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ブラック・ヴィーナス 天才株トレーダー・二礼茜 の商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2024/10/09

二礼茜という印象的なキャラクターと先が気になってしまう展開に目が離せなかった。投資の世界の一面を見せてもらった。お金がないと何も出来ない。それを二礼茜はお金を求める人の信念を確かめることを報酬にお金を作っていく。こんな頼もしい救世主がいたら心強いと思った。

Posted byブクログ

2024/09/24

 資金難に苦しむ人からの依頼を受け、株取引を行い利益をもたらす投資の女神。ただし報酬は依頼人の最も大切なもの。  そんな「黒女神」の異名で呼ばれる二礼茜の活躍を描く経済サスペンス。シリーズ1作目。  第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。           ◇  そ...

 資金難に苦しむ人からの依頼を受け、株取引を行い利益をもたらす投資の女神。ただし報酬は依頼人の最も大切なもの。  そんな「黒女神」の異名で呼ばれる二礼茜の活躍を描く経済サスペンス。シリーズ1作目。  第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。           ◇  その日、二礼茜と百瀬良太は金沢市中心地の百万石通にあるカフェのテーブルで向かい合っていた。  良太は「金融商品取引法」を盾に取り、他人に代わって株取引ができるのは役所に登録した業者だけですよと、真面目な口調で釘を差している。けれど茜はどこ吹く風だ。  登録業者なら確実に利益を上げてくれるのか。業者が損失を出したら役所は資金を保護してくれるのか。大切な資金を預けるのなら少しでも儲かる業者に任せるのが当然ではないのか。  茜の反論に良太は返すことばがない。  なら「金融商品取引法」なんてつまんない法律ねと茜が駄目を押して、この話題は終わった。  良太が黙り込んで間もなく、窓の向こうにある証券会社の株価ボードの数字が動いた。  茜が口にした銘柄のみが大きく値を上げている。それを見ても茜は表情を変えず、そろそろ行きましょうと良太を促したのだった。 ( 序章 ) 全4章と序章および終章からなる。       * * * * *  茜と良太の出会いから描かれるため、2人の関係がわかってすっきりしました。 ( 2作目を先に読んだので……。)  茜は、資金不足で窮地に陥った人の依頼を受けて株取引を行い短期間で利益を出すという、言わば資金調達代行業をしています。  けれど、誰でも茜に会えるとは限らないことや、茜の要求する報酬が依頼人にとって痛みを伴うものであること、その代わり茜が請け負った投資のリターン率はかなり高いものであることから、ニ礼茜はいつしか都市伝説化した存在となり「黒女神」と呼ばれるようになりました。  そんな茜が受けた仕事の依頼人が良太の兄だったところから、2人の縁が始まります。  良太はもとメガバンクの行員でした。融資を通して誠実に事業に取り組む経営者を支えたいという思いから選んだ職業でしたが、そのような公益精神の欠片もない企業体質に失望して退職。石川県庁付属の行政機関「いしかわ金融調査部」の金融関係の相談員に転職します。  金融面で困りごとを抱えている人の助けになればと就いた仕事でしたが、クレーマーたちの暇つぶしの相手が大半で、虚しい日々を送っています。兄の正弘から「黒女神」との交渉に立ち会って欲しいと電話があったのはそんなときでした。  地元で小さな繊維会社を営む正弘は堅実な経営手腕の持ち主でしたが、国内の繊維業が海外製品に押され衰退するなか業績悪化を止めることができません。  社運を賭け新事業に切り替える決心をするものの資金が足りない。そこでツテを辿って「黒女神」にすがることにしたのでした。そして交渉当日……。  というのが序章の内容です。本作のミソは茜と良太のキャラ設定にあります。  第一印象は冷淡な茜と温情家の良太。正反対に見える2人ですが芯の部分は共通しています。  雨の日に傘をさすことを忘れない。そして目の前にいる傘のない人には傘をさしかけずにいられない。  これが茜の拠って立つ信条です。  実際、茜が引き受ける依頼は基本的に、困難が降り掛かっても自分でできることは何でもしようとする人からのものです。それでも力及ばない人のサポートなら、せずにはいられないのが茜なのです。  そして良太も、銀行員時代からそんなサポート精神に溢れていました。投資のプロでも何でもなく茜のビジネスに直結する能力を持たない良太を、茜がパートナーに選んだ理由はそこにあります。  序章での2人の出会いが印象的でした。  茜は良太の誠実なサポート精神を気に入ったし、良太は茜の冷淡に見える対応の裏にある温情に気づきます。出会うべくして出会った2人。だからこそ正弘に対し、茜が報酬として要求したのが良太の協力だったのです。  2人はいくつかの依頼をこなすうちに呼吸が合うようになっていき、やがて意外な転機を迎えます。実にドラマチックな展開です。  黒装束に身を包み、そっけない態度を取りつつ、自助努力を忘れないクライアントには最善を尽くして応える。ブラックジャックのような投資の女神・ニ礼茜。  純情で正直なため駆け引きには向いていないけれど、本筋は決して外さない。ピノコのような最良の助手・百瀬良太。  魅力的な2人の主人公。  続きが読みたい。3作目ができないかなあと切に願います。

