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文学としてのドラゴンクエスト の商品レビュー

2.6

18件のお客様レビュー

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2023/06/26

関係者の証言を集めたものでなく、著者の主観によりドラクエの魅力を読み解く。 プレーヤーを主人公とする物語の面白さに主幹を置き、村上春樹との類似性や時代性と照らし合わせながら、ドラクエとは何なのかを語る。なるほどと共感させられた。

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2022/12/23

ファミコンで遊んでいる時は、この世界にそんな文学的な意味があるとは考えもしませんでした。 ただ、ドラクエの開発秘話等は語られていないため、ちょっと物足りなさは残ります。 ドラクエを文学的に考えると、といった内容です。

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2021/11/09

イマイチ。文学の何たるかを知らない立場での印象ですが、文系のこじつけを感じました。 1995年に起きた阪神淡路大震災と、同じく1995年に発売されたドラクエ6が、大地だとか混沌とした時期だったとか、無理やり符号させようとする論調は、幽霊を信じる心理とよく似ていると思います。 ...

イマイチ。文学の何たるかを知らない立場での印象ですが、文系のこじつけを感じました。 1995年に起きた阪神淡路大震災と、同じく1995年に発売されたドラクエ6が、大地だとか混沌とした時期だったとか、無理やり符号させようとする論調は、幽霊を信じる心理とよく似ていると思います。 ドラクエ7や8が3D化したことについて、従来のシンプルさがあったから物語に集中できたのだとすると、演出が豊かになったために物語そのものはさほど凝らなくても構わなくなるかもしれない、などと簡単に破綻する文章を読ませる。実際、その後に、自分で否定する。稚拙なマッチポンプ。 「ゲームの冒頭が島から始まる」ことは堀井雄二が淡路島出身だという出自を彷彿とさせる、というようばことを書いているが、いやいや、ドラクエ1は島という発想はなかったと思いますが…。ストーリーの規模を大きくするに当たっては、島からスタートして世界を広げるというのは、島育ちでないと思いつかないものか? こじつけでしょ。 p.190で、批評家の大塚英志という人が、「ミッキーマウス的な非リアリズムで描かれたキャラクターに、リアルに傷つき、死にゆく身体を与えた」のが日本的なキャラクター表現で(正直よく分からないが)、これがドラクエにも当てはまると言う。一方、p.216では、堀井雄二が「死んだとしてもGAMEOVERになるだけ」と言ったことを受けて、これが大塚英志が言った「リアルに傷つき、死にゆく身体」がないということに近いと言う。死にゆく身体を「与えた」ことに当てはまり、死にゆく身体が「ない」ことに近い?? どうしても一貫した記述になっているとは到底思えません。 オンラインゲームとなったドラクエ10を「堀井の理想が叶った」としても、最初期からやり込んだプレイヤーには、ドラクエはオンラインではない方が良い!という意見を持つ人もいるはずです。故淡路恵子さんは、オンラインとなったドラクエ10を酷評していましたし、結果、続編のドラクエ11はオフラインに戻りました。ドラクエ10が失敗作だとは思いませんが、ドラクエらしさがないのはドラクエ10であって、筆者が言うドラクエ9ではないのだと思います。 結局最後まで読みましたが、こじつけに継ぐこじつけばかりに感じられ、こんなに論理的に通底するものがないのに、それでいてドラクエに通底するものを描こうとするのだから、無理筋だと思いました。借りて正解だった。

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2021/11/07

ドラクエのコンセプトは「自身が主人公」「リアルよりわかりやすさ」「物語重視」「一本道からの離脱模索」

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2021/01/24

2016年の本なので、ドラクエ10までの内容で終わってます。 ドラクエ開発時のことや、堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちとの関係などは興味深く読ませていただきました。 ただ、ドラクエのストーリーを文学としてとらえるために、村上春樹が登場する部分はあまり興味なく、読み飛ばしました。

Posted byブクログ

2020/08/16

ドラクエを懐かしむために読むのはあり。 でも、村上春樹と結びつけての解説や学生運動の話はその時代に生まれた人なら全員そう言うわけで、評論としては今ひとつ。

Posted byブクログ

2024/01/03

自分はドラクエが好きだ。ナンバリングタイトルなら、オンラインゲームの10以外は全てプレイした。著者もそんな感じのドラクエ好きな人なのかもしれない。国民的な作品であるドラクエをこんな風に捉えられるのかという新鮮さがあった。 前から「ドラクエはしんみりした物語を楽しむ、小説に似てい...

