人質の経済学 の商品レビュー
イスラム国に後藤健二さん、湯川遥菜さんが殺害されたニュースは衝撃的でした。人間の命を交渉の材料として利用するに至った背景を今から20年ぐらい前の世界情勢からたどります。 身代金の決定プロセス、助かる人質と助からない人質は何で決まるのか、なぜ現地のリスクを理解しない若者が危険なエリ...
イスラム国に後藤健二さん、湯川遥菜さんが殺害されたニュースは衝撃的でした。人間の命を交渉の材料として利用するに至った背景を今から20年ぐらい前の世界情勢からたどります。 身代金の決定プロセス、助かる人質と助からない人質は何で決まるのか、なぜ現地のリスクを理解しない若者が危険なエリアに次々と向かうのか、など興味深いテーマについて誘拐から生還した人や、身代金の交渉人などの当事者のインタビューから紐解きます。 「どこの政府でも人質の解放のためには多かれ少なかれ身代金を払っている」、「現地のリスクを正しく理解せず、正義感だけで現地から報道することは慎むべき」、「誘拐から数週間のうちなら数千ドルで解決できる」等々の生々しい証言が次々と明らかになっています。 シリア周辺での誘拐だけでなく、ソマリア沖で多発した海賊、EUへの難民の違法入国斡旋など人命をビジネスの対象とする多くの事象を取材対象としている本書は、ますます保護主義的傾向を強める世界の現状を理解するために大変参考になると感じました。
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解説の池上さんが書いているとおり恐ろしい本だ。人間が商品として扱われている。海賊ビジネスから、人質ビジネス、さらに難民輸送ビジネスへと進化している。後藤氏が殺害されたのは、安倍政権がISに対して対抗心をむき出しにしたためだ。なるほど。
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欧米人が誘拐された、解放された、というニュースの裏にある「人間が商品として取引されている」という事実。今まで知らなかったことばかりでした。人質を身代金目的と外交戦略目的とに使い分けるイスラム国、人質に優先順位をつける政府。
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人質ビジネスについて、経緯、事例など詳しくまとめられていた。 21世紀の現代に起こっていることとは容易に想像できない、悲惨な現状を知った。 誘拐、海賊、不法移民などすべてつながっていて、犯罪組織の資金源となっている。日本も他人事ではない。 大変興味深い本でした。
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【実際に人質救出交渉にあたった交渉人らが証言】一番金払いがいいのはイタリア政府。人質救出のためには最初の48時間で交渉せよ。誘拐とジハーディストの歴史と構造を活写。
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