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宇宙は「もつれ」でできている の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2024/10/08

20世紀前半の量子力学確立だけでなく、その後の技術への応用を実現したり基礎理論を追求し続けたりする様々な若い世代の姿まで描かれていてとても良かった。ただ、前提知識が全くないと厳しいような、含みをもたせた書かれ方は多かったかも。

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2024/03/31

初期の量子力学の歴史を、偉人たちの残した言葉をセリフとして使って、小説風に語った本。教科書には物理学の偉人たちがさも当然のように数々の発見をしたように書かれますが、実際はその着想に至るまで色々な苦労があったり、発表しても他の学者たちに受け入れられなかったり、様々なドラマがあったこ...

初期の量子力学の歴史を、偉人たちの残した言葉をセリフとして使って、小説風に語った本。教科書には物理学の偉人たちがさも当然のように数々の発見をしたように書かれますが、実際はその着想に至るまで色々な苦労があったり、発表しても他の学者たちに受け入れられなかったり、様々なドラマがあったことが分かります。 まあこの本はだいぶ脚色が入ってるとは思いますが、それでも大筋の流れは正しいのじゃないかと思います。 シュレーディンガー方程式とかベルの不等式とか専門用語もたくさん出てきますが、それらの中身にはあまり言及せず、それらが当時の物理学者たちにどういう風に受け止められたか、という観点で主に描写されています。セリフ中心で書かれているので、読みやすく物理学者たちもキャラが立ってて面白いです。量子力学版の大河ドラマですね。

Posted byブクログ

2024/02/03

量子論で議論されてきた歴史が、アインシュタインとボーアの対立点、ERPパラドックスとベルの不等式、さらにベルの不等式を破る実験と現代の量子もつれを使った情報理論まで 物語として著されている。数式はほとんどないが、量子論の不思議さは良くわかる。ボーアが相補的と呼ぶ 光子と波、アイン...

量子論で議論されてきた歴史が、アインシュタインとボーアの対立点、ERPパラドックスとベルの不等式、さらにベルの不等式を破る実験と現代の量子もつれを使った情報理論まで 物語として著されている。数式はほとんどないが、量子論の不思議さは良くわかる。ボーアが相補的と呼ぶ 光子と波、アインシュタインが存在を願った隠れた変数と物理学としての実在。量子もつれや波動関数の観測による収縮は、読み終えても未だ理解できていないが、量子力学はそうゆうものだとして捉えることが、現在の大多数の学者の知恵らしい。ベル曰く、FAPP(For All Practical Purposes) 実用的な目的には十分である。 結局、量子に影響を与えずに測定することは不可能なのだから、測定という言葉は正しくなく、あくまでも実験の一部として捉えるべきらしい。シュレジンガーの猫は実験して初めて生死が決まるのだ!???

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2024/01/14

とても優れた歴史小説。 量子力学の概念的な概要と寄与した物理学者の名前を知っている人の方が得るものが大きい。 そうでない人にとっても、知らない国の知らない時代の面白い歴史小説を読んでいたらたまーに知っている人物やエピソードに出会う という楽しみがあると思う。 資料研究に基づ...

とても優れた歴史小説。 量子力学の概念的な概要と寄与した物理学者の名前を知っている人の方が得るものが大きい。 そうでない人にとっても、知らない国の知らない時代の面白い歴史小説を読んでいたらたまーに知っている人物やエピソードに出会う という楽しみがあると思う。 資料研究に基づいた実話という立て付けだが、資料記録の表現方法は闊達でほぼ創作の域にある。 私がこれまでに知っていた量子力学の研究の経緯、特に登場人物間の関係性について、ここまでビビッドに詳細に読めるなんて、、、有難う としか言えません。有難う。 近年の理論物理領域の書籍の中には、数学で表すのが精一杯だった理論を概念的に説明する事に挑戦したもの そしてそれが数学的に間違っていない ものが増えました。 有難い事です。 そしてこの書籍は、そのような概念的理解のレイヤーで語られています。 22世紀に残されるべき名著と思います。 個人的にはこの本を1960年に読んでいたかったです。

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2023/07/13

この解説書いてる人が、めっちゃうま! これで書店員?! 名前覚えておくといいよ。 まあ、読んで分かるものなら読みたい一冊です。 2023/07/18 更新

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2022/10/05

https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057415

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2020/03/21

もつれの話というよりは、100年前から最近までの、物凄い量の量子論と物理学者のエピソード集。 名前しか知らない物理学者たちのキャラクターが伝わってくる。彼らも人間だなぁという感じ。 ナチスがもたらした災厄も描かれていて、特にエーレンフェストの話は悲しい。

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2020/03/08

そしてもっと不思議なのが量子もつれである。例えば強い相互関係にある二つの電子があったとしよう。一つの電子は上向きスピンと下向きスピンの状態を重ね持つことができる。そして観測によって電子Aが上向きスピンであれば電子Bは下向きスピンとなる。この関係は電子AとBが宇宙の両端に存在しても...

