二壜の調味料 の商品レビュー
米澤穂信さんおすすめのミステリ。 それが真相?と思うのもありますが面白く読めました。 リンリーとスメザーズのシリーズが印象的。
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※このレビューにはネタバレを含みます
表題作『二壜の調味料』他、ミステリや犯罪小説が26篇収録されている短編集。『二壜の調味料』〜『一度でたくさん』は語り手「スメザーズ」と探偵「リンリー」のコンビが活躍するバディ物。ワトスンとホームズを思わせる。表題作『二壜の調味料』はまさに“奇妙な味”と言える読後感。短くゾッとする体験を味わえる。『手がかり』はたった一問のクロスワードから犯人にたどり着くリンリーの推理力を楽しめるおすすめ作品。『新しい名人』は現代の将棋やチェスのAIに通じる科学小説的作品。 『演説』はある一言がラストに回収されるどんでん返しが楽しめる作品。
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トリックの解明は割とあっさりしているし、毎回きっちり犯人が捕まるわけではないので、なんとなく全体的に意地悪い感じのするミステリ集だな…と思った。だからこそリアリティーがあるとも感じ、慣れてくるとキツめのブラックジョークみたいで苦笑いしてしまった。『二壜の調味料』『疑惑の殺人』『新...
トリックの解明は割とあっさりしているし、毎回きっちり犯人が捕まるわけではないので、なんとなく全体的に意地悪い感じのするミステリ集だな…と思った。だからこそリアリティーがあるとも感じ、慣れてくるとキツめのブラックジョークみたいで苦笑いしてしまった。『二壜の調味料』『疑惑の殺人』『新しい名人』のオチの着け方が好き。
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調味料のセールスマンであるスメザーズの同居人、頭脳明晰の青年リンリーの探偵ミステリ。若い娘の家に男がやって来て同棲を始めたがある日娘の姿が見えなくなった。男が殺したと思われるが死体はどこに消えたのか。男は庭の木を全て切り倒し薪にし始めた。しかし薪は使わずに積み上げてある。さらにス...
調味料のセールスマンであるスメザーズの同居人、頭脳明晰の青年リンリーの探偵ミステリ。若い娘の家に男がやって来て同棲を始めたがある日娘の姿が見えなくなった。男が殺したと思われるが死体はどこに消えたのか。男は庭の木を全て切り倒し薪にし始めた。しかし薪は使わずに積み上げてある。さらにスメザーズから2壜も調味料を買ってくれた。これらは何を意味してるのか、という有名な表題作。リンリーものをはじめ、ラストでニヤリとさせられる奇妙な味の短編ばかり26篇。アイデア一発で書かれたものばかり、70年前の小説だし有名な話だから、びっくりするほどの衝撃はないけれど、読んでおくべき名作短編集
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表題作はラスト一行で「えっあ、そういう感じ??」ってなった。 そういえば、モルグ街の殺人を読んだ時もこれと同じ様な反応をした気がする。 ただ真相が分かってから読み直すと、なるほどねーと納得できる。 なぜ男は木を斬り倒し積み上げる作業をそれぞれ1週間続けたのか。 その理由がある意味...
表題作はラスト一行で「えっあ、そういう感じ??」ってなった。 そういえば、モルグ街の殺人を読んだ時もこれと同じ様な反応をした気がする。 ただ真相が分かってから読み直すと、なるほどねーと納得できる。 なぜ男は木を斬り倒し積み上げる作業をそれぞれ1週間続けたのか。 その理由がある意味衝撃的。 全26篇収録されており、全体的に真相を明示しないところが奇妙な味っぽくていい。 あとはもうナムヌモが気になって気になって仕方ないな。
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探偵リンリーのシリーズと、その他短編からなる作品集。冒頭の表題作はエラリー・クイーンや江戸川乱歩が絶賛したそうです。 解決への糸口となる些細なきっかけや、ラストの一言による奇妙な余韻。確かに表題作はユーモアとグロテスクさに高揚を感じました。けれど他の作品では、文章のくどさや指示語...
