21世紀の「中華」 の商品レビュー
中国が軍備をどうするかということは、最終的には中国の主権の範囲に属している。したがって、中国による軍備拡張を単純に問題とするよりも、日本の安全保障にとって何が問題となるのかということを吟味しなければならない。
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近代中国を研究し尽くした川島真先生の著。とにかく冷静に、実際の史料と自らの渡航経験、そしてデータから中国を「見る」。
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【毛沢東の建国,鄧小平の発展,そして習近平はこれまでの指導者がなしえなかった失地回復を実行できる新たな大国としての中国を築こうとしている,というのが習近平政権のイメージであろうし,その新たな中国像を国内に提供することが正当性の基礎になると考えているものと思われる】(文中より引用)...
【毛沢東の建国,鄧小平の発展,そして習近平はこれまでの指導者がなしえなかった失地回復を実行できる新たな大国としての中国を築こうとしている,というのが習近平政権のイメージであろうし,その新たな中国像を国内に提供することが正当性の基礎になると考えているものと思われる】(文中より引用) 2000年代〜2010年代前半までの中国をめぐる,著者の小論考をまとめた作品。大国化を続ける中で,中国が持つ自己認識がどのように変貌していったかなどを知ることができます。著者は,東京大学大学院の総合文化研究科で国際関係史の教授を務める川島真。 ほぼ時系列的に複数の論考が掲載されているため,ここ数年の中国をめぐる国際関係の動きを把握する上で大変有益。また,物事の変化に応じて,中国研究者の目線がどのように変化したか/しなかったかを考えることができる点も興味深かったです。 文体はちょっと固めですが☆5つ
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現代中国を見ようと思うと時間とエネルギーが必要だと思っていたが、さらに必要なのは基本的な中国に対する知識(特に歴史)だと感じる。どんな情報を得ても、その意味を読み取れなければダメだからだ。 中国のふるまいは決して場当たり的ではないし、目に見える実利だけを追っているだけでもない。そ...
現代中国を見ようと思うと時間とエネルギーが必要だと思っていたが、さらに必要なのは基本的な中国に対する知識(特に歴史)だと感じる。どんな情報を得ても、その意味を読み取れなければダメだからだ。 中国のふるまいは決して場当たり的ではないし、目に見える実利だけを追っているだけでもない。それが日本とどうかかわってくるか、が問題なのであるが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2012年〜2016年を2012〜2014年の序奏と2015-2016年の展開に別けているが、基本的に当時の文章を時系列に沿って掲載しているだけに、当初の、習近平政権で改革、民主化が進むのでは無いか?と言う著者の期待が完全に裏切られていく様を再体験できる。それだけに、文章は冷静なのに、激烈である。 中国の脅威、中国というリスクは単に軍事力を拡大しているなどと言う表面的なモノでは無く、もっと根深いものであることが読み取れる。また、南シナ海への中国の進出も、習近平政権下で急速に進んでいるモノの、92年、江沢民時代の領海法制定や、それ以前にまで差から一貫して継続している訳であり、単に習近平の個人的野心に帰結させることは出来ない。 世界に中国と共存するすべがあるのかについては、知れば知るほど悲観的にならざるを得な良いのが正直なところである。
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習近平政権が発足して3年。日本にとって中国はなぜ脅威なのか。そして、日本は中国とどう対峙すべきなのか。尖閣諸島「国有化」、戦後70年と歴史認識問題、AIIB発足、緊迫する南シナ海情勢など、具体的事例をもとに、「問題としての中国」をつかむための手がかりを中国外交史の第一人者が冷静に...
習近平政権が発足して3年。日本にとって中国はなぜ脅威なのか。そして、日本は中国とどう対峙すべきなのか。尖閣諸島「国有化」、戦後70年と歴史認識問題、AIIB発足、緊迫する南シナ海情勢など、具体的事例をもとに、「問題としての中国」をつかむための手がかりを中国外交史の第一人者が冷静に示す。
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