コーポレート・ファイナンス実務の教科書 の商品レビュー
1章 ファイナンスとはお金の流れ 政府:財政 企業:財務 個人:家計 アカウンティングとファイナンスの違い 過去の実績を正確に記録:将来の事業を確からしく予測し、それに基づいて実際の資金を動かす事 財務3表の関係性 EBIT、EBITDAの説明
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者の本は二冊目であるが、説明が非常にわかりやすいし面白い。特に勉強になった点は以下。 ・事業におけるリスクが高ければ、その事業の財務構成は資本を多めに、リスクが高くなければ負債を多めにして調達コストを安くする。 ・事業部門に要求するハードルレートは本社が決めて構わない。本社機能はグループ内の投資家。資本コストを決めるのは投資家。 ・多角化企業の本社と事業部門の関係は、実際の資本市場にいる投資家と企業の関係と同じ。前者を内部資本市場、後者を外部資本市場という。本社が外部の投資家以上に投資家機能を果たしてないとグループを作る意味ないと外部の投資家には見える。 ・CFOポジションは重要。経理マンがいくのではない。企業価値向上について、将来の在り方を戦略及び数字とともに語れる経営者としての人材。 ・投資家が自らのPF戦略に合致した企業の経営戦略を見定めて評価するように、本社は企業グループとしての明確な将来像を示し、それを実現するため、事業部門に対してどのように資源配分を行うかPF戦略を構築し、事業部門に対して投資家としての期待値を示す。事業部門は本社に"IR"を行う。
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コーポレート・ファイナンス実務に従事する者が知っておくべき要諦がまとめられた良書であると思う。特に子会社経営に関する考え方などは、類書には見られないビジネスの勘所が得られる記載が各所に見られて、細かい計算テクニックは他書に譲るとしても若年層への指導書としてふさわしい貴重な一冊。
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会計の知識は一定程度あったが、バリュエーションや資金調達の実務、M&Aなどコーポレートファイナンスの実務面の知識に乏しかったため購入。 かなりわかりやすい言葉で経営に必要なファイナンス知識がまとまっていたため、初学者にとってはとっつきやすい書籍だったし、企業買収系のニュ...
会計の知識は一定程度あったが、バリュエーションや資金調達の実務、M&Aなどコーポレートファイナンスの実務面の知識に乏しかったため購入。 かなりわかりやすい言葉で経営に必要なファイナンス知識がまとまっていたため、初学者にとってはとっつきやすい書籍だったし、企業買収系のニュースを読みこなす基礎力がついたと感じる。 特に理解が深まった点。 ・有利子負債はお金が期日に帰ってくる上償還額が決まっているため、株主資本に比べると資本コストが低い(その分返せないリスクを負うこととなる。)。 ・負債のレバレッジ効果。出資に対して借入れを増やせば資本コスト(WACC)が下がりリターンが上がる。あまりにやりすぎると信用リスクが上がって借入れコストが上がるが、好景気の場合はそうはならない。こうして調子に乗って借りまくると、景気が少し動いた時に崩壊する。 ・企業価値はのイメージは、キャッシュフローベースの利益-投資家に払うコスト。NOPAT(EBITから税金を除いた額)から資本コストを引くイメージ。なお、これにはDCF法を使うことが一般的で、将来得られるキャッシュフローをWACCで割り引いて現在価値で出す。 ・資本コストを下げれば企業価値が上がる。イコール、有利子負債を増やして自社株買いすれば企業価値は上がる(ちなみに株主資本下がるからROE上がる。ただしこれはデュポンモデルでいう安定性を下げただけだから良いとは言えない) ・SB(Straight Bond)とは普通社債のこと。これに新株予約権(ある一定の価格で新株を買える権利。社債と分割可能)をつけたのが新株予約権付社債(ワラント債)。なお、CB(Convertible Bond)というのもあり、これを「転換社債型新株予約権付社債」といい単に転換社債という。これは社債とするか途中で新株に転換するかを選べる社債。企業としては負債だが業績が良くなれば株式となり資本となるため、返済義務がなくなる。
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松田先生曰く、「今回は一般のビジネスマン向け」とのことだったが、ぎっしりとコーポレートファイナンスに関する実務が満載。ここについて来れる人は多くないと思え、「デキるビジネスマン向け」でしょうとツッコミたくなる 笑。
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実務者でなくても、上場企業勤務者が知っておきたい内容。中小企業でも四章までは使えそう。戦略と決算書を埋める内容。
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