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ヤクザと憲法 の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2024/03/23

東海テレビのドキュメンタリー視聴。 いつもこの東海テレビのドキュメンタリーはほんとテーマといい実直な作り方といい感心する。まずハズレはない。 今回も大阪西成区の外観はきわめて普通の3階建てのビル。 ここが指定暴力団”二代目東組二代目清勇会” カメラが中に入っていくともう笑っちゃう...

東海テレビのドキュメンタリー視聴。 いつもこの東海テレビのドキュメンタリーはほんとテーマといい実直な作り方といい感心する。まずハズレはない。 今回も大阪西成区の外観はきわめて普通の3階建てのビル。 ここが指定暴力団”二代目東組二代目清勇会” カメラが中に入っていくともう笑っちゃうくらい本物のヤクザのオンパレード。 (強面で目つきに悪い言葉も荒い背中一面に入れ墨的な) 孤狼の血とまったく同じようなレイアウト。(家具とかソファが) でも川口和秀って人はおよそヤクザらしくなくシュっとしていて(眼光は鋭いけど) 普通の人っぽいのにこの人にはみんなペコペコして上の立場みたい。 孤狼の血でもあったようにヤクザ専門の弁護士さんも登場。 なんでヤクザになったのかディレクターが質問したらほんとの困ってる時、兄さんが食べるものと住むとこを与えてくれた、恩義を感じてる。国はなんもしてくれないでしょ。って言ってた。 戸籍がない人もいた。にっちもさっちもいかなくなった人たちの受け皿になっているっていう現実もあるんだね。 21歳のメガネで坊主の尚人くんもなんでこの世界に入ったんだろうってくらい純朴に見えたけど。自分からヤクザになりたいって来たみたい。なんかヘマをしたみたいで戸を閉めてボコボコにされてた(こわっ) ヤクザは銀行口座が作れないってのも初めて知った。考えてみればそうだよね。 ほんとに遠い世界のことで興味津々で観た。 2016年 96分  監督:土方宏史 著者 : 東海テレビ取材班 これわしら人権ないんとちゃう?

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2024/03/08

暴対法は誰のために何の役にたっているのか、この法律で一般人は救われてるのか。確かにヤクザは力を使うが力の括りには種類がある。権力なら何でもいい、と思えた。ヤクザを美化はしないが、街にヤクザは見えなくなり、半グレと呼ばれる勢力が出てきて一般人と風体は変わらず、更に見えなくなった。疑...

暴対法は誰のために何の役にたっているのか、この法律で一般人は救われてるのか。確かにヤクザは力を使うが力の括りには種類がある。権力なら何でもいい、と思えた。ヤクザを美化はしないが、街にヤクザは見えなくなり、半グレと呼ばれる勢力が出てきて一般人と風体は変わらず、更に見えなくなった。疑問ばかりが残る

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2024/02/12

世間と隔離されたクリスマス ってな事で、東海テレビ取材班の 『ヤクザと憲法』 暴排条例を翳してヤクザの人権までも奪ってしまうのか……。 そんな内情のドキュメンタリーを放送、映画化したルポのお話。 これまで以上にヤクザが生きて行く道を狭くする現状じゃが、ヤクザ以外に仕事が出...

世間と隔離されたクリスマス ってな事で、東海テレビ取材班の 『ヤクザと憲法』 暴排条例を翳してヤクザの人権までも奪ってしまうのか……。 そんな内情のドキュメンタリーを放送、映画化したルポのお話。 これまで以上にヤクザが生きて行く道を狭くする現状じゃが、ヤクザ以外に仕事が出来ないからそのままヤクザで生きて行く……。 どんどんヤクザは減って来てるが、その他の半グレや、任侠無しの悪人が増えてくだけ。 世の中、善と悪の両立で成り立ってると思うんで、悪だけ叩いても善は増えんよ。 このままじゃと、両立出来ない悪しか残って行かなくなるんじゃないかな? この映画が観たいなぁ。 2017年58冊目

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2023/01/08

暴排条例というものを今まで知らなかったのだけど、そう言えば銀行口座を開くときに「私は反社会的勢力ではありません」みたいな項目があったような。暴力団に利益供与した/された一般人も罰せられるというこの条例、なにがセーフでなにがアウトか明示されておらず、結果的にたこ焼きひとつ奢ってもら...

