いじめのある世界に生きる君たちへ の商品レビュー
「この本を読むと読まないとでは、いじめへの対応が違ってくる!」 構成・編集者によるあとがき~より抜粋します。 本書は、子どもたち、特にいじめられている子どもたちに読まれることを願って企画されました。「いじめ」は人間から穏やかな心、冷静に考えるゆとりを奪います。(中略)...
「この本を読むと読まないとでは、いじめへの対応が違ってくる!」 構成・編集者によるあとがき~より抜粋します。 本書は、子どもたち、特にいじめられている子どもたちに読まれることを願って企画されました。「いじめ」は人間から穏やかな心、冷静に考えるゆとりを奪います。(中略)その時に、自分のなされているひどいことが、どのようにひどいことなのかを知ることは、自らの最後の尊厳を失わず、いつか守られる時まで生き延びる支えの一つになると思うのです。中井さんは「いじめのワナのような構造の、君は犠牲者であるということを話して聞かせ、その子のかかえている罪悪感や卑小感や劣等感を軽くしてゆくこと」(78ページ)を、いじめへの対策として重視されていますが、本書はその段階を担うものと言えます。(中略) そして、本書は子どもの周りにいる親や教師をはじめとする専門家、子どもに関わる行政で働いている方々にぜひ読んでいただきたい本です。その理由は、いじめへの対応が全然違ってくるからです。(中略) いじめが『監禁や虐待と かわることのない人間破壊のプロセス 』という理解は、「いじめはやむを得ない通過儀礼」などといった体験的な いじめ論をのりこえる力があります。 なお中井さんは本書のなかで、いじめのSOSがキャッチできる確率の低さを「太平洋の真ん中の漂流者」になぞらえて指摘しています。繰り返される大人たちへの見過ごしの箴言です。それでも私は子どもたちにSOSをだすことを呼び掛けたいと思います。SOSをキャッチする精度を上げる努力をしている心構えがある大人は、まわりのどこかにいます。 本書がいじめのある世界に居きる子どもたち、そしていじめに向き合う大人たちの手助けに少しでもなりますように。 自らの体験を分析し、「いじめの政治学」論文を執筆した、精神科医中井久夫さん。いじめられた経験をもつ人への励ましの著になると思います。小学生でも理解できる文章なので、どこの学校図書にも置いてもらえるといいなぁ…。子どもの頃に出合ってほしい!多くの方におすすめします!
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いじめはいけないこと。孤立化、無力化、透明化という段階を経て子どもの頃には心の深い傷になる。でも、大人の中にだっていじめはある。ただ、大人は逃げられるけど、子どもは逃げられない。狭い世界の中で行われると陰湿だ。子どもはSOSは出せるのか、大人はそれをキャッチできるのか。考えさせら...
いじめはいけないこと。孤立化、無力化、透明化という段階を経て子どもの頃には心の深い傷になる。でも、大人の中にだっていじめはある。ただ、大人は逃げられるけど、子どもは逃げられない。狭い世界の中で行われると陰湿だ。子どもはSOSは出せるのか、大人はそれをキャッチできるのか。考えさせられた。
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感想 人と人の問題ではない。環境と心理から生まれてくる。だからこそ解決は難しい。コントロールしきれない。その理解が圧倒的に不足している。
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新聞の書評で興味を持って購入。「いじめの政治学」という論文体裁の本を、子どもにも分かるように、という主旨で書き換えられたものだそう。素晴らしい名著だと思う。難しいことを分かりやすく、というのは、何より難しいことだから。 いわさきちひろさんの挿絵が優しい気持ちにさせてくれる。 誰...
