短歌を詠む科学者たち の商品レビュー
科学と短歌の本はいくらかありますが、これは科学者の評伝に短歌を交えたタイプで、また別種の味わいがありました。多作な人ほど人生と短歌が交差しまくってて面白かったですが、「茂吉これリアルタイムでは詠んでないよね?」検証が飛び出す斎藤茂吉編が一番面白かったかな。
Posted by
理数系が苦手な私にとって、科学者というだけで尊敬に値する一方、このように短歌も詠まれているとは驚きましたが、その中の一人、石原純によると 「科学と芸術とが著しく隔たつてゐるやうに考へるのは、それは科学をも、また芸術をも本当に理解してゐない人々の、まるで表面的な見方に外ならない」 ...
理数系が苦手な私にとって、科学者というだけで尊敬に値する一方、このように短歌も詠まれているとは驚きましたが、その中の一人、石原純によると 「科学と芸術とが著しく隔たつてゐるやうに考へるのは、それは科学をも、また芸術をも本当に理解してゐない人々の、まるで表面的な見方に外ならない」 のだそうです。 それぞれの生い立ちや研究内容がわかりやすく書かれている一方、短歌を読むと、それぞれの気持ちや考えがわかり、興味深かったです。 ひたすら受験勉強ばかり、本を読まずに文学史だけ覚えていた自分が恥ずかしくもあり、これから先の進路を考える高校生、大学生に読んでほしい本だと思います。
Posted by
『ひそかな暗夜は 愛撫にふさはしい感さへ湧くが 人生は 永劫にひとりである』石原純 坂井修一 氏の短歌集をいつか詠みたくなりました
Posted by
新聞の書評に載っており、科学者と短歌という一見すぐには結びつかないテーマに興味を惹かれたので読んでみました。科学者の詠む短歌ってどんなものだろう、という野次馬根性から手にとってみた、とも言えます。 物理、医学、生物学、情報工学と幅広い分野の研究やその実情まで、実によく取材して丁寧...
新聞の書評に載っており、科学者と短歌という一見すぐには結びつかないテーマに興味を惹かれたので読んでみました。科学者の詠む短歌ってどんなものだろう、という野次馬根性から手にとってみた、とも言えます。 物理、医学、生物学、情報工学と幅広い分野の研究やその実情まで、実によく取材して丁寧に著述しており、著者の誠実な姿勢がつたわってきます。そうした分野で先端を走る科学者達が短歌に対しても手を抜くことなく正面から向き合い、紡ぎ出した歌に触れることで、科学であれ芸術であれ、表現することにはきびしさもそこから得る喜びもあると感じました。
Posted by
- 1