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夏をなくした少年たち の商品レビュー

3.7

14件のお客様レビュー

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2024/08/27

圧倒的だ。最後の頁、最後の一行までのめり込んだ。 ある夏に少年たちを襲った悲劇とその結末とは。 二部構成からなるこの推理小説の傑作は、導入部から読者を鷲掴みにする。少年たちの無垢、それ故の残酷さと過ちを描きながら彼らの罪と、それ故に起きた悲劇に向かって突き進む。 後半に至り、大人...

圧倒的だ。最後の頁、最後の一行までのめり込んだ。 ある夏に少年たちを襲った悲劇とその結末とは。 二部構成からなるこの推理小説の傑作は、導入部から読者を鷲掴みにする。少年たちの無垢、それ故の残酷さと過ちを描きながら彼らの罪と、それ故に起きた悲劇に向かって突き進む。 後半に至り、大人になった「僕」が罪と対面するシーンでは息を呑んだ。そして事件の真相に向かって一歩ずつ進んでいく姿は緊張感に溢れている。静かで、何も起きなそうだがそれ故に何かとんでもない事が飛び出してきそうな不気味さと緊張感に溢れている。登場人物一人一人、モブキャラまで無駄がなく、一切の隙がない。凄い作品である。

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2021/08/11

うーん、おもしろくなくはないんだけど。 なんだかな。って感じです。 最後、雪丸くんを出してくれたのは良かった。

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2021/01/07

拓海と啓、雪丸と国実は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。 小学校最後の夏、花火大会の夜に、僕たちは想像を絶するほどの後悔を知った―。 それから20年余り。 惨めな遺体が発見され、あの悲劇の夜に封印された謎に、決着をつける時がきた。 (アマゾンより引用) 国実くんが可哀想すぎる。...

拓海と啓、雪丸と国実は新潟の田舎町に住むお騒がせ4人組。 小学校最後の夏、花火大会の夜に、僕たちは想像を絶するほどの後悔を知った―。 それから20年余り。 惨めな遺体が発見され、あの悲劇の夜に封印された謎に、決着をつける時がきた。 (アマゾンより引用) 国実くんが可哀想すぎる。 雪丸にもう少し何かしらの制裁与えてほしかったな。 再会のとこは何かジーンとした。

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2019/09/10

巻末に解説は読む時と読まない時がある。 今回は読んだのだがそこに自分の思いがそのまま書いてあった。 新潮ミステリー大賞を受賞したこの作品は選考会で 「ミステリー部分の謎解きについていくつか疑問が出たものの、過去パートの素晴らしさがこぞって評価され、満場一致で受賞が決まった。」 ま...

巻末に解説は読む時と読まない時がある。 今回は読んだのだがそこに自分の思いがそのまま書いてあった。 新潮ミステリー大賞を受賞したこの作品は選考会で 「ミステリー部分の謎解きについていくつか疑問が出たものの、過去パートの素晴らしさがこぞって評価され、満場一致で受賞が決まった。」 まさにそれで、過去のパートは読んでいると腑に落ちると言うか何とも言えない気持ち良さを感じた。 ミステリー部分を補って尚という良さがあったと思う。

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2019/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

兄妹。小学生。新潟。先輩。死。雨。罪。 小学六年生の夏、思い出作りがこんなことに。 少年たちの性格や友情のやるせなさが表現されててすごい。 後半部分で雪丸の存在が薄かったけど、でも小学生の頃の友人関係なんてそうなることもあるか。 意地悪な気持ちをそのまま垂れ流すとろくなことにならない。 ケイ=NANAのヤスのイメージで読んでしまった。

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2018/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

それぞれ違う形で贖罪に生きる元少年たち。 そもそものきっかけはありえないんじゃないかと思うけど、描かれている切なさのようなものは伝わってきます。

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2017/11/15

乱暴者の雪丸、ルックスも頭も良い啓、真面目でおとなしい国実、そして僕。僕ら四人のあとを常についてきていた国実の妹、四歳の智里を加え小学六年生だった僕らは時折無茶をしつつも、小学生の季節を楽しんでいた。夏、雪丸の無茶によって台無しになった夏休みの計画を取り返すため、僕らは花火大会の...

乱暴者の雪丸、ルックスも頭も良い啓、真面目でおとなしい国実、そして僕。僕ら四人のあとを常についてきていた国実の妹、四歳の智里を加え小学六年生だった僕らは時折無茶をしつつも、小学生の季節を楽しんでいた。夏、雪丸の無茶によって台無しになった夏休みの計画を取り返すため、僕らは花火大会の日、立ち入り禁止の山に登った。それがもはや取り返しようがない悲しみの始まりになるとも知らずに……。 ハッとするような展開でもなく、推理が必要な話でもない。ただ悲しく、でも少し優しくにがく、郷愁を誘う話だった。ただただあの母親が不快だったなあ。

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2017/09/26

第三回新潮ミステリー大賞受賞作(加筆・修正あり)。 少年たちの無鉄砲な行動が生んだ悲劇と、それがきっかけでバラバラになっていく彼らを描いた第一部。その二十二年後にある事件が起こり、大人になったかつての少年たちが再会する第二部。 少年たちの青臭さが巧く表現されていた第一部は良かった...

