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眠れない夜は体を脱いで の商品レビュー

3.9

47件のお客様レビュー

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2019/05/21

彩瀬まるさんは初めてだったけど作家さんによって世界観っていうか伝わるものってほんとに違うんだなって感じさせられた。 鮮やかな熱病は考えさせられる話だった。 人間は知らないものを認識できないって... 後輩にイライラしてたけど自分の考えを変えようと思った。

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2018/07/01

何気なく日常を繰り返して、そこにあるもの、起こるものだけが自分を作り上げる。それは思い込みであって、誰しもが表現したくても出来ないものを持っている。自分自身を素直に受け止めることへの勇気。結構シビアな感じのことも、さらっとした嫌みのない優しさを感じさせるのは彩瀬まるさんらしさ。「...

何気なく日常を繰り返して、そこにあるもの、起こるものだけが自分を作り上げる。それは思い込みであって、誰しもが表現したくても出来ないものを持っている。自分自身を素直に受け止めることへの勇気。結構シビアな感じのことも、さらっとした嫌みのない優しさを感じさせるのは彩瀬まるさんらしさ。「眠れない夜は体を脱いで」というタイトルも素敵です。

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2018/06/21

「手が大好きなので、いま起きてる人の手の画像ください!」というスレでつながっていた連作短編集。 タイトルが印象的だなと手に取りましたが、どの話もこのタイトルがしっくりくるものでした。 性や時代、生と死など様々なもので悩んだり苦しんだりする人はこれらの登場人物たちと同じように現...

「手が大好きなので、いま起きてる人の手の画像ください!」というスレでつながっていた連作短編集。 タイトルが印象的だなと手に取りましたが、どの話もこのタイトルがしっくりくるものでした。 性や時代、生と死など様々なもので悩んだり苦しんだりする人はこれらの登場人物たちと同じように現実にもたくさんいて、物語を通して救われる部分も数多くあると思いました。 印象に残ったのは『ままならない』という言葉。 ままならないから時にもがき苦しむこともあるけど、その中でどう生きていくかってことが現実に生きる私たちに大切なことなのかも。 個人的には1話の男子高校生が好きです。がんばれ。 きっとどの話も誰かのままならなさを救ってくれるものになっているんじゃないかな。

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2018/04/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連作短編のお手本のような見事な1冊。伏線回収がばっちり決まって心がすっとする。物語事態を感動する部分と別のところで、「1本とられた」的清々しさをしっかり味あわせてくれる。 ミステリーではない(そういう要素を含んだ作品もあるが)ので、伏線回収だけが上手く行っても仕方ないわけであるが、そこはそこ、1つ1つの収録作品の出来も良い。イケメンに生まれた葛藤を書く話、死んでしまった短編映画のヒロインとの葛藤を描く話、ド真面目おじさんのちょっとした再生話…。俺は特に合気道にのめり込む女性の話が好き。 合気道にはまるという設定もいいし、そこに「女性」であることを少し疑問視する主人公をたてるのもいい。合気道のステージが上がるにつれて、処世術も力づくではない受けて流せるスキルをつけていく過程の描き方が上手いなぁと思うのだ。 来世を信じる方ではないが、次にのめり込むならラグビーと合気道かなぁ、とか、それはこの本と全然関係ないこと

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2018/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

彩瀬マジックにすっかりやられた。 彩瀬さんの静かに流れるような文章に心をぎゅっと掴まれた。 真夜中のネット掲示板上で繋がる連作短編集。 世の中はなんて儘ならないことが多いのだろう。 顔や性別、年齢等、思い通りにいかずジタバタする主人公達の短編一つ一つに共感して切なくなる。 誰しも人には言えないジレンマを心の奥に潜めながら吐き出すことも出来ずにいる。 けれどそんな自分を受け止めてくれる味方はきっといる。 人を信じる…底知れぬパワーを貰えた。 人知れず思い悩んで眠れない夜は、重たい鎧を脱いで素の自分をさらけ出していけたらいいな…。 彩瀬さんの短編の繋げ方が見事で最後に唸ってしまう。 読み終えた後の爽快感がとてもいい。

Posted byブクログ

2020/01/09

自分という生き物とうまく付き合えなくて、自分でいることに窮屈さを覚える。 どうして自分はこんな風にしか生きられないのだろう。という自己嫌悪に陥った経験を持つ人は、持たない人よりも多く存在すると思う。 別の誰かになることは叶わない。それならばこの自分という厄介な生き物と、どう付き合...

