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消えたい の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/02/15

アダルトチルドレンが抱えがちである「私は人とは違う」という感覚を「異邦人」というワンフレーズに要約しており、ドンピシャな言葉選びに驚嘆した。 多くの具体的なエピソードが述べられており、読み進められなくなるほど苦しい話もあった。 周囲と同様に振る舞うことはできても、その行為の本質...

アダルトチルドレンが抱えがちである「私は人とは違う」という感覚を「異邦人」というワンフレーズに要約しており、ドンピシャな言葉選びに驚嘆した。 多くの具体的なエピソードが述べられており、読み進められなくなるほど苦しい話もあった。 周囲と同様に振る舞うことはできても、その行為の本質が分からず、他者と感情が共有できない。 まさに海外に出かけた際に現地人へ抱く感覚と似ている。異国人としての浮遊感。生きる世界が違うのだから仕方がないという諦念。 被虐待児は離人感を抱きやすいというが、今を生きていなければ、人生から時間的一貫性が失われてしまう。私には過去や思い出がない。他者と何の感情も共有していなかったから。 もしかすると、私はもう誰かと感情を共有する生き方はできないんじゃないかと思う。 けれどそんな中でも、自分という存在を知りたいという欲はまだある。 知るということは、離れるということ。 私という存在を俯瞰して捉え、ただそこに「在る」何かを受容できるようになれば、消えそうな自我の輪郭が見えてくるのだろうか。

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2023/10/10

被虐の方が生きてきた「普通」でない世界。本を読んだくらいで理解したと表現するにはあまりに異なる世界だけど、そんな世界があることを知ることが出来ただけでも、私にとっては世界の見方が変わる大きな体験でした。

Posted byブクログ

2023/06/06

アダルトチルドレンの方の思考を分かりやすく言語化されている一冊。この微妙なニュアンスや考え方を知らないと、アプローチしても相手に届かないかも、と面白くのめり込んで読み進めた一冊。

Posted byブクログ

2021/07/02

虐待を受けた子供の、心理的内面を解説してくれる本。 記憶とか、今ここにいる感覚とか、自分が生きてていい、他の人と同じ、と感じる感覚がなくなってしまうらしい。

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2021/02/27

精神科の先生に、両親からの虐待を指摘されて購入しました。 虐待児を異邦人と呼ぶのは、面白いと感じました。私も自分が人間のなりそこないだと酷く苦しんだ時期もあり、今でも世界に疎外感を覚える事は多々あります。

Posted byブクログ

2020/08/31

被虐待児のカウセリング事例集。 自分は被虐待児ではないが、子供や他人への言葉のかけ方を学びたい。自分の言動が、かくも子供・他人の人生を大きく毀損させてしまう可能性があるということを。

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2019/05/02

すごく納得できる話だった。でも、この人のやっているカウンセリングを受けるのはかなり困難と知って、残念になった。

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2018/06/30

作家高橋和巳をはじめて読んでみようと思い立ち、そんな私にamazonのaiが真っ先に進めてくれた此方を購入。読み進めていくうちに、作家高橋和巳はどうやら二人居てひとりは小説家高橋和巳、もう一方は精神科医学博士の高橋和巳、そしてわたしが手にしたのは題目からも明らかなように精神科医の...

作家高橋和巳をはじめて読んでみようと思い立ち、そんな私にamazonのaiが真っ先に進めてくれた此方を購入。読み進めていくうちに、作家高橋和巳はどうやら二人居てひとりは小説家高橋和巳、もう一方は精神科医学博士の高橋和巳、そしてわたしが手にしたのは題目からも明らかなように精神科医の高橋和巳さんの方であった。 奇しくも別の高橋和巳の本を手に取る事になったが、当事者の圧倒的な社会からの孤立感の説明として、被虐者の継続して社会と接点を得る事の難しさ、について言及されているのだが、その内容が目から鱗だった。 生きているわたしの存在というのは大きくはひとつに他者に認識される事ではじめて存在を認識されるわたし、と、もう一方で、ひとつの生命として身体的に唯生きているわたしから成り、この社会性という意味での生存が適わない人が、社会から浮遊し精神的に孤絶するんだという説明が判りやすい。(この本では被虐者の孤絶についての説明であったが、先程の条件に身を置けば誰でも孤絶する可能性を孕んでいると思う。) その中で一時的ではない、継続した社会との接続の必要性が掲げられている理由は、社会的証明があってはじめて私という存在がこの世に生を受け現在に至るまで一貫して社会に実在する事、生きている事になるからである。みたいな事が書いてあって、私自身感じる生きている事の頼りなさはここから来る部分もあるんだろうかなあ〜とこれまでの自身の生き方(対人関係)を振り返り思った。 この本に出てくる被虐者の体験談を読むと、生きてる実感の頼りなさっていうのは、きっと、継続した私の存在の証明、証言者を得る事で減らしていけると言う事が判明する。その証言者を異なる社会コミュニティの中から複数得られれば、より私の存在が多層的で立体的になり輪郭がはっきりする、確かな存在になるんだ、と言う事も分かった(ヤンキーが気持ちよさそうにいきいきとして見えるのも狭くはあるかもしれないが地域社会で成る程がっちり証言者を捕まえているからだ、と理解)。その為には継続した人間関係を築く事が必要で、その経験があまりない人が取り掛かるには、人付き合いを継続したものとして築いていてく過程で途中かなりの忍耐と努力を強いられ困難に感じる事も多いだろう。つらくてしんどくて面倒な事かもしれないが、その先にはより確かに生きているわたし、孤絶も浮遊もあまりせず社会と着実に繋がっているわたしが得られるんだろう。など私なりの学びはそれなりに多かった。ので、結果読んで良かった。 メモ 3Dではまだ頼りない。時間軸も追加された4Dが求められる。最近の現代美術の潮流も4dimensionの作品が増え流行っている背景には〈社会に存在している「私」〉を「作品」に置換した考え方? より確かに生きる為に築かなくてはならない「他者にとっての他者であるわたし」について、この後読み進めている鷲田清一の「死なないでいる理由」で理解は深まるだろうか。

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2017/03/08

三崎さんのエピソードを読んで 私自身も「やらねばならない」の義務感や焦燥感だけでここ数年を生きてきた気がした。その間に「やりたい」事は一切なくなってしまったことに気づいた。

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