第三回新潮ミステリー大賞受賞作(加筆・修正あり)。 少年たちの無鉄砲な行動が生んだ悲劇と、それがきっかけでバラバラになっていく彼らを描いた第一部。その二十二年後にある事件が起こり、大人になったかつての少年たちが再会する第二部。 少年たちの青臭さが巧く表現されていた第一部は良かったが、第二部で主人公のロマンチシズムが目に余る様になり、徐々につまらなくなった。真相もパッとしないし、ミステリとしての魅力は乏しかった。 文章は巧いので、テーマによっては面白い作品も書けそう。期待は持てる。但し、普通なら漢字にすべき所を何ヶ所も平仮名にしている意味が分からなかった。あれでは読者がダレるだけだろう。単なる修正忘れか?

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2017/08/30

切ない物語だね。 子供達にも善意や悪意はあるけど、彼らの人生を大きく歪めた大人たちの身勝手さ。ダイレクトではなく婉曲的なところが尚更酷い。 その中でちょっと勘違いやろうな女の子にすげー真っ当なことを言い放った先生が印象的。 あと、大人になって3人が再開ところへ向かう場面。...

切ない物語だね。 子供達にも善意や悪意はあるけど、彼らの人生を大きく歪めた大人たちの身勝手さ。ダイレクトではなく婉曲的なところが尚更酷い。 その中でちょっと勘違いやろうな女の子にすげー真っ当なことを言い放った先生が印象的。 あと、大人になって3人が再開ところへ向かう場面。 クニ、久しぶりだね、タクミだよ、の流れはグッときました。 この季節に読んでよかったー 2017.8.30

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2017/07/04

第三回新潮ミステリ大賞受賞作です。著者は新潟在住の方です。 書店でパラパラと眺めてみたら舞台も馴染みのある場所を描いているようです。 興味をひかれ、ついつい衝動的に購入してしまいました。 一読後の印象としてはエンターテイメントとしてのミステリ的な完成度、 つまり犯行の動機や、なぜ...

第三回新潮ミステリ大賞受賞作です。著者は新潟在住の方です。 書店でパラパラと眺めてみたら舞台も馴染みのある場所を描いているようです。 興味をひかれ、ついつい衝動的に購入してしまいました。 一読後の印象としてはエンターテイメントとしてのミステリ的な完成度、 つまり犯行の動機や、なぜ悲劇が起こったのか?などに関する説得力は今ひとつではあります。 しかしなんとも言えない魅力がある作品でした。 その魅力とはどんな部分なのか?振り返りながら少し考えていきたいと思います。 ストーリーのおおまかな流れを少し書きます。 東京で刑事として働く男が身元不明の殺人事件の被害者の顔を見て驚きます。 少年時代に関わりのあった人間であったのです。 しかし男はそのことを周りには伝えずに個人的に捜査することにします。 そして男は三日間の休暇をとり、生まれ故郷である新潟に戻ります。 なぜ男は、刑事としては考えられないそんな行動をとるのか? そこにはそれなりの理由があるようです。 その謎はどうやら男が十二歳の頃に経験した悲劇的な事件に原因があるようです。 男は故郷に向かう道すがら過去を回想していきます。 まず思い出したのは地元でも知らない人がいないくらいの 悪ガキ「雪丸」と男「タクミ」が親しくなるきっかけの出来事でした。 その出会いがなければあの悲劇も起こらなかったかもしれないし、 今回の殺人事件もなかったかもしれない。 そしてタクミは真相をさぐることもなく、 そのままにしていた悲劇に決着をつけざるをえないと覚悟します。 彼は失ってしまったその頃の仲間たちの行方を追い始めます・・・・・。 というような内容のストーリーです。 前半はずっと一二歳の頃の回想です。 そのあたりを読んでいるとリアルに描かれているなあ、と感じました。 どんな部分がリアルかというと、一二歳というと、 子供なりに社会の中での自分が置かれている立ち位置みたいなものがわかってくる頃じゃないですか。 つまり生まれた家とか、能力や容姿などの面で、持っている人もいれば、そうでもない人もいる、 その格差みたいなものがじわじわとわかってくる。 そしてそれまでは自分たちを守ってくれていた大人たちが、 実は自分たちとさほど変わらない未熟な人たちである、ということも気が付き始める。 その結果、それまでは単純であった子供同士の友情というもののなかに少しずつ亀裂が入りはじめる。 そのあたりの心理的な描写がこの作品ではとてもリアルに描かれているんですね。 つまり前述したこの作品のなんとも言えない魅力とはこの部分にあるのかな、と思います。 そしてあくまで、ミステリ的な味付けで組み立てられた作品ではありますが、 著者が書きたかったことを、勝手に推測すると、 多くの人が持っていると思われる子供時代の解決することもなく、 そのままにしていた問題を物語としてデフォルメして書くことにより決着をつけたい、 そういう事だったんじゃないかな?と思います。 過去を振りかえってばかりというのも問題ですが、 過去を清算しなければ前に進めない、 そんな悲劇に出会ってしまった人間もいるのだろう、とも思えます。 2017/03/23 05:33

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