深い穴に落ちてしまった の商品レビュー
深く暗い寓話。読んでいくうちに読みとけてくる裏側に、思わずその都度調べたくなるのをこらえて物語にひたる。読み終えてから、調べて、考えて…この解釈であっているだろうか。
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20170425 森の中のすり鉢状の深い穴に落ちてしまった兄と小さな弟。 極限状態の中、気が狂ったように?変わってしまう弟と、弟への愛を抱えながら状況を解決しようとする兄。 なんとも不安になる文章、深読みを誘う不気味な感じ。実際あとがきにも謎解きのヒントが書かれている。 気...
20170425 森の中のすり鉢状の深い穴に落ちてしまった兄と小さな弟。 極限状態の中、気が狂ったように?変わってしまう弟と、弟への愛を抱えながら状況を解決しようとする兄。 なんとも不安になる文章、深読みを誘う不気味な感じ。実際あとがきにも謎解きのヒントが書かれている。 気持ち悪くなるし読みたくない、でも最後まで一気に読んでしまった。 原作の国であるスペインの経済状況、社会情勢が背景にあるようだが、私はそこまで深く考えずにただただこの本の不気味さを気持ち悪いと思いながらもそれを超えた快感を味わいながら一気に読むのでもいいんじゃないかと思う。 でも今余韻でなんとも言えないモヤモヤしてるでも、スカッとしてるという妙な気持ちに陥っている。
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深い。大人の童話。何度も読んでその度に違う何かを感じられるであろう作品。今日の私はそのメッセージのほとんどを理解できていないのだろう。でも不思議な余韻に包まれて思慮を巡らす夜になりそう。また、何度も読み返したい。
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残念ながら私の好きなタイプの寓話ではありませんでした。読後感は、「星の王子さま」とはだいぶ違うものであった。理不尽、ひもじい、苦しい、つらい…。たまたま最近読んだ「年月日」「太陽と痛み」併せて、さしずめ”ひもじい寓話”3点セット。でも同じ時代に、中国とスペインでこのようなひもじい...
残念ながら私の好きなタイプの寓話ではありませんでした。読後感は、「星の王子さま」とはだいぶ違うものであった。理不尽、ひもじい、苦しい、つらい…。たまたま最近読んだ「年月日」「太陽と痛み」併せて、さしずめ”ひもじい寓話”3点セット。でも同じ時代に、中国とスペインでこのようなひもじい寓話が出てくるってことは、やはり世界の暗黒を暗示しているのだろうか。。。
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タイトルに惹かれて購入。 著者のイバン・レピラはスペインの新進作家で、本書が2冊目の著書になるそうだ。 短めの中編程度の長さだが、メタファーと仕掛けに満ちている。巻末の解説に幾つかヒントが提示されているが、全てを理解出来たとは言い難い……が、それでも面白かった。忘れた頃に再読する...
タイトルに惹かれて購入。 著者のイバン・レピラはスペインの新進作家で、本書が2冊目の著書になるそうだ。 短めの中編程度の長さだが、メタファーと仕掛けに満ちている。巻末の解説に幾つかヒントが提示されているが、全てを理解出来たとは言い難い……が、それでも面白かった。忘れた頃に再読するとまた新しい発見があるだろう。 東京創元社は時々こういう何とも言い難い作風の、余り長くない小説をそっと刊行するので面白い。
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