぜか敷居が高いような気がして構えてしまうのはわたしだけだろうか。だけどこの本は、ごく普通の大学生(この本の著者が主人公)が、フィリピンの研究のために行ったフィリピンパブで働く女の子との恋愛奮闘記が中心なので、さくさくと楽しく読めるのだ。 その女の子はミカといって、...
新書というと、なぜか敷居が高いような気がして構えてしまうのはわたしだけだろうか。だけどこの本は、ごく普通の大学生(この本の著者が主人公)が、フィリピンの研究のために行ったフィリピンパブで働く女の子との恋愛奮闘記が中心なので、さくさくと楽しく読めるのだ。 その女の子はミカといって、彼女のお姉さんも日本に働きにきている。フィリピンの女性たちがどうやって日本に来るのか、そして日本ではどんな生活をしているのか。これはわたしが想像していた以上に大変で、旅行と違って思い立ったら誰でもすぐ行けるというわけではない。 そして彼女たちの家族はフィリピンではどのような暮らしをしているのか。 それらがこの二人の恋物語を読みながらだからこそ、身近に感じられ、リアルに理解できる。 ミカは日本で一生懸命働き、嫌なことも我慢して、節約しながら暮らしているのに、彼女の家族はフィリピンで贅沢三昧な生活をして、親戚も徒党を組んでミカからお金をこれでもかとむしり取っていく。そんなのってひどい!わたしは腹が立って仕方ないのだが(無論著者も)、ミカはあまり気にしない。自分もそうやって日本で働く姉のお金で学校に通わせてもらったし、こうすることは当然だと言う。だって家族なんだから。 ここに出てくるフィリピンの女性はみな強くて明るい。そんな女性たちに囲まれて、彼は男として、人間として、親の脛をガリガリと齧りながらも逞しく成長していく。 さて最終的にこの二人は、数々の困難や周りの反対を乗り越えて、幸せになることができるのでしょうか。 わたしも1度だけフィリピンに行ったことがある。 一緒に行ったのは彼氏いない歴=年齢の女の子だったが、帰国の2日前にはハンサムなフィリピーノと恋仲になっていた。帰国してからも彼らは付き合い続け、3ヶ月後には結婚の話もチラホラ出てきた。もちろん周りは心配し、反対した。100%お金目当てだと思ったからだ。彼は日本で働くといい、自分の家族も日本に呼ぶと言い出して、そのうちなんとなく別れてしまった。彼がどんな気持ちでそんなことを言い出したのか、そのときも今も分からないままだ。 ただわたしが言いたいのは、わたし自身が、彼がフィリピン人であることだけで彼女を利用するために結婚すると決めつけてしまったことは、非常に失礼だったということ。 わたしの中の偏見は、教育や環境を餌にして育ってきた。別に人のせいにしているわけじゃない。だけど幼い頃の狭い世界の中で、自分では何も選べなかった年齢に、親やメディアの影響は余りにも大きい。 子どもの頃に無意識に刷り込まれたものは払拭することは難しいが、自ら学ぶことによって消えていけばいいと思う。 ということも感じた一冊でした。
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映画にもなっている。 「普通」とか、「みんなは」と日本人はよく言う。 頭の中の常識を引っ張りだしても通じない世界もある。 インバウンドで街には外国人の方が多い。 花見に友人と出かけたが、四方八方から、別の言語が聞こえてくる。 このノンフィクションの世界は凄...
映画にもなっている。 「普通」とか、「みんなは」と日本人はよく言う。 頭の中の常識を引っ張りだしても通じない世界もある。 インバウンドで街には外国人の方が多い。 花見に友人と出かけたが、四方八方から、別の言語が聞こえてくる。 このノンフィクションの世界は凄まじい。偽装結婚なんて当たり前。つながる闇組織。 弱肉強食を地で行く。 なんでだろ?ジメジメした暗さがない。 興味深く読めた。
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フィリピン家族の価値観の違いに最初は戸惑いながらも、違いを理解しようとする姿勢、理解できなくても認める、話し合って互いに歩み寄ろうとする姿勢が印象的だった。 お金をせびりまくる家族、なんでも言う通りにしてしまうミカ、それが普通。何をどれだけ言われても自分が苦しんで稼いだ金でも助...
フィリピン家族の価値観の違いに最初は戸惑いながらも、違いを理解しようとする姿勢、理解できなくても認める、話し合って互いに歩み寄ろうとする姿勢が印象的だった。 お金をせびりまくる家族、なんでも言う通りにしてしまうミカ、それが普通。何をどれだけ言われても自分が苦しんで稼いだ金でも助けるのが家族。あとは、フィリピンの中で日本へ出稼ぎに行った人は日本人と話して酒飲んで簡単に大金を稼げるという認識の違いに驚く。でも当事者からすれば心配されたくないから何も言わずに要求を飲む、こちらから見れば負の連鎖に見える。 ドュテルテさんが人身売買だと警告した結果何かその認識に関しては変わったのだろうか。 フィリピンにどんどん沼っていく様子にとても共感。
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ゆうこさんの本棚から 面白かった! 昔から真実は小説よりなんちゃら(そこまで言ったら最後まで言いなさいよ)言いますけどね ほんとノンフィクションとは思えない?いやノンフィクションだからこその面白さでした ただ読みづらいw 巻末の解説によるとこれでも相当頑張ったみたいだけど、...
