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文脈力こそが知性である の商品レビュー

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2017/06/29

文脈力こそが知性である 斎藤孝 2017年2月10日初版発行 2017年6月29日読了 「語彙力こそが教養である」の姉妹本。 語彙が豊かになると見える世界が多彩になり自分が豊潤になっていく実感とともに人生の楽しみが増していく。と著者は語ります。 語彙が増えるのは良いこと。でも語...

文脈力こそが知性である 斎藤孝 2017年2月10日初版発行 2017年6月29日読了 「語彙力こそが教養である」の姉妹本。 語彙が豊かになると見える世界が多彩になり自分が豊潤になっていく実感とともに人生の楽しみが増していく。と著者は語ります。 語彙が増えるのは良いこと。でも語彙も文脈の中で使わないと効果を発揮しない。「場」に合っているかどうか。意味もなく難しい言葉を使っても知性を感じさせることは出来ないと。 自分のなかに蓄積された語彙や知識を、「文脈に即して、すぐに的確に使える」ようにするにはどうすべきか。が本書のテーマでその手法について書いてありました。 池上彰とはまた違った分かりやすさ読み易さがありました。 テーマの1つとして「知性」とは「物事をつなげていく力」と言っています。 知性の高い、教養ある人は集積された知識や経験をさっと色々な文脈の中で使えるのです。 それには、ある「場」の中(講義でも会話でもメールでもその時々の文脈)で話ししている内容と別の表現をつなげて会話できる人が1つ要素としてあると。 その例として「引用」がある。例えば、「後悔するような結果にしたくないので、全力でがんばります」と言うのと、「我、事において後悔せず」という宮本武蔵の心意気でやります。 というのではインパクトが違ってくる。後者には宮本武蔵の言葉の力が加味されグッと表現に価値が増す。など。 まあその為には、幅広く知識をためて、普段からアウトプット=何かに繋げられないかな?と意識することが重要なんですよね。 他にも色々な語彙力の使い方や斎藤さんがさんが勧める書籍、思考法、読書法などが載っていました。 200ページくらいのサクッと読める本ですが、内容のある一冊ですね。 後半には、30過ぎまで目が出ない斎藤さんの暗黒時代の話なんかも興味深かったです。結構苦労人なんですね。あと、「心」と「精神」の違いなど。

Posted byブクログ

2017/05/30

単発にその事だけではなく、繋げること。それができるようになるには、日々、繋げて話す訓練が必要。何事にも興味を持ち、繋げる幅を増やすことが大事!

Posted byブクログ

2017/02/21

 著者のベストセラー『語彙力こそが教養である』の姉妹本に位置する「文脈力」について述べた新書。文章とはその一文一文がつながりをもつ「意味の織物」であり、その連なる意味を的確につかまえる力を著者は「文脈力」と定義している。ただしそれは文章内に限定されたことではなく、他者との会話や場...

 著者のベストセラー『語彙力こそが教養である』の姉妹本に位置する「文脈力」について述べた新書。文章とはその一文一文がつながりをもつ「意味の織物」であり、その連なる意味を的確につかまえる力を著者は「文脈力」と定義している。ただしそれは文章内に限定されたことではなく、他者との会話や場所、時代にも、そこに確実に脈打つ「意味の流れ」が存在し、それをつかまえる力も文脈力として捉えている。この文脈力を意識して生活することで知性は磨ける、発揮できると著者は述べる。  全七章で200ページほどあるのだが、本書の要となる部分は第二章までの80ページほど。文脈力や知性についての著者独自の理論がとても興味深く勉強になる。特に第一章の「4段階の頭の良さ」は、教育関係者は肝に銘じておきたい。頭の良さをAランクからDランクまで定義しているのだが、Dランク「記憶したことを再現できる」は日本の高校の多くの授業や試験がこの域を出ていないのだ。実際に、Dランクまでしかさせてこなかった学校教育の問題点が指摘され、昨今の大学入試改革へと繋がっていく。よくよく考えてみると、これまでの多くの大学入試問題もDランクレベルである。これらが改革によりBランク「知識や情報を組み合わせて、そこからアイデアを出せる」レベルを求める入試が主流になるのだろう。(なってほしい)それに合わせて高校の授業内容も変革していくのだろうが、授業者である教員が生徒に身につけさせるべき能力を整理して理解しておくことが必須である。この「4段階の頭の良さ」は一つの指針となるのではないか。全教員がこのランクを意識して授業を作れないものか。しかし現実は自身がDランク止まりの教員が多い。そのこと自体が喫緊の問題なのかもしれない。  第三章以降は「文脈力」という言葉の定義を生活レベルに広げてその重要性が展開されるが、本来の「文脈」という意味から離れすぎて対人関係や生き方論となっている感が否めない。話を広げて一冊の本としてまとめるためには必要なことだとは思うが、やはり重要なことは第二章までで語り終えているような気がする。  しかしそれを差し引いても読む価値のある本だと思う。著者の語彙力の高さが、様々な場面の指針となる概念をピタッと定義してくれる。そして著者の文脈力の高さが、そこに説得力と新たな知識への刺激をもたらす。読んで損はない一冊。

Posted byブクログ