不自由な自由 自由な不自由 の商品レビュー
チェコとスロヴァキアのグラフィック・デザイナーたちに取材し、社会主義ゆえの不自由からオリジナルな表現の自由さと、現代のデザインに感じる逆説的な不自由さからグラフィック・デザインの未来を考える。 移住歴10年以上のライターによるインタビューが集められていて貴重なものなのではない...
チェコとスロヴァキアのグラフィック・デザイナーたちに取材し、社会主義ゆえの不自由からオリジナルな表現の自由さと、現代のデザインに感じる逆説的な不自由さからグラフィック・デザインの未来を考える。 移住歴10年以上のライターによるインタビューが集められていて貴重なものなのではないかと思う。日本では社会主義時代の東欧デザインは「かわいい」ものとみなされているが、本国でも今やノスタルジックなアイテムとしてもてはやされているという。では、そのミニマルなデザインが元々はどのような文脈から、どのような制約のなかで生みだされてきたのか、その時代を生きて仕事してきた人たちの言葉に耳を傾けてみようというのがこの本の主旨だ。 読みながら思いだしたのは、シュヴァンクマイエルのエッセイ集『シュヴァンクマイエルの世界』のこと。本書にでているデザイナーたちと同じ時代にチェコで映画を撮ってきたシュヴァンクマイエルは、「社会主義が消滅してから資本主義はバランスを失い暴走している」と繰り返し述べていた。本書で年配のデザイナーたちがテクノロジーにデザイナーが「使われている」現状を嘆いているのは、根本にシュヴァンクマイエルと同じ懸念を抱いているからだろう。広告に囲まれた消費社会を客観的に眺めるための視点を与えてくれる一冊だった。
Posted by
チェコとスロバキアのグラフィックデザインを社会主義の時代に生きたクリエイター達に取材して書かれた本。 おもしろかったーーーー
Posted by
社会主義という国のルールに従わなければ、表現できなかった時代だからこそ、生み出された表現と自由という時代になったからこそ、失われた表現があるのだと痛感させられた。どちらが幸せだとか不幸だとか言えるものではなく、表現することのなかにどれだけの情熱を傾けるかが問題。苦しみ、悩み、綺麗...
社会主義という国のルールに従わなければ、表現できなかった時代だからこそ、生み出された表現と自由という時代になったからこそ、失われた表現があるのだと痛感させられた。どちらが幸せだとか不幸だとか言えるものではなく、表現することのなかにどれだけの情熱を傾けるかが問題。苦しみ、悩み、綺麗ごとではなく、自分のしたいことに実直であることが大切なのかもしれないと思ったが、読めば読むほど正解はないと思い知らされる。
Posted by
- 1