ゆうこさんの本棚から 面白かった! 昔から真実は小説よりなんちゃら(そこまで言ったら最後まで言いなさいよ)言いますけどね ほんとノンフィクションとは思えない?いやノンフィクションだからこその面白さでした ただ読みづらいw 巻末の解説によるとこれでも相当頑張ったみたいだけど、正直出版できるレベルじゃない拙さ んでもそこを乗り越えればね フィリピン人の価値観みたいなんに驚きつつも楽しめます 明るくそして強いフィリピン人のミカに引っ張られ、お尻を叩かれ、ぐじぐじ考えながらも少しづつ進んでいく日本人の著者 そしてちっぽけなプライドを持ち続ける情けない日本人男子に少なくない共感を覚えながら彼女の言葉に勇気づけられたりするのです 「だいしょうぶ!何とかなるよ!」
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名古屋の大学院生22歳が、栄のフィリピンパブ嬢25歳との交際をつづった、5年間のルポルタージュ。 タイトルは『社会学』だが、学術的な研究報告とは言いづらい。 とはいえ肌で感じる社会学、国際関係学、文化人類学という感じで、まあ一言でいえば恋愛ノンフィクショ...
名古屋の大学院生22歳が、栄のフィリピンパブ嬢25歳との交際をつづった、5年間のルポルタージュ。 タイトルは『社会学』だが、学術的な研究報告とは言いづらい。 とはいえ肌で感じる社会学、国際関係学、文化人類学という感じで、まあ一言でいえば恋愛ノンフィクション! 客観的には、金なし非モテ(失礼)が、研究と称して接近したものの、彼女の魅力にやられ「ミイラ取りがミイラになる」を地でいったものだ。 交際するなかで実地的に知るフィリピンパブ嬢の実態は興味深い。 フィリピンパブ嬢を取り巻く環境は2005年の法改正で一変した。 かつては「興行ビザ」で、曲がりなりにも「プロ」として来日していた彼女たち。その道を塞がれてからは、非合法の手段で来日を果たす。 それは偽造パスポート、日本人との偽装結婚だが、その背後にはもちろん反社会的勢力がいる。 また、フィリピン人の家族観、金銭感覚は日本人からすると理解に苦しむ。熱帯に暮らす民族の特徴なのだろうか。産業がないという国家の課題とともに、問題の根深さを感じた。 紆余曲折、トラブルを乗り越え、ふたりはどんな結末を迎えたのか。前途多難にもみえる将来は。 「愛があれば大丈夫」。そう、信じたい。 ※先日、映画が公開されたみたい。
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『さらばのこの本ダレが書いとんねん』で著者が出演されていて、ずっと読みたかった本。これが新書なの!?ってぐらい、ほぼ小説。面白くて一気読みしました。 大学院で「在日フィリピン人の女性の生活」をテーマに勉強していた著者。研究のために入ったフィリピンパブで出稼ぎ労働者ミカと出会う。...
『さらばのこの本ダレが書いとんねん』で著者が出演されていて、ずっと読みたかった本。これが新書なの!?ってぐらい、ほぼ小説。面白くて一気読みしました。 大学院で「在日フィリピン人の女性の生活」をテーマに勉強していた著者。研究のために入ったフィリピンパブで出稼ぎ労働者ミカと出会う。彼女とプライベートで会い惹かれ合うようになったときに、「私、本当は結婚しているの」と告白される。彼女は日本に出稼ぎに来るために偽装結婚をしていのだ。3年間の契約があり、逃亡防止のため決まった時間にしか出かけられず、月6万の給料しかもらっていない。 心配する著者にミカは、「私のこと弱い人間と思っているんでしょ。ばかにしないで、助けなんかいらない」というものの、もちろん彼女の周りには怪しげな人間がいて…。 真面目で前向きなミカと著者の恋愛はとても微笑ましく、マネージャーに見つからないかドキドキ。 フィリピン人の家族観の違いには戸惑います。毎月仕送りをし、里帰りした時に現地の家族からモノや金銭を要求されるミカ。要求に応えるミカに対してなんでそんな価値観なの?と思うのですが、フィリピンと日本の社会の違いが関わっています。この本が書かれたのが2017年なので、今の円安の状態ではどうなっているのか気になるところ。 3年間搾取されても日本に来たかったミカの強さと彼女の人柄の良さ、人に甘えるのが上手い著者。続編『フィリピンパブ嬢の経済学』も読まなくちゃ。
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