そしてもっと不思議なのが量子もつれである。例えば強い相互関係にある二つの電子があったとしよう。一つの電子は上向きスピンと下向きスピンの状態を重ね持つことができる。そして観測によって電子Aが上向きスピンであれば電子Bは下向きスピンとなる。この関係は電子AとBが宇宙の両端に存在しても変わることがない。 https://sessendo.blogspot.com/2020/03/blog-post_8.html

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2018/11/09

 量子力学が現在に至る「物語」。内容はさっぱり分からなかった。なのに、590頁!最後まで興奮しながら読めた。  数多くの物理学者が登場し、議論を重ねる。議論の内容も誰が何を話していたのかもぼくには理解できないが、互いに批判し励まし合い、時には挫折しながら、登場人物達が何かしら凄い...

 量子力学が現在に至る「物語」。内容はさっぱり分からなかった。なのに、590頁!最後まで興奮しながら読めた。  数多くの物理学者が登場し、議論を重ねる。議論の内容も誰が何を話していたのかもぼくには理解できないが、互いに批判し励まし合い、時には挫折しながら、登場人物達が何かしら凄いことに向かって来たんだなと感じとることだけはできた。    相関する電子は、一方の状態が決まるともう片方の状態も「瞬時」に決まるという。どんなに離れていても。  原因があって結果があるという因果律と、光より早いものはないという相対性理論を前提とするならあり得ない現象であり、それ故アインシュタインは量子力学に疑念を持ち続けた。  しかし、そういう現象が実験で観測されたとなると、この遠く(例えば銀河の端から端まで)離れていても「瞬時に」相関する動きを見せる双方の電子は、個別の存在(局所的)ではなく、全体の中の部分(非局所的)と考えざるを得ない。  それはぼくらの直感から乖離している。  仏教に「一念三千」とか「相即相入」といったことばがある。ぼくがこの本を読み続けられたのは、量子力学には仏教に繋がる何かがありそうだと感じたからだろう。    そういう量子の振る舞いを「もつれ」と呼ぶらしいが、この日本語に最後まで悩まされた。  本書原題は"The Age fo Entanglement"  コリンズ辞書に拠れば、”A tangle of something is a mass of it twisted together in an untidy way. ”  読了してから調べてみたんだが、最初にこの定義を知っていたらもちょっと本書の内容が理解ができたかも・・・いやいや「プラズマ」というコトバは知っていても、それがなにものであるかすらとんと知らないようなぼくには、やっぱり無理だろうな。  以下、エピローグからの抜粋    「一般に受け入れられている量子論の構造はほとんどすべて・・・物理学について何も語っていない」とフックスは1998年に述べている。「量子論とは我々が知っていることを記述する形式的なツールなのだ」。量子力学の奇妙さは、情報理論ときわめてよく似ている。情報理論は、情報伝達を説明するために計算理論と共に発達した強力な考え方であるが、量子論とよばれるものは実際は大部分が情報理論、つまり、量子の実体そのものよりむしろ実体に関する知識についての理論であるという点で、ルドルフとフックスの意見は一致しているのである。(p.588)  「量子力学には、相対性理論のように根本となる原理がない。相対性理論では、あらゆる慣性系における観測者の物理法則はすべて同一で、ほら、そこからたくさんのものが得られる。ここに、情報理論的な制約をかけてみる。つまり、『観測者は決して粒子の位置と運動量を正確に知ることはできない』とするんだ。すると、ほら、その結果生まれた理論がどれほど制約を受けているか、どれほど量子力学と似通っているかがわかるはずだ」  フックスも同じ意見だ。(p.589) 以上

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2018/10/19

アインシュタインとボーアを中心にして量子力学は多くの物理学者の英知のぶつかり合いの中から精緻化されてきた。そのドラマを実際にそこにいたかのように描き出してくれる。ただ、量子力学の用語や理論を少しでも知っておいた方がいいだろう。様々な考え方がぶつかり合う中で、どこに向かうのか途方に...

アインシュタインとボーアを中心にして量子力学は多くの物理学者の英知のぶつかり合いの中から精緻化されてきた。そのドラマを実際にそこにいたかのように描き出してくれる。ただ、量子力学の用語や理論を少しでも知っておいた方がいいだろう。様々な考え方がぶつかり合う中で、どこに向かうのか途方にくれるときもあるから。時の前後が同じ章に書かれていたりして、いつの時点の話になっているのか戸惑うこともあった。

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