暴排条例というものを今まで知らなかったのだけど、そう言えば銀行口座を開くときに「私は反社会的勢力ではありません」みたいな項目があったような。暴力団に利益供与した/された一般人も罰せられるというこの条例、なにがセーフでなにがアウトか明示されておらず、結果的にたこ焼きひとつ奢ってもらうのにもビクつくことになる。なぜこんなに曖昧な条例が成り立つのか。それは相手が排除すべき暴力団だからだろう。避難所に入れなかったホームレス、コロナ給付金を貰えない風俗業など、公による差別が進むその先は。

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2022/02/06

映画自体は見たかったけど見れていない。 本書を読むと、どうも最初からヤクザと憲法をテーマに始まった企画ではないようで、今実態が外からはよくわからなくなっている(なんと警察でさえ!)ヤクザという存在にとにかく密着してありのままを伝えようとの趣旨から、色んな障壁を乗り越え実現に漕ぎ着...

映画自体は見たかったけど見れていない。 本書を読むと、どうも最初からヤクザと憲法をテーマに始まった企画ではないようで、今実態が外からはよくわからなくなっている(なんと警察でさえ!)ヤクザという存在にとにかく密着してありのままを伝えようとの趣旨から、色んな障壁を乗り越え実現に漕ぎ着けたものらしい。 冒頭、一人のオジキから発せられる「憲法守れ」の言葉が触媒となり、本人たちの認識では否応なくヤクザに吸い寄せられその職についた男達と、彼らを孤立させ排除しようとする社会の軋轢を描いていく。 企画の実現に向けて助力する一人はあの「死刑弁護人」安田弁護士。社会のマジョリティの安全や安心をどこまでも追求すると、どうしても人権の問題とぶつからざるを得ない。その尖端が「ヤクザ」であり「死刑」という問題なのだと思う。

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2021/11/28

まだ見ぬ東海テレビのドキュメンタリー、特にこのヤクザと憲法は見たいと思っていただけに本ででも触れたいなと読んでみた ヤクザをヤクザ側でテレビという現時点での主要メディアで取り扱うことへの葛藤がすごく苦しそう。中で書いてあったように、誰かへの忖度無しで番組を作りたい、とテレビマンが...

まだ見ぬ東海テレビのドキュメンタリー、特にこのヤクザと憲法は見たいと思っていただけに本ででも触れたいなと読んでみた ヤクザをヤクザ側でテレビという現時点での主要メディアで取り扱うことへの葛藤がすごく苦しそう。中で書いてあったように、誰かへの忖度無しで番組を作りたい、とテレビマンが言ってた事に象徴されるね。 生々しさから言ったら街録chの方が圧倒的なんだけど、当事者サイドからの話なのでどこまで客観性が保てるのか、という問いには取材の規模が取れるテレビは一定程度そこが保てるのだけど、やはり忖度が働き生々しさには勝てないかもなとものアンビバレンス。 物事は一方向からではなくいろんな角度から見た方が良いに決まってるけど、ことヤクザに関しては確かに撲滅一辺倒な取り上げ方なのでこの番組の意義は大きい。しかしながら、ヤクザから人権を奪う事には反対だなー。人権派では無いけど、口座作れないとかはさすがに憲法に反してるよな。そこを表立って反対しない左派もどうかと思うよ。それこそヤクザ擁護派だと叩かれるのに対する忖度だよね。 ヤクザは緩やかに腐乱していくのだろうけど、死にゆくものにも一定の権利はあると思うよ。 とはいえ子供の同級生にヤクザの子供がいたら遠ざけるけど…

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2021/02/06

ヤクザと家族という映画を見たので副読本として。ヤクザのドキュメンタリーを撮りたい!というところから始まったドキュメンタリーの撮影録。暴対法と条例で、どんどんと「業」がなくなっていくヤクザとそれを取り巻く人々が映し出される。ヤクザは「社会からあぶれた人間」であり、人権すら怪しい新し...

ヤクザと家族という映画を見たので副読本として。ヤクザのドキュメンタリーを撮りたい!というところから始まったドキュメンタリーの撮影録。暴対法と条例で、どんどんと「業」がなくなっていくヤクザとそれを取り巻く人々が映し出される。ヤクザは「社会からあぶれた人間」であり、人権すら怪しい新しい被差別団体なのではという提示。 つい、せめて、「暴力団ではなくなった者」や「本人ではない家族」がうまく社会に溶け込めるようになることを祈りたい。

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2018/01/20

●→本文引用 ●たこ焼きをめぐっての押し問答。さらに車で送ってもらうことがセーフかアウトかという議論。揉めたわけでも気まずい空気になったわけでもない。冗談の延長線上のようなやりとりなのだが、この中に暴排条例が社会とヤクザの間にもたらした影響が出ている。(略)インターネットで調べ...