Posted byブクログ

2023/05/01

看守の流儀著者の一作目 ちょっとそこまでと思わずにはいられないとこもありつつ…でもキャラが立ってて伏線回収もしっかり雨の日に傘を貸せる人間でありたい。

Posted byブクログ

2023/02/25

株の知識がなくても、充分に楽しめるけど、株の知識があったら、もっと楽しめたのかなと。 「看守の流儀」が面白かったので、手に取った本作。個人的には「看守の流儀」の方が好み。て、いうか、「看守の流儀」が面白すぎるのかな。

Posted byブクログ

2023/01/31

大変面白く読ませていただきました。女性でトレーダー余りいない主人公ですが確実に天才です。話の流れは前半は短編ぽく後半は本筋な感じです。只ちょっとリアリティに欠ける感が私には有りましたのが残念でした。

Posted byブクログ

2023/01/16

珍しい投資話が中心のミステリー、中盤までの短編的な部分はテンポも良くて面白い。メイン部は話自体は分厚いが、オチが弱い気がした。二礼茜はもっと謎だらけでも良かった気もするが、次作が楽しみ。

Posted byブクログ

2022/07/24

❇︎ 『このミステリーがすごい!』 2016年 第14回 大賞受賞作 なぜ黒女神は依頼者の最も大切なものと 引き換えに資金調達の仕事を請け負うのか。 スピード感のあるストーリー展開で 謎に包まれた黒女神に迫ります。 交錯する複数の謎と心理戦に 思わず引き込まれるミステリー。...

❇︎ 『このミステリーがすごい!』 2016年 第14回 大賞受賞作 なぜ黒女神は依頼者の最も大切なものと 引き換えに資金調達の仕事を請け負うのか。 スピード感のあるストーリー展開で 謎に包まれた黒女神に迫ります。 交錯する複数の謎と心理戦に 思わず引き込まれるミステリー。 ーーーーー 黒女神は依頼者が最も大切にしているものを 差し出すことと引き換えに依頼を引き受け、 希望額の資金を調達するという。 実際に姿を見た者が少ないため、都市伝説か 詐欺かと言われていた黒女神とある事情から 行動を共にすることになった役所の臨時職員は 思わぬ事件に巻き込まれてしまう。 事件解決だけでは終わらない、その先にある 黒女神の謎とは。

Posted byブクログ

2022/02/17

面白かったです! 今年から株式投資を初めて、株について色々勉強している自分にとってタイムリーな時期なので興味を持って読めたってのはありますが、それだけでなく主人公のニ礼茜がとても魅力的な人物として描かれてたからです。天才デイ・トレーダーとしての圧倒的な才能と、けして他の人に迎合せ...

面白かったです! 今年から株式投資を初めて、株について色々勉強している自分にとってタイムリーな時期なので興味を持って読めたってのはありますが、それだけでなく主人公のニ礼茜がとても魅力的な人物として描かれてたからです。天才デイ・トレーダーとしての圧倒的な才能と、けして他の人に迎合せず、自分の感性と強い信念の元に力強く生きている姿に惹き込まれました。 どこにでもいる一般人の良太という人物がひょんなことから助手となり、茜に振り回される様が彼女を孤高の天才といういイメージだけでなく、親しみを持てるキャラクターにしています。彼の存在がより一層彼女の魅力をひいては作品を引き立てていました。

Posted byブクログ

2021/12/21

「このミスが」受賞作。 主人公は魅力的だけど相棒がボンクラ過ぎて最初は中々読み進むのが辛かった。 登場人物もクズ過ぎてイライラしたが無事、大団円を迎える。 良い感じ!

Posted byブクログ

2021/08/29

二礼茜がずばぬけているのでちょっと ちょっとその世界に入りにくいけれど すごい人もいると思えばまぁ楽しめる物語 依頼人の資産を株取引で希望額に増やしてくれる うらやましいかぎりです 物語の最初の仕事で助手になった百瀬良太が 主な語りで最後の仕事までに2,3の仕事が 描かれていまし...

二礼茜がずばぬけているのでちょっと ちょっとその世界に入りにくいけれど すごい人もいると思えばまぁ楽しめる物語 依頼人の資産を株取引で希望額に増やしてくれる うらやましいかぎりです 物語の最初の仕事で助手になった百瀬良太が 主な語りで最後の仕事までに2,3の仕事が 描かれていました

Posted byブクログ