眠れない夜は体を脱いで の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
本当の自分を出せず、隠し、そう見える自分、期待される自分を無意識のうちに演じ、窮屈な人生を生きている者たちを描く5つの短編。 あるがままの自分と、あるべき自分。 ありたい自分と現実とのはざまで悩み、イラつき、諦めるしかない人達の生き辛さが描かれている。 人は多かれ少なかれ、自分を演じているところがあると思う。だけど、こうありたい自分を認めて、ありのままの自分を解放することができれば、毎日を生き生きと過ごせるのかな、、、 5つの短編の主人公は、繋がりがないようでいて、ネットの掲示板に書き込まれた「あなたの手を見せてください」という投稿でゆるくつながっている。 同じ投稿をそれぞれの主人公が、それぞれの立場で自分に引き寄せているのが面白い。 どの作品にも、小さいけれどきらきら光る気づきがあって、結末も清々しく、素敵な作品だった。
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誰かと出会って新しい自分に気づくお話。緩やかな連作短編でどの物語も優しくて読後感はほっこりジーンとする。繊細な情景描写も素敵です。次回作を早く読みたい。
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うーん、嫌いじゃないけどこれといって良くもない。 手の写真をのせたスレッドがでてきて、知らず繋がっている短編集。 ただ、この人の文章は嫌みなくすーっと入ってくる。
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彩瀬さんの、こういう少しずつ繋がってる短編集がとても好き。今回は掲示板で手の画像を載せていく人たちだったけれど、それが特別メインのテーマになるわけではなく、そこにふらっと立ち寄る人たちが思ったことや感じたことが自分の生活で抱えている不安や悩みに繋がっていく。 特に『マリアを愛する...
彩瀬さんの、こういう少しずつ繋がってる短編集がとても好き。今回は掲示板で手の画像を載せていく人たちだったけれど、それが特別メインのテーマになるわけではなく、そこにふらっと立ち寄る人たちが思ったことや感じたことが自分の生活で抱えている不安や悩みに繋がっていく。 特に『マリアを愛する』が印象的だった。マリアや映画の描写がとても綺麗で、浮世離れした空気を纏ったお話だった。いきなり幽霊が登場したときはびびったけど、違和感を抱えることなく読み進められた。男女におけるコンプレックスや不安、そういうものを最後は優しく掬い上げてくれる彩瀬さんの文章がとても素敵だ。
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男女という性別の呪縛をテーマにした5つの短編集。男はこうあるべき・女はこういうものといった読者の固定観念を時に揺さぶり時に逆手にとる話が並ぶ。各話は独立してるけど「手」をキーワードにしたある仕掛けで繋がっているのも面白い。生々しく鮮やかな表現も健在。でも前作よりはやや薄めかも?...
男女という性別の呪縛をテーマにした5つの短編集。男はこうあるべき・女はこういうものといった読者の固定観念を時に揺さぶり時に逆手にとる話が並ぶ。各話は独立してるけど「手」をキーワードにしたある仕掛けで繋がっているのも面白い。生々しく鮮やかな表現も健在。でも前作よりはやや薄めかも?
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初出は2013-16年の「読楽」に掲載された5短編 やられた。たぶん作者の意図どおりにはめられた。 第1話がイケメンであることを重荷に感じてる高校生が少し楽に生きられそうになるというストーリーで、自然で軽く優しい小説なのだと思った。 第2話の途中までも、合気道をやっている...
初出は2013-16年の「読楽」に掲載された5短編 やられた。たぶん作者の意図どおりにはめられた。 第1話がイケメンであることを重荷に感じてる高校生が少し楽に生きられそうになるというストーリーで、自然で軽く優しい小説なのだと思った。 第2話の途中までも、合気道をやっている50代の独身女性が力まなくなる話だと思ってたら、第1話と同じ手の写真を求めるネットの掲示板が出てきて繋がってしまった。 第3話はどう繋がるのかと思ったら美人女子大生の幽霊が出て来るわ、第4話は固定観念に固まった銀行の支店長の生き方が赤ん坊に変えられるが、ちゃんと手の掲示板で繋がってるので、最後はその話だろうと思ったが、以外にそれがメインではなかった。 1話ごとに完結する話に、予想を裏切られ続けながら、ちょっと切なく、じんわり心が温められる。
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今回は好きな彩瀬さんで嬉しい限り。 どの話も心に小さな火が灯るようで、ほっとする。 ゆっくり進めば良いのだと気づかせてくれる一冊だった。
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