自分はドラクエが好きだ。ナンバリングタイトルなら、オンラインゲームの10以外は全てプレイした。著者もそんな感じのドラクエ好きな人なのかもしれない。国民的な作品であるドラクエをこんな風に捉えられるのかという新鮮さがあった。 前から「ドラクエはしんみりした物語を楽しむ、小説に似ている」、「FFは最新の映像技術なんかを駆使した映画に似ている」と思っていた。そういったことがより細かく述べられていた。 「序章」に本書の目的や前提条件などが述べられている。 ドラクエを文学として捉えて、語る(評価する)というのが本書の目的とある。下記2点のようなことも言っていて、ドラクエを小説なんかと同じ舞台で文学として語るという試みのようだ。 (1)ドラクエは長期に渡って大ヒットを続けている。でも、ゲーム作品の場合は数百万本売れても、小説や映画並みに話題にはならない。当たり前に評価するのが難しい。”たかがゲーム”と言った空気がある。 (2)しかし、これだけ売れているのなら、ドラクエは日本人のものの考え方に多少なりとも影響を与えていると言って良いのではないか。作品が作られた時代の日本人の精神性が反映されていると考えても良いのではないか(実際、小説が数百万部売れたら、そういう評価をされる)。 -------------------------------------------------- ・本書では、ドラクエと村上春樹とを比較して語られる。堀井雄二と村上春樹は、同じ早稲田大学出身で、同じ頃に世に出た。同じ時代を生き、両者の作品には共通点が多く見られるという。 ドラクエとともに、村上春樹の作品も自分は好きだ。なので、著者の感じていることはなんとなくわかる。でも、こじつけなんじゃないかとも。逆に、同じ時代を生きた作者の作品ならそういった共通点が出るのは自然なことで、それを見出すのが作品を評価するということなんじゃないかとも。いずれにせよ、そのように捉えることができるということは、頭に留めておきたい。 ・ドラクエ1が発売されたのは1986年。この頃の時代背景なんかを交えて語られる。この時代を知っている人なら、より良く理解できるのかもしれない。

Posted byブクログ

2018/10/24

「ドラゴンクエスト」シリーズに込められた制作者の意図を、堀井雄二の経歴を参照しながら考察している本です。 以前著者の『一〇年代文化論』(星海社新書)を読んだときに、ライトノベルにおいて内面を重視する近代的主体性とは別の人間像が生じていると述べられていたことについて、自然主義文学...

「ドラゴンクエスト」シリーズに込められた制作者の意図を、堀井雄二の経歴を参照しながら考察している本です。 以前著者の『一〇年代文化論』(星海社新書)を読んだときに、ライトノベルにおいて内面を重視する近代的主体性とは別の人間像が生じていると述べられていたことについて、自然主義文学の〈主体〉でさえも制度として構築されていたという視座からサブカルチャーの歴史を振り返った大塚英志の仕事が踏まえられていないと不満を述べたのですが、本書ではそうした問題もきちんと回収されており、著者自身の立ち位置をもうすこし明瞭に知ることができたように思います。 いわゆる「ロトシリーズ」と「天空シリーズ」については、堀井が作品において「物語の主人公になる」ことをゲームによって実現しようとしていたことが論じられています。そうした解釈の是非はひとまず置いて、そのことの意味がなんなのかという点について、十分に掘り下げられていないうらみがあります。著者は、堀井と同世代の村上春樹を参照することで、文学とサブカルチャーの二つの領域でおなじ問題が現われていたことを確認して、こうした問題のもつ意味についての考察をいわば外部に放り出してしまっているのですが、ドラクエと春樹を接続する議論が若干強引さを感じてしまうことは否めず、そのために本書の議論がどこへ向かっているのかよくわからないといった気分にさせられてしまいました。

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2017/04/05

丁寧な文体で理屈を押し付けることなく展開されていく、ドラクエ論。 筆者は堀井雄二さんのことどのくらいご存知なのかしら?と疑問に思った瞬間から、ある個人の意見ではないかと思ってしまった。 だけど、ドラクエが好きだしやったことあるゲームの話題になると真剣に読んでしまう。 ドラクエ3...

丁寧な文体で理屈を押し付けることなく展開されていく、ドラクエ論。 筆者は堀井雄二さんのことどのくらいご存知なのかしら?と疑問に思った瞬間から、ある個人の意見ではないかと思ってしまった。 だけど、ドラクエが好きだしやったことあるゲームの話題になると真剣に読んでしまう。 ドラクエ30周年に乗っかった本ではないだろうか⁉︎

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2017/03/27

ドラクエで育って、一通りシリーズは楽しんだ、でもそんなに深く考えたことのなかったような人向けの、シリーズ作品の位置づけ考察。驚くような考察はないけれど、堀井氏がドラクエで何を目指してきたのか、時代との関係してきたのかをやさしく整理してくれる。シリーズで1〜2作やってないのがある、...

ドラクエで育って、一通りシリーズは楽しんだ、でもそんなに深く考えたことのなかったような人向けの、シリーズ作品の位置づけ考察。驚くような考察はないけれど、堀井氏がドラクエで何を目指してきたのか、時代との関係してきたのかをやさしく整理してくれる。シリーズで1〜2作やってないのがある、みたいな人が読むと、(やってみようかなと思えて)ちょうどいいかも。

Posted byブクログ