新聞の書評で興味を持って購入。「いじめの政治学」という論文体裁の本を、子どもにも分かるように、という主旨で書き換えられたものだそう。素晴らしい名著だと思う。難しいことを分かりやすく、というのは、何より難しいことだから。 いわさきちひろさんの挿絵が優しい気持ちにさせてくれる。 誰もが持つ心理や身体と心の仕組みが、具体的、科学的な説明と共に非常に分かりやすく、みんなに分かる例を挙げて次々と説明されていく。 ある、ある、と何度も頷いてしまった。 私も、加害者だったことがある。被害者だったことがある。たぶん、この国も。かの国も。 負のスパイラルに陥って抜け出すことができなくなってしまうその仕組み、気付かれなかったり、助けを求めることさえできなかったりする心境も、自殺を引き起こす過程も、「こういう構造で起きているのだ」と解き明かしてくれる。 解き明かすことは直接の対処療法ではないけれど、自分のいる場所や苦しさ、悲しさの理由がうっすらと掴めるだけでも、大きな救いになるはず。 著者の中井久夫さんは、アメリカの精神科医 ジュディス・ルイス・ハーマンの『心的外傷と回復』の訳をした人。阪神・淡路大震災の後、心の傷によって起きる症状を研究するための翻訳だったという。PTSDの理解を進めるうち、いじめも同じ性質をもつことに気付いたのがきっかけで生まれたのが、この本。 いじめはなくならないだろう。 でも、一人で苦しむ人を減らせたら。 何が苦しく辛いのか、自分で見通すことができたら。 具体策の羅列ではないからこそ、緒を与えてくれる一冊のような気がする。
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「私の論文を子どもが読めるようにしたい」 日本を代表する精神科医中井久夫先生の論文「いじめの政治学」を、先生自ら子ども向けに訳された本。 30分で読める内容に、子ども社会の危うさや暴力性が理路整然と、かつ優しく柔らかく論じられています。 いじめる子、いじめられる子の状況を少...
「私の論文を子どもが読めるようにしたい」 日本を代表する精神科医中井久夫先生の論文「いじめの政治学」を、先生自ら子ども向けに訳された本。 30分で読める内容に、子ども社会の危うさや暴力性が理路整然と、かつ優しく柔らかく論じられています。 いじめる子、いじめられる子の状況を少し単純化し過ぎているかな?と思う部分はありましたが、最後まで読んで、おそらく子どもが読む本として冗長にならないように、との先生の配慮なのかも、と思いました。 いじめの罠のような政治的構造を理解しておくことは、子どもじゃなくても社会の中で自分を守る有効な武器になる、と思わせてくれる本でした。 編集者のふじもりさんがあとがきで 「『いじめはやむを得ない通過儀礼』『いじめに負けない人間にならないと社会に出てから困る』といった体験論的ないじめ論を乗り越える力があります。」と書いていますが、本書の感想は本当にこれに尽きます。 個人的には、いじめに遭ってることを大人に伝えられなくなる構造の部分は、スタンディングオベーションものの納得感があり、精神科医としてこの問題と向き合い、分析して言語化して下さった中井先生に心からありがとうと言いたいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
紹介 精神科医の卓越した人間論に裏づけされた「いじめ」論であり、学校関係者にも必読の書です。読むか読まないかで、いじめへの対応が変わります。深い「いじめ」論が、やさしく読める。精神医科が自身の体験をもとに綴ったバイブル。 (版元ドットコムより)
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はじめの方は、使っている言葉が難しくて読みにくい印象を持った。 ○○より、高いとは思えません →この表現は低い、に置き換えた方が読みやすいのでは?など 例えはわかりにくいものが多いが、 "いじめ"というものをどうとらえるか、 また、当事者は自分がどの段階に...
はじめの方は、使っている言葉が難しくて読みにくい印象を持った。 ○○より、高いとは思えません →この表現は低い、に置き換えた方が読みやすいのでは?など 例えはわかりにくいものが多いが、 "いじめ"というものをどうとらえるか、 また、当事者は自分がどの段階にいるのか知ることはできそう。
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いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉。中井久夫先生の著書。子供時代にいじめられっ子としていじめっ子からのいじめを受けて心の傷に苦しんできた精神科医の中井久夫先生。いじめられっ子としていじめに立ち向かってきたご経験と精神科医としてのご経験の両...
いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉。中井久夫先生の著書。子供時代にいじめられっ子としていじめっ子からのいじめを受けて心の傷に苦しんできた精神科医の中井久夫先生。いじめられっ子としていじめに立ち向かってきたご経験と精神科医としてのご経験の両方をお持ちの中井久夫先生だからこそのお話。中井久夫先生のような精神科医の先生に出会っていれば救われていたはずのいじめられっ子は多いはず。中井久夫先生のような精神科医の先生が増えることを願います。
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実体験をもとに、いじめの漠然なイメージをたった80ページで正確に言語化した本。 一人ひとりの子どもが違い、環境が違うので、共通の万能ないじめ対策なんてない。しかし、どのような心理から加害者と被害者の関係性が生まれ、段階を経て行くか知っていれば、いじめをなくす有効な対策を導きやすい...
実体験をもとに、いじめの漠然なイメージをたった80ページで正確に言語化した本。 一人ひとりの子どもが違い、環境が違うので、共通の万能ないじめ対策なんてない。しかし、どのような心理から加害者と被害者の関係性が生まれ、段階を経て行くか知っていれば、いじめをなくす有効な対策を導きやすいと思った。 とにかく、いじめに関する事柄の正確な言語化に圧倒される。
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高学年の子ならきちんと考えを持って読むことができると思う。 いじめは犯罪なのだと、大人も子供もしっかり認識した方がいい。 筆者の優しさと毅然とした姿勢が伝わってくる。 いじめを「孤立化」「無力化」「透明化」に構造的に捉えていること。こうした段階への対応と見逃すことがないように...
高学年の子ならきちんと考えを持って読むことができると思う。 いじめは犯罪なのだと、大人も子供もしっかり認識した方がいい。 筆者の優しさと毅然とした姿勢が伝わってくる。 いじめを「孤立化」「無力化」「透明化」に構造的に捉えていること。こうした段階への対応と見逃すことがないように、自身が気付けるように、丁寧に書かれている。幅広い読者にわかりやすいように、はっきりとした言葉を使っていること。それこそ、小学校高学年でも読めるくらいに。ミルトン・エリクソンが、弟子が子どもの患者との面談を二週間延期したことを叱って「子どもにとって二週間は永遠に等しい」と断言したエピソードを紹介していること。心理学は、いじめに対して、どこまで有効だろう。いじめられた子に見られる喪失感にグリーフセラピーなどのアプローチは、何をもたらすのだろう。ブリーフセラピーは、子どもを救えるのか。 引き出しは多い方がいいし、いじめへの感覚、いじめのない世界のためへの努力や工夫は、常に意識してし続けなければいけない。この本に出会えて良かったな。ありがとう。こどもたちだけでなく、大人にこそ読んでほしい、知ってほしい。 いじめはその時その場だけでなく生涯にわたり、そのひとに影響をあたえます。たとえば仲間はずれにされるいじめで心が傷つき、それからは友だちをつくること自体が怖くてできなくなってしまった。そんなひともいます。 権力欲 いじめが進んでいく段階を「孤立化」「無力化」「透明化」の三つの段階に分けている。 被害者は「警戒的超覚醒状態」 ぴりぴり、おどおど、きょろきょろ、 顔色が青ざめ、脂汗が出たり、 子どもの世界に大人がうっかり口をはさんではいけない 自分もいじめられて大きくなった 子どものためになるだろう あいつに覇気がないからだ どれも言い訳に過ぎない。 「子どもにとって二週間は永遠に等しい」ミルトン・エリクソン 「心的外傷と回復」ジュディス・ルイス・ハーマン この本を読むか読まないかで、いじめへの対応がまったく変わってきます。 いじめの4層構造 加害者、被害者、観衆、傍観者 「いじめはいけない」というスローガンの連呼はあまりに無力。まず、大人が学ぼう。今回、心的外傷を経験させてもらい、自分のゼロ地点に立てた。水中は、苦しい、でも、それはまだこれからだ。ぼくは、これでも、人のことを思ってて、ほんとにバカなんだと思う。
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