沖縄問題 の商品レビュー
沖縄問題を被害者目線ではなく沖縄生まれの当事者として考察した良書。大学講義にも使えそうな内容です。多くの執筆者が元県庁職員だったという特徴は、時には国と県民との利害調整で板挟みになった経験が、沖縄問題の客観性を担保する視点の確保に繋がったと思われます。副知事を務めたメイン執筆者、...
沖縄問題を被害者目線ではなく沖縄生まれの当事者として考察した良書。大学講義にも使えそうな内容です。多くの執筆者が元県庁職員だったという特徴は、時には国と県民との利害調整で板挟みになった経験が、沖縄問題の客観性を担保する視点の確保に繋がったと思われます。副知事を務めたメイン執筆者、高良倉吉が書いたまえがきと第一章が良い。
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沖縄県庁で職歴のある人たちによる編著。 沖縄問題をリアリズムの視点から著述することを謳い文句にしているが、沖縄側・行政の視点が中心で沖縄の抱える問題の構造が理解しづらい。一方で、普天間基地の移設に係る箇所は当事者だったため詳細過ぎるほど論じており、バランスが悪い。 本書を読む中で...
沖縄県庁で職歴のある人たちによる編著。 沖縄問題をリアリズムの視点から著述することを謳い文句にしているが、沖縄側・行政の視点が中心で沖縄の抱える問題の構造が理解しづらい。一方で、普天間基地の移設に係る箇所は当事者だったため詳細過ぎるほど論じており、バランスが悪い。 本書を読む中で、沖縄県議会の構成が与党が共産党を含む基地反対派で自民党というのは、中央の国との関係でかなりやりづらいだろうなと思った。
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理想論でも現状肯定でもなく。 理想と現実のジレンマ、ジレンマでもない行政のリアルも記述。 理想とイデオロギーによることも捨てたくないけれど、今できることを進める姿勢ってやっぱり大切とくに行政マンにとっては。 沖縄の問題は長い。いや沖縄問題でなく日本問題。 最後の辺野古埋め立て承認...
理想論でも現状肯定でもなく。 理想と現実のジレンマ、ジレンマでもない行政のリアルも記述。 理想とイデオロギーによることも捨てたくないけれど、今できることを進める姿勢ってやっぱり大切とくに行政マンにとっては。 沖縄の問題は長い。いや沖縄問題でなく日本問題。 最後の辺野古埋め立て承認に至るプロセスの章もリアルで良かった。あくまで考えるは法に適合しているかどうか。知事の「自然体で」という指示が印象的。いや全部を肯定するわけではないけれど。 リアルにいま何ができるか、って視点は大事。
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沖縄県庁で実務に携わった当事者が筆を取り、極力イデオロギーを介入させずに沖縄の現在及びこれに至るまでの歴史を解説している。沖縄政策に携わる人間にとり必読の書。
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まえがき―「クールな視点」で沖縄を語りたい 第1章 「沖縄問題」の問題とは何か? 第2章 「辺境県」からの脱出―沖縄振興の展開 第3章 アジアのフロントランナーを目指して―沖縄振興の新しいパラダイム 第4章 沖縄県財政と米軍基地の跡地利用 第5章 基地問題の理想と現実 おわりに―...
まえがき―「クールな視点」で沖縄を語りたい 第1章 「沖縄問題」の問題とは何か? 第2章 「辺境県」からの脱出―沖縄振興の展開 第3章 アジアのフロントランナーを目指して―沖縄振興の新しいパラダイム 第4章 沖縄県財政と米軍基地の跡地利用 第5章 基地問題の理想と現実 おわりに―沖縄県は外交も行う 編著:高良倉吉(1947-、沖縄県伊是名村、日本史) 著者:川上好久(1954-、沖縄県、元副知事)、小橋川健二(1955-、沖縄県、県職員)、當銘健一郎(1980-、沖縄県、県職員)、又吉進(1956-、沖縄県、県職員)
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米軍海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県の対立は根深い。保守と革新の単純化した構図でとらえられることの多い沖縄問題をどう考えればよいのか。本書では琉球処分、沖縄戦から米国統治、そして日本復帰という近代以降の歴史を踏まえ、特に沖縄県の行政に注目し、経済振興と米軍基地問題とい...
米軍海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県の対立は根深い。保守と革新の単純化した構図でとらえられることの多い沖縄問題をどう考えればよいのか。本書では琉球処分、沖縄戦から米国統治、そして日本復帰という近代以降の歴史を踏まえ、特に沖縄県の行政に注目し、経済振興と米軍基地問題という二大課題への取り組みを追う。理想と現実のはざまで苦闘しつつも、リアリズムに徹する沖縄の論理を示す。
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