●→本文引用 ●たこ焼きをめぐっての押し問答。さらに車で送ってもらうことがセーフかアウトかという議論。揉めたわけでも気まずい空気になったわけでもない。冗談の延長線上のようなやりとりなのだが、この中に暴排条例が社会とヤクザの間にもたらした影響が出ている。(略)インターネットで調べても、どこからが利益供与にあたるかなんてことは詳しく書いていない。何が明確にアウトかは分かっても、何がOKなのかは触れられてはいない。境界線が分からないのだ。(略)こうして、拡大解釈が進んで、触らぬヤクザに祟りなしと、ヤクザは社会から排除されていくのだろう。そんなヤクザを排除していく現状を象徴するようなシーンが偶然撮れた。そして、河野さんの口から何気なく出てきた「差別」という言葉。それほど深い意味はないのだろうが、だからこそ余計リアルに響いてくる。川口さんら幹部から聞く差別とはどこか違う、「現場」の生の声だった。ヤクザと社会、そして差別。送ってくれるという申し出をなんとか断り、いろいろ考えをめぐらせながら宿まで帰る。

Posted byブクログ

2017/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画を見たのだが、DVDでは出てこないので、こっちで。 映画館以来の再見。ヤクザが法を犯してるのは悪い。これを前提に、悪い弱いものを排除していいかと考えさせられる。 部屋住みの少年のその後は、残念

Posted byブクログ

2017/07/17

 正直期待外れであり、実につまらない本であった。まず、文体、特に土方宏史氏の軽薄な言い回し。「ヤクザと憲法」という意外な組み合わせに惹かれて本書を手に取った私には、「不安MAX」「あえてスルーする」などという、内輪の友だちとしゃべっているような言葉遣いは、それだけで先を読む気が失...

 正直期待外れであり、実につまらない本であった。まず、文体、特に土方宏史氏の軽薄な言い回し。「ヤクザと憲法」という意外な組み合わせに惹かれて本書を手に取った私には、「不安MAX」「あえてスルーする」などという、内輪の友だちとしゃべっているような言葉遣いは、それだけで先を読む気が失せた。  また、考えがとにかく浅い。例えば、自らヤクザの世界に身を投じた、宮崎学の小説を愛するナオトという青年の話。彼はかつてイジメを受けており、しばらく引きこもりであった。ヤクザを排除しようとする社会を批判し、彼は「ヤクザもいる明るい社会」を提唱する。著者はこれに対し、「考え方が違う者同士が共存し合う、これは「多様性」の話だ」と共感する。  冗談ではない。自分の邪魔になる者、気に入らない者を暴力で排除していく集団、それを「ヤクザ」と言うのだ。つまり、ナオトを変人としていじめる、それこそがヤクザ的行いなのだ。  イジメが心理的に大変な苦痛であるのは、学校のように、それが起こらないと想定されている場所で起こるからである。「みんなちがって、みんないい」はずの場所で、自分だけは別らしいという疎外感に襲われ、また理不尽な暴力に立ち向かうことのできない自分に際限なく落胆していくからである。  一方、ヤクザの世界では、怒鳴られたり、殴られたりしても、心理的にはそれを受け入れることができる。ヤクザの世界ではそれが当たり前だからある。ナオトがヤクザになったのは、その方が心が安定するからだろう。また、ナオト自身はそう語ってはいないが、ヤクザになって、かつて自分をイジメた奴らをどうにかしてやろうという気持ちも、もしかしたら彼の中にあったかもしれない、「多様性の話だ」というより、私はナオトの語りをそんな風に読んだ。  実際、ヤクザが一般の人々と価値観が異なり「多様」なのは、売春、覚醒剤、違法ギャンブル、悪徳政治家の手伝いなどを生業としているからであるが、私は金輪際、こんなものを「多様」とは認めない。こういった違法なことについてはヤクザの側が取材を許さないとして、本書はほとんど追究しようとせず、著者の言葉を使わせてもらえれば、「スルー」する。  私が「ヤクザと憲法」という題名から連想したのは、共謀罪であった。暴力団排除条例により、ヤクザは例えば銀行口座を持てないなど、人権を制限されることになった。その是非を論じる能力は私にはないが、理由のないことではないだろう。私が危惧しているのは、ヤクザに対するこうした人権の制限が、やがてなし崩しに一般の人に拡大していくことである。ヤクザを排除しよう、これにはほとんどの人は異を唱えないから、とりあえずヤクザをターゲットにしておく。そして、この規定が及ぶ範囲を、例えば政権に異を唱える集団、個人などに広げていく。この国でこうした動きは現実となっている。実際、暴力団排除条例は、表面的にはテロリストをターゲットにしている共謀罪と、大変よく似ている。しかし、本書にはこうした視点は全く見られず、私は読んでいて大きな失望を味わった。  本書は、テレビのドキュメンタリー番組を書籍化したものである。未見だが、番組自体はもしかしたら優れているのかもしれない。しかし、一冊の独立した本として世に出した以上、評価は本自体、それのみに対してなされるべきである。私は本書を、評価しない。

Posted byブクログ