うどん キツネつきの の商品レビュー
「シキ零レイ零 ミドリ荘」 顔文字で会話するの笑った 「おやすみラジオ」 「深夜の馬鹿力」で紹介されてたゲーム(かがみの特殊少年更生施設)がこんな感じなんじゃないかな 「巨きなものの還る場所」 空飛ぶスパゲティ・モンスターのねぶた見たい。 著者の作品には絵画がよく登場するな...
「シキ零レイ零 ミドリ荘」 顔文字で会話するの笑った 「おやすみラジオ」 「深夜の馬鹿力」で紹介されてたゲーム(かがみの特殊少年更生施設)がこんな感じなんじゃないかな 「巨きなものの還る場所」 空飛ぶスパゲティ・モンスターのねぶた見たい。 著者の作品には絵画がよく登場するなぁと思ってたら多摩美出身らしい。
Posted by
タイトルにきつねが入っているので読んでみた作品です 創元SF文庫というレーベルのこともあり、SFを読むつもりで飲み始めたらかなり面食らう作品でした 日常寄りの怪奇小説なんだろうか、でもわりとハチャメチャなところもある、ちゃんと説明がされてる話でもなく、結局アレってどういうことだっ...
タイトルにきつねが入っているので読んでみた作品です 創元SF文庫というレーベルのこともあり、SFを読むつもりで飲み始めたらかなり面食らう作品でした 日常寄りの怪奇小説なんだろうか、でもわりとハチャメチャなところもある、ちゃんと説明がされてる話でもなく、結局アレってどういうことだったの? と明かされないままで終わる話ばかりだけど、でも想像の余地はちゃんとあるし、月並みな表現ですが、説明されたら野暮になる、感じとる作品に思います でもそれはこの作家さんの持ち味なんだろうな あえてカテライズしてしまうなら、日常系SFかも知れない 諸星大二郎さんや高野文子さんの作風にも通じる、日常の中にしれっと異物が混じり込んで、馴染んで、異世界へと変貌するさまを見せながらも日常はそれはそれとして進むというような 登場人物も、そうした異物や怪異に対して騒いだり構えたりするタイプではなくて、淡々とやるべきことをする、自分のペースは崩さない独特な図太さ(や鈍さ)がある、それが心地よい作品集でした 短編集なので各話の感想も記載します 『うどん、キツネつきの』 瀕死の子犬のような謎の生物を拾って育てる女の子とその姉妹のお話ですが、その家族や同級生、交際相手との話にも及んで、これは何の話なのか? と訝しく感じるけど、読み込めば大きなひとつのテーマに貫かれている骨太な作品 でも姉妹とその回りの人たちとの会話は、軽やかでリアルでもある その描写は優しくてユーモアもある 結局、うどんは何者だったのかっていうのは些細な話で、このお話が描いてることは、だって放っておけない、何とかしてあげたい、そばにいてあげたい、そんなある意味ありふれた感情、エゴの話だと感じました 『シキ零レイ零 ミドリ荘』 おんぼろアパートに住む、個性豊かでちょっと困った住人とその大家さんと孫の群像劇のお話 昔の漫画にこういう、アパートものってあったよなあなんて思った 住人の個性と困った感じが生き生きしており、ちょっと人情ものっぽいエピソードもあって、でも普通に宇宙ネタ(らしきもの)も忍び入っている アニメっぽさのかわいい作品 『母のいる島』 十五人もの娘を出産し、十六人目の娘を生んで満身創痍の母を見舞うために、育った島に久しぶりに集まった娘たちが、その異能を発揮して襲いかかるテロリストを撃退する話 ピンとこないとこもありつつ、勢いが凄いのと、古事記のイザナギとイザナミの問答のエピソードを思わせる箇所があったので、古事記好きは大喜びします そうだよな、殺すほうじゃなくて産むほうが女の神であってほしいよな、なんて思ったりもしました 『おやすみラジオ』 この短編集の中では、いくぶんかシリアスで怖い、都市伝説やネットミームに繋がる話 好奇心を持って、愛読しているブログの書き手が身近に居るのでは? と調査を初めてしまうのは、止めとけ止めとけと思わなくもない 『巨きなものの還る場所』 短編集の最後の作品らしい、堂々とした物語 この世界の色んな場所の色んな逸話、人間が作り出した様々な芸術品、工芸品、巨大な機械、 そこに入り交じるのは、やっぱり人間が古くからの生活の中で産み出して伝承されてきた神話、 『うどん、キツネつきの』でもあったそれぞれの物語の断片がじわじわと収束されていき、そして驚く絵面の大破壊が発生する場面はとんでもない荒唐無稽さがあるけれども、そこにあるのはきっと、再生とか、復活とか、蘇りとか、産まれ出るものの強さで、そう思うとこの短編集の物語はすべてそうしたテーマに沿ったものだったのかも知れない、なんて感じたのです
Posted by
パチンコ屋のゴリラの看板の裏にいた、生まれたての得体のしれない生き物は、雑種の犬として三姉妹のもとで育っていった。姉妹の祖母が亡くなり、ばらばらになっていた三姉妹がまた一同に集う…。 SF文庫となっているが、全体にぼんやりしたファンタジー短編集である。純文学っぽい表題作がずっと...
