総理の夫 First Gentleman の商品レビュー
本には、こんなに「力」があるのだと思った。 人が「理想」を胸に抱きたくなるような、そうあったら良いと心から思わせられるような。 本にはそんな「力」があるのだ。 「総理の夫」を読んでいる間中、私は本当に凛子のような女性が日本の総理大臣になったことを夢想して、日本はきっとこれからど...
本には、こんなに「力」があるのだと思った。 人が「理想」を胸に抱きたくなるような、そうあったら良いと心から思わせられるような。 本にはそんな「力」があるのだ。 「総理の夫」を読んでいる間中、私は本当に凛子のような女性が日本の総理大臣になったことを夢想して、日本はきっとこれからどんどん素敵になっていけると思った。 そうすると、毎朝歩いている商店街の道とか、すれ違うおばちゃんの顔とか、おじさんの顔とか、どれもみんな少し希望に満ちているものにみえた。 日本という国そのものが良くなるというのは、そんな風に日常の景色が少し変わって見えることなんだなとも思った。 でも、違うのである。 日本の総理大臣は今は凛子じゃない。 そのことを思い出して「あそっか」と思うほど、私は「総理の夫」を読んでいる間は素敵な日本を夢想した。 そしてきっと凛子が志したような国が作れたら、それはつまり私たちが自分たちのリーダーを信じて毎日を生きていけるということに近いことだと思うのだけど、そうしたら毎日楽しいだろうなと思った。 これは夢で終わらせたくないな。 レイ・ブラッドベリの短編でたしか「タイム・マシン」というタイトルだったと思うのだけど、それを思い出した。 本は未来を描くこともできるんだ。 今の時代に読んだからかもしれないけど、そんな力をもらえる素敵な小説だった。 理想を描いているけど、その中でも凛子の最後の決断が示唆的だ。 決めたことを覆す、というのもまた決めたことをやり遂げるのと同様に勇気のいることなのだ。
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信念を持ち、まっすぐ進む日本初女性総理、という設定です。 ここしばらく感じていなかったある種の感動で何度もうるうるきました。 2016年のこの時期に、この本を読めてよかった!
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初めての女性総理大臣。しかも42歳の美人で清廉潔白。 これまでのしがらみに捉われず、国民のことだけを考えた政治を断行。 勢いがあって、気持ち良い物語なのですが、いささか綺麗事過ぎて、何だか感動が湧きません。 まあ、そこが原田さんらしさなのですけど。
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