自分という生き物とうまく付き合えなくて、自分でいることに窮屈さを覚える。 どうして自分はこんな風にしか生きられないのだろう。という自己嫌悪に陥った経験を持つ人は、持たない人よりも多く存在すると思う。 別の誰かになることは叶わない。それならばこの自分という厄介な生き物と、どう付き合っていけばいいのか。 そういった想いを抱えた登場人物たちが織り成す、5つの短編集。 美しい容姿に生まれたことを窮屈に感じている男子高校生や、女性という性に少なからず違和感を抱えながら生きてきた中年女性など、自分のコンプレックスが何であるかをはっきり認識している主人公もいれば、真面目すぎて物事をまっすぐに決め付けてしまうことを周りに疎まれながらも、自覚は出来ていない老年の男性が主人公の物語もある。 いずれにしてもどこか“上手く生きられない”人たちが主役であるところが、身近に感じてとても愛おしくなる。 5つの物語の共通点はインターネット上にある1つの掲示板のスレッドで、若い女性が立てたらしい「手が好きなので、いま起きている人の手の画像をください!」という内容のもの。 5人のうち4人の主人公はそのスレッドを偶然見つけ、ほんの一時軽く関わる。そして残りの1人は…という少しの謎も楽しめるつくり。 みんなスレッドとの関わり方はほんの浅いものなのに、不思議とその存在が心に残る。偶然見つけてふと立ち寄って書き込みをするのだけど、その内容が主人公たちの悩みやコンプレックスにとても沿っているところが興味深い。 普段悩んでいることや考えていることが無意識に現れる瞬間の小さな恐ろしさのようなものを感じた。 私はとくに「小鳥の爪先」と「マリアを愛する」が好きだった。主人公たちのコンプレックスを理解出来るせいかもしれない。 ネット上に居場所を求める人間が数多いる今の世の中。不健全だと責める人もいるかも知れないけれど、それによってどうにかバランスを保てている人も確かに存在する。 そこに血の通ったような温かさを感じることも、きっと不可能ではないのだと思う。

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2018/01/02

ネットのとある掲示板を、たまたま見ていた人たちのオムニバス 夜、ネット、顔の見えない交流… こういうテーマのお話は好き。 本当に、ありふれたごくごく普通の人たちのお話。 読み終わっても特になにも残らないのが正直なところ。 白文鳥が出てきたのは嬉しかった。

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2017/12/22

短編集だけど、実はある部分で話が繋がってる感じ。 彩瀬まるさんは、なんとなく心に残る、忘れさせないものを感じさせるなあ。

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2017/11/15

ヤバい!めちゃめちゃよかった!! 手が好きなので、あなたの手を見せてください! ――不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。 そこに集うのは、日々積み重なっていく小さな違和感に、 窮屈さを覚える人々。 深夜の掲示板上で交差する、連作短篇集。

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2017/08/25

イケメン高校生、結婚しなかった中年女性、元カノの幻影に悩む女性、家族にイライラしているおじさん、ゲームの中で恋愛している独身男性。性別も年齢もバラバラの主人公たちが、「何か」でふんわりつながっているオムニバス。生きづらさを感じている主人公の内面に、スッとやさしく切り込んでいき、内...

イケメン高校生、結婚しなかった中年女性、元カノの幻影に悩む女性、家族にイライラしているおじさん、ゲームの中で恋愛している独身男性。性別も年齢もバラバラの主人公たちが、「何か」でふんわりつながっているオムニバス。生きづらさを感じている主人公の内面に、スッとやさしく切り込んでいき、内面でなにかが変わるところが書かれる。ふだん、自分の内面などかえりみないが、彩瀬さんの本を読むと他人に隠している「本当の自分」というものについて思い出す。それが苦くもあり、気持ちよくもあるので、新作が出るとつい読んでしまいます。

Posted byブクログ