探偵リンリーのシリーズと、その他短編からなる作品集。冒頭の表題作はエラリー・クイーンや江戸川乱歩が絶賛したそうです。 解決への糸口となる些細なきっかけや、ラストの一言による奇妙な余韻。確かに表題作はユーモアとグロテスクさに高揚を感じました。けれど他の作品では、文章のくどさや指示語の多用などによる読みにくさが先に立ち、十分に楽しめなかったというのが本当のところ。中にはどこにオチがあるのか分からないまま終わってしまい、何だったんだろう?とモヤモヤする作品もありました。かなりの作品中で繰り返し「証拠がないから犯人は捕まっていない」と書かれるのも、ミステリに懲罰求めてないから、と白けてしまいます。それよりせっかくのバカミスっぽいアイディアを存分に読ませてほしかった。
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二十六編中、表題作の『二壜の調味料』とあわせて九編は探偵役のリンリーと語り部役のスメザーズのシリーズもの。 スメザーズの、ですます口調とナムヌモの訪問販売員という肩書がなかなか個性的で探偵より印象に残る。 表題作はまぁたぶんこう殺されたんだろうとはわかるものの、木についてのことは...
二十六編中、表題作の『二壜の調味料』とあわせて九編は探偵役のリンリーと語り部役のスメザーズのシリーズもの。 スメザーズの、ですます口調とナムヌモの訪問販売員という肩書がなかなか個性的で探偵より印象に残る。 表題作はまぁたぶんこう殺されたんだろうとはわかるものの、木についてのことはわからなかったので最後にゾッとしつつニヤリとできて面白かった。 全体的にミステリとしてはトリックが甘い感じはしたけど楽しめた。 リンリーシリーズ以外のはあまり楽しめなくて結局全体の半分くらいしか読めなかった…。 またいつか機会があれば挑戦したいな。
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すごーく面白かった。さらりと上品に書いてあるけど、結構猟奇的事件の話多いです。奇妙で怖い話が26編も入っているので、大変お買い得。
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ロード・ダンセイニといえば、ハヤカワ文庫FT最初期の一冊に、原書のイラストとともに文庫として出された『ペガーナの神々』の印象があまりにも強い。 皮肉っぽく、幻想的なその作風には、いっぺんで魅了されてしまった。 そのロード・ダンセイニが書いたミステリ! そんなものがあったとは……。...
ロード・ダンセイニといえば、ハヤカワ文庫FT最初期の一冊に、原書のイラストとともに文庫として出された『ペガーナの神々』の印象があまりにも強い。 皮肉っぽく、幻想的なその作風には、いっぺんで魅了されてしまった。 そのロード・ダンセイニが書いたミステリ! そんなものがあったとは……。 手に取ってみると、まさにこれは上質のミステリであり、名探偵ものであるリンリーとスメザーズものの数編、引退した老刑事リプリーが語る数編、それ以外の短篇から成る。 ミステリ、スパイもの、ハードボイルドまで含まれる豊かな短篇集だけれど、ひとつ共通しているのは、いかにもイギリス紳士らしいたしなみが感じられること。 たとえば、凄惨な事件であっても、それを克明に描写する事はしない。 怖ろしい状況を匂わせるに留め、読者の想像にまかせることで、余計にぞっとする効果を醸し出している。 そういう意味では、ミステリというだけでなく、ホラーともとれるものもある。 また、興味深いのは、西欧人の倫理観(または宗教観)からして、人間として許すべからざる犯罪が幾つか含まれていること。 西欧のミステリ全体を見ても、これをとりあげているものはそれほどないように思う。 それは何かといえば、ずばり、カニバリズムである。 つまり、ロード・ダンセイニにとって、最も恐るべき犯罪とは、血まみれのスプラッタでもなければ、シリアルキラーでもなく、「人倫にもとるもの」だったのではないだろうか。そしてそれこそが、イギリス紳士というものなのだろうか。
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毎日寝る前に1編読む方式でじっくり楽しみました。どれもイギリスらしい(アイルランド人ですが)、ブラックなユーモアというかシニカルな視線といいますか、読み終わった後に反芻してるとジワジワ来る黒い余韻を楽しめるのが良かったです。 やはりタイトルにもなった『二壜の調味料』は展開を予想...
毎日寝る前に1編読む方式でじっくり楽しみました。どれもイギリスらしい(アイルランド人ですが)、ブラックなユーモアというかシニカルな視線といいますか、読み終わった後に反芻してるとジワジワ来る黒い余韻を楽しめるのが良かったです。 やはりタイトルにもなった『二壜の調味料』は展開を予想できつつも、まさかのええぇそういうことぉ?!みたいなアレがあって流石でしたね。あとは手塚治虫のSF漫画みたいな味わいがあった『新しい名人』が好みでした。
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