最も危険なアメリカ映画 の商品レビュー
様々な映画を引き合いに、差別と隠蔽に満ちたアメリカ史をさくっと解説する。 「国民の創生」のような事実の塗替えによる隠蔽もあれば、告発もある。 人種のサラダボールに保革、階層間の政治的な思惑が裏で揺らめく複雑な国アメリカへようこそ
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思想的にアブナイ映画の紹介。 アメリカの歴史的背景が判らないと理解出来ない話が多い。インディアンくらいなら判るけど。 「國民の創生」は見たことも無いけど名作だとの認識は有る。「バックトゥザ・フューチャー」まで歴史を歪曲していると言う。 難しいね。ところで私が若い頃は歴代映画の一位になっていた「天井桟敷の人々」は最近はあまり評価されてないような気がするんだけれども、やっぱり何か背景が有るのかしらん。
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きわめて若いメディアである「映画」は、第八芸術と呼ばれている。20世紀初頭から現代に至る米映画の歩みを振り返れば、期せずしてアメリカ精神史が見えてくる。 明るく軽い映画が主流の米映画界にあって、伏流水のように暗く重い映画が製作され続けていた。 教科書的名作「國民の創生」から...
きわめて若いメディアである「映画」は、第八芸術と呼ばれている。20世紀初頭から現代に至る米映画の歩みを振り返れば、期せずしてアメリカ精神史が見えてくる。 明るく軽い映画が主流の米映画界にあって、伏流水のように暗く重い映画が製作され続けていた。 教科書的名作「國民の創生」から最近作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に至るまで、町山智浩はその暗黒面を剔抉してゆく。 判りやすい毒々映画より、いっけん目や耳に優しい娯楽大作の中に潜ませた「毒」の方が罪は重い。その点を思い知らされた。
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前日読んだ『お父さんがキモい理由を説明するね』で、自分の経験した"後悔"についてとことん話し合うことが、相手を愛している表現になっているってのは深いと感じたのだが、全く趣旨の違うこの本で、まさに言わんとすることが同じだ!と感じたのが下記↓ (『國民の創生』における映画に優れた演出の確立とその内容への罪への言及を踏まえ)『クエンティン・タランティーノは自作『ジャンゴ 繋がれざる者』のインタビューで、アメリカ映画が今までほとんど奴隷制度を描いてこなかった事実について「奴隷制度はアメリカの汚点だからだ。どの国にも触れたくない歴史の恥部はある」と答えた。「でも、そこにこそ、最もエキサイティングな物語の可能性が眠っている」』 アメリカの歴史と映画の本なので、そういう受け止め方をするのは違うのだが、汚点や恥部を隠すことより、そういった過去があったことを曲げずに受け止め共有していくことこそ、信頼する/される人(作品)につながるのだなと感じた次第。 各々単体で読んでたらそうは思わなかったのだろうが(もちろん単体で読んでもどちらも素晴らしい本です)、たまたま続けて読んだジャンルの違う本が自分の中でリンクして発見があるのが読書の良さですね。
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ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書)を読んだばかりであり、映画の世界にも、いろいろな思い入れのもとに、熱狂的な支持を得た映画にも、直視できない問題をかかえていることがあるなあと思いました。
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読むことによってディズニーを嫌いになったり好きな作品の評価が揺らいだりはしないが、今後は宗教、人種差別、政治などのイデオロギーに絡めて鑑賞していきたいなあ、と。
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國民の創生。 空軍力による勝利。 バック・トゥ・ザ・フューチャー/フォレストガンプ。 この3つの章だけ読めばいいかな。 アメリカの黒人差別問題は根強く今も残っていると言うところが映画に出ていると言う視点が面白い。 ただ、ちょっとその話が続くので食傷気味になったというのが正直なと...
國民の創生。 空軍力による勝利。 バック・トゥ・ザ・フューチャー/フォレストガンプ。 この3つの章だけ読めばいいかな。 アメリカの黒人差別問題は根強く今も残っていると言うところが映画に出ていると言う視点が面白い。 ただ、ちょっとその話が続くので食傷気味になったというのが正直なところ。 でも。ディズニーが東京大空襲を先導しているような事なったのなんて全く知らなかったし、 よもやバック・トゥ・ザ・フューチャーに差別問題が絡んでいるなんて思いもよらなかった。 必読です。
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確かに存在する「差別」ではあるが、なかなかこれだけ投げかけられるとちょっと受け止めるのが、後半きつかった。 が、町山氏の凄まじい情報に、圧倒されつつ、いつものように楽しみました。
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ほとんど知らない映画ばかりだったが、何か裏面を撃ち込まれるように見させられた感が強い。そしてその刺激が癖になる感覚が現れ、なるほどと唸りつつ読了。ゼメキス監督については確かに、妙な政治感覚だなとかつて思ったことを思い出した(Back to the future part1時。も...
ほとんど知らない映画ばかりだったが、何か裏面を撃ち込まれるように見させられた感が強い。そしてその刺激が癖になる感覚が現れ、なるほどと唸りつつ読了。ゼメキス監督については確かに、妙な政治感覚だなとかつて思ったことを思い出した(Back to the future part1時。もっとも主題歌がより印象的だったが)。 古い映画含め、本書で取り上げられている映画を一通り見たくなった。レンタルDVDでまだあればうれしい。しかし、色んな意味で危険というかようわからん国ではありますなぁ。
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町山智浩・渾身の一冊、この中には、いつもの町山さんのユーモアはない、冷静に、冷徹にまで本質を突いてえぐり出している、その熱量と力強さに圧倒され、1/3ほど読んだところでしばらく冷却期間をおいたほど。見ていない作品も多かったが、有名な「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・...
町山智浩・渾身の一冊、この中には、いつもの町山さんのユーモアはない、冷静に、冷徹にまで本質を突いてえぐり出している、その熱量と力強さに圧倒され、1/3ほど読んだところでしばらく冷却期間をおいたほど。見ていない作品も多かったが、有名な「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ」 この映画を好きだと言う人は多いだろう、だからせめてこの二本の解説だけでも読んで欲しい、これがなにを意味しているのか知って欲しい、本の厚さや表紙の強烈さに躊躇するかもしれないが、必読するべきと考える。 自分は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は楽しい映画だと思うし、TVでやれば見るだろうが、DVDは持っていないし録画もしていない。あえて見ようとは思わない映画だ。 「フォレスト・ガンプ」に至っては、見ることが出来ずにいる、どうしても途中で挫折してしまう映画だ。 これが、町山さんが書いているような部分をどこかで感じとっていたからなのかどうかは分からない、けれどもそうであったなら、少しでも感じとっていたからなのだとしたら嬉しい。
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