パチンコ屋のゴリラの看板の裏にいた、生まれたての得体のしれない生き物は、雑種の犬として三姉妹のもとで育っていった。姉妹の祖母が亡くなり、ばらばらになっていた三姉妹がまた一同に集う…。 SF文庫となっているが、全体にぼんやりしたファンタジー短編集である。純文学っぽい表題作がずっと続いて、犬との生活となるのかと思いきや、全く出てこない。「家に来て十五年(つまり15歳)」というところがポイントなのかなんなのか、後ろのあらすじには「犬そっくりの生き物」とされているが、本文で雑種の犬って書いてるやん? この時点でいろいろと齟齬がでてきている。 満身創痍で16人の子供を産んだ『母のいる島』は、キレがめちゃくちゃ悪いショートショートみたいな話だし、『おやすみラジオ』も途中から怖い話に持っていくような持っていかないようなという感じ。 つまり、全作品が掴み所がない。いや、支離滅裂で書評も何もあったもんじゃないという作品群だ。 もちろん、ラジオの話は現在進行系なのかパラレルワールドなのかわからない曖昧さであったり、『巨きな物の帰る場所』は巨大なロボットや動物たちがある日突然覚醒するという話だろうということくらいはつかめる。しかし、それだけにしておけば良いのに、突然過去の話が出てきたり「こんなご時世」となんだか世間が現実離れした戦時中みたいなことを匂わせたりと、気が散る演出だらけのため、結局何がしたいの?という感想しか持てない。 また、推敲されていないような説明のない文章がちょくちょく出てきて「婚姻色の赤が見えた」って何の話よ?説明しろよと思ってしまうようなものだらけだ。 それぞれのアイデアに関しては良いのだろうが、それを他人に読ませるのなら、文章の辻褄であったり足りない部分が無いかであったりのチェックは、最低限するべきである。そのくせ純文学に憧れているらしく、変な装飾した文言を使いたがるのもいただけなかった。 全体に、コマとコマの繋がりが読めない漫画を読んでいるようで、ひたすら苦痛な1冊である。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
⚫︎感想 創作SFということだったが、芥川賞を受賞した「首里の馬」が好きだったので読んでみた。 「母のいる島」「おやすみラジオ」が気に入った。 精神でも肉体でも、強い女性には憧れる。 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 犬に似た奇妙な生き物を育てる三姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートの住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹が暮らす孤島を見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に現れた子供の日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編を収録。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編5作 目に見えるものだけじゃない、その辺に転がってるいろんなものにも宿る世界や宇宙 果てしないな そして短編だった?の重量感 「母のいる島」のレッスン要素は必要だなと妙に納得
Posted by
★意味、完全に解ってる言葉しか使っちゃいけねえなんて、誰が決めたんだよ(p.86) よく把握できないままになんとなく魅力的な作品群/わかろうとせず気分で適当に読んでしまうのが吉かも/「シキ零レイ零 ミドリ荘」かなり好きです/SFとかカテゴライズする必要もないかも。 【一行目】「...
★意味、完全に解ってる言葉しか使っちゃいけねえなんて、誰が決めたんだよ(p.86) よく把握できないままになんとなく魅力的な作品群/わかろうとせず気分で適当に読んでしまうのが吉かも/「シキ零レイ零 ミドリ荘」かなり好きです/SFとかカテゴライズする必要もないかも。 【一行目】「今、あのゴリラ啼かなかった?」 【うどん キツネつきの】ヘンな犬を拾った三姉妹は「うどん」と名づけた。《長生きして死ぬならそれが幸せだと・・・・・・少なくとも私はそう思うよ》p.32 【シキ零レイ零 ミドリ荘】ミドリ荘のミドリと住人たち/キイ坊/自称元宇宙飛行士のおっちゃん/背の高いベトナム人のグェンさん/自分の中で迷子になるタニムラ青年/顔文字でしゃべるエノキさん/王さん/キクイムシ/行方不明の犬たち/《まーね、私だって、両親が必要かと言えばそうでもないタイプの子供だし》p.70/《なにより、二人は同じ日本語を喋っているつもりだがお互いの言葉をほとんど理解していないようだった。》p.88/《読む人が文字だって思えば、傷だって文字でしょ》p.100。 【母のいる島】島の十六人姉妹/黄泉比良坂。 【おやすみラジオ】謎のブログ/大きくなっていく物体(ラジオ?)/複数のブログ/調べると整合性が取れなくなる/ノアの方舟/《虹も乗り物に乗って旅をしたいのかもしれないと考えた。》p.215。 【巨きなものの還る場所】いくつかの話/巨きなものは動きだす/ねぶた/シャガール/オシラサマ/学天即/《意識とか、魂みたいなものは、ひょっとしたら私自身にあるんじゃなくて、所属している集団とか、場所のほうにあるのかも。そこにたまたま私みたいなひとつの生き物がいるから、私に魂があるように見えるだけで・・・・・・》p.304
Posted by
〈すこしふしぎ〉な意味でのSF短編集。収録作は5作。どの作品も素晴らしい。最後の『巨きなものの還る場所』は、他の収録作よりもとぼけた雰囲気は控えめ。そのぶんスケールも大きめ、いや巨きめな傑作。
Posted by
SF。ファンタジー。幻想譚。短編集。 著者に対する、勝手なイメージの通り、奇妙な物語たち。 緩くてノスタルジックな雰囲気もいつも通り。 「シキ零レイ零ミドリ荘」の平和さが一番好み。
Posted by
なんだか可愛いのに、どこか怖い。 じぶんが読んでいるところを、本の向こう側から、かと思いきや背後から、見つめられている感じ。 でもやっぱり愛おしくて。 この、ふわふわした感覚は、SFだ。
Posted by
SFとういよりファンタジーな5編の短篇集です。気に入ったのは「巨きなものの還る場所」。青森のねぶたにまつわる、いくつかの短い話が、時空を超えて少しづつ織り上げられいくファンタジーです。
Posted by