1,800円以上の注文で送料無料

野良ビトたちの燃え上がる肖像 の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/09/28

この本を読んで可哀そうな人たちだと思える人は、曇りなく自分の人生を歩んでいる人々なんだろう。僕はこれを読んでいて不安で不安で仕方が無かった。住む所も家族も居るけれど、持ち家とはいえ借金は払っていかなければいけないし、日々の生活で掛かるお金はびっくりするほど掛かっている。昔よりも明...

この本を読んで可哀そうな人たちだと思える人は、曇りなく自分の人生を歩んでいる人々なんだろう。僕はこれを読んでいて不安で不安で仕方が無かった。住む所も家族も居るけれど、持ち家とはいえ借金は払っていかなければいけないし、日々の生活で掛かるお金はびっくりするほど掛かっている。昔よりも明らかに贅沢な生活をしている自覚が有ります。 いつでも無一文からやり直せるつもりで生きていたけれど、だんだんと年を取ってきて再就職もそんなに簡単には出来ないと思います。 日本は次第に力を失っていき、豊かな生活を送れる人も一握りになって来ています。綱渡りのような生活をして、病気や怪我をする事で一気に急坂を滑り落ちるように路上に放り出される事も有るかもしれません。 そう思って読むと非常に辛い。「野良ビト」という造語もとても気持ち悪いですが、では自分の心の中に、路上生活の人々を同じ人間だと見ているのか。そう問いかけた時、後ろ暗い気持ちになります。どこか違う次元で生きている人たちのように思っている自分がいるからです。 「野良ビト」になってしまう事が怖いのか、野良ビトを人ではないと思ってしまう事が怖いのか・・・。

Posted byブクログ

2020/01/24

「野良ビトに缶を与えないでください」 一気に増えたホームレス対策として掲げられた看板。 P106 「おれらもう、人扱いされてねぇんだな」 嫌なものは見ないようにして、楽しいことだけに目を向け 日々を過ごせるのなら、その方がいい、と思ってしまう。 でも、この本を読むと、いろいろ...

「野良ビトに缶を与えないでください」 一気に増えたホームレス対策として掲げられた看板。 P106 「おれらもう、人扱いされてねぇんだな」 嫌なものは見ないようにして、楽しいことだけに目を向け 日々を過ごせるのなら、その方がいい、と思ってしまう。 でも、この本を読むと、いろいろ問われている気がする。 考えろ。 自分の頭で考えろ。 そう言われているのかもしれない。

Posted byブクログ

2017/05/22

読み進めていくうちに息苦しく怖くなってきた。今の日本も着実にこのようになっていくんではないかと予感させるフィクションであるのにノンフィクションのような小説。昔から格差を作り上にいる人達は下のやつらを蔑み搾りとり優越感に浸る。そういう事は行われてきたけど、平等を謳う今のこの世もまた...

読み進めていくうちに息苦しく怖くなってきた。今の日本も着実にこのようになっていくんではないかと予感させるフィクションであるのにノンフィクションのような小説。昔から格差を作り上にいる人達は下のやつらを蔑み搾りとり優越感に浸る。そういう事は行われてきたけど、平等を謳う今のこの世もまたそこに戻っていくのだろうか?不気味でならない。私もホームレスを見れば社会の落伍者って見てしまっている所があるけれどいつ自分がそうなるかもわからない。この本を読んでホームレスも柳さんみたいにルールを守りながら猫と共存していっている人達もいるんだってわかったし、何とかそういう人達の居場所を私達も作ってあげないといけないのに一方的に排除しようとするなんて酷すぎる。私はこの本の中のムスビのいく末が気になる。柳さんと再会して気ままなホームレス生活を新たな地で送れている事を深く願うばかりだ。読んで良かった

Posted byブクログ

2017/03/11

コミュニティーが喪失した社会では、ひとりひとりの行動の身勝手さがエスカレートして、自分以外の人に攻撃的になり破壊していく。 そんな社会はすぐ近くまで来ているのかもしれない。

Posted byブクログ

2017/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブログ更新:『野良ビトたちの燃え上がる肖像』木村友祐 http://earthcooler.ti-da.net/e9312768.html 主人公の「柳さん」は東京都と神奈川県の境を流れる弧間川に接した、神奈川県側の河川敷に暮らす、中年から壮年にさしかかる古参のホームレスだ。ホームレスがよくそうするように雄猫を可愛がり、ムスビと名づけている。二十代後半の新参者木下の面倒をみるようになり、つるんで空き缶回収もする。不況故か河川敷には新しいホームレスが目立って増えるようになり、これをよく思わない近隣住民は排除しようとする。そしてある日、ホームレスの住居に火がつけられる。

Posted byブクログ

2017/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

途中で近未来小説と気が付く。ロヒンギャの書き方とかちょっとうーんというところもあるけれど。若い世代の人なんだろう。最後のイメージは私には説得力があり美しかった。

Posted byブクログ