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青が破れる の商品レビュー

3.5

17件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    4

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2024/11/01

私は越谷市に住んでいるのだが、町田良平さんは越谷市に住んでいたことがあり、いつか読んでみたいと思っていたところ、『恋の幽霊』に越谷市が出てくるというので、『恋の幽霊』とつながりがあるらしい『しき』から読み始めた。その巻末の『青が破れる』の書籍広告の見出しに、主人公の知人が次々と三...

私は越谷市に住んでいるのだが、町田良平さんは越谷市に住んでいたことがあり、いつか読んでみたいと思っていたところ、『恋の幽霊』に越谷市が出てくるというので、『恋の幽霊』とつながりがあるらしい『しき』から読み始めた。その巻末の『青が破れる』の書籍広告の見出しに、主人公の知人が次々と三人亡くなるというような内容が書かれているのを読んで、面白そうだと思って『青が破れる』を読み始めた(実は『青が破れる』の内容をあまりわからないまま図書館で借りてあったのだが、『しき』の巻末の書籍広告を読んで内容を知り、急遽読み始めた)。 私は家では音読で読書をする。町田良平さんの文体はひらがなが多く、最初は読みにくかったが、慣れると音読していて心地の良い文体で、最近は滅多に読了まで辿り着けない私でも、『しき』と『青が破れる』をポンポンと読了できてしまった。このあとも『冒険の記録』(電子書籍購入済み)、『恋の幽霊』(図書館で借りてある)を読み、そのあとは『ショパンゾンビ・コンテスタント』を図書館で借りて読もうかなと思っている。

Posted byブクログ

2023/10/21

こんな状況に陥ってはいないけど、秋吉のボクシングに向けた感情、生き方の不安のようなものは同じく抱えている気はする。 どこか常に踏み込んでいないと、常に越えようとしないと、俺が俺を捨てないと、不安に負けてしまう感覚。 272冊目読了。

Posted byブクログ

2023/02/11

なんかよく分からなかった。 自分の身の周りにも死が唐突に訪れる。 死に直面している人。自ら命を絶つ人。 何もできない自分。何かしてやれたんじゃないかという傲慢。それでも走ることしかできない。 できることは、生きているうちに精一杯関われ、ということか。 それでもいろんな感...

なんかよく分からなかった。 自分の身の周りにも死が唐突に訪れる。 死に直面している人。自ら命を絶つ人。 何もできない自分。何かしてやれたんじゃないかという傲慢。それでも走ることしかできない。 できることは、生きているうちに精一杯関われ、ということか。 それでもいろんな感情がやってきて、じゃあ精一杯ってなんだよ、ってなる。 結局は、流れに身を任せて、期待せずに生きようということか。

Posted byブクログ

2020/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全然作風も違うが、読後の印象・感じ方は西加奈子さんの『窓の魚』を読んだ時のような、異質な物に触れたような、そんな感じである。 文体はかなり特徴的で、改行と平仮名が多く使われており、文字量は少ないと思うが、文章やシーンの意図をのみこむためには時間をかけなくてはいけないと思う。現に、サラッと読んでしまった私にはよく理解できないまま終えてしまった。 誰かに読んでもらって解釈が聞きたいと思う一冊。 2020.2.22 読了

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2019/10/05

LINEノベルで2.3ページ読んでみて、「この人ただ者じゃない...」と感じ秒速でアマゾンで購入。届いて1時間たらずで読了。詩的な文体と平仮名を多用する独特なスタイル。最低限でキャラクターが生きていることを表現できている。そう、本当に生きているのキャラクターが。こんな文章書けるよ...

LINEノベルで2.3ページ読んでみて、「この人ただ者じゃない...」と感じ秒速でアマゾンで購入。届いて1時間たらずで読了。詩的な文体と平仮名を多用する独特なスタイル。最低限でキャラクターが生きていることを表現できている。そう、本当に生きているのキャラクターが。こんな文章書けるようになりたいな、強い。

Posted byブクログ

2019/09/08

ひっさびさにリタイアした。こんなに薄いのに。 作文と文学は紙一重だよね、という感想。私には作文でしかなかったです……。

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2019/03/26

 今年の冬の芥川賞の記者会見で、「ニムロッド」の上田君は、予想に反しておっさんだった。隣に立っている町屋君が、少年ポイ感じで、読んでみようかなと思って読んだ。  ボクサーの話かと思って読みはじめてみると、微妙に違った。昔、いや、いまでもか、古井由吉が身体性と意識性のあわいを、流体...

 今年の冬の芥川賞の記者会見で、「ニムロッド」の上田君は、予想に反しておっさんだった。隣に立っている町屋君が、少年ポイ感じで、読んでみようかなと思って読んだ。  ボクサーの話かと思って読みはじめてみると、微妙に違った。昔、いや、いまでもか、古井由吉が身体性と意識性のあわいを、流体的な感覚で描いていたと記憶しているけれど、町屋君のここに載っている作品は、身体と意識を別の次元化しようとしている「感じ」は伝わるけれど、講釈を垂れている語り手の説明化しているからだろうか、それに伴った、本来身体的な「病気」や「死」、「性的な行為」が、読み手であるボクには象徴的な印象しかもたらさない。  本人も書ききれないからか、「ナンビョウ」というふうにカタカナ語にしている。結局、「あわい」の面白さが、希薄になって、ホワーとしたムードを描いて終わっている、そんな感じの読後感。濃厚に描くと、ビョーキの話になってしまう所なので、難しいんだろけど、ちょっとねえ、何かが足りないんじゃないでしょうか。  きらいじゃないけど、頼りない。そんな感じかな。ああ、作品の印象も少年かな。

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2019/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『1R 1分34秒』で 第160回芥川賞を受賞した町屋良平の 第53回文藝賞受賞のデビュー作。 いやぁ、久方振りに小説(物語)ではなく 文学や詩を読んだ気分。 ひらがなを多用したきわめて感覚的な文体。 読んでいる間は終始、気持ち悪さや居心地悪さが残るのに なぜだか読むことを止められない。 そして、フックのある言葉が、 寡黙だが浮かび上がる熱情が、 どうしようもなくリアルに胸を射抜いてくる。 クリープハイプの尾崎世界観や 元パンクロッカーの町田康などミュージシャンたちがこぞって この作家に惹かれるのも納得。 そこに流れるのは70年代の、 ロックやアメリカのロードムービーの映画に多く見られた寂寥感とざらついた質感だ。 僕の中では読んでいる間中、ずっと音楽(ブルース)が流れていた。 サンタラの『バニラ』『独白』『うそつきレノン』、 酔いどれ詩人トム・ウェイツの物悲しいピアノの音色としわがれ声、 https://youtu.be/Ujn4YTrdBNI ライ・クーダーの哀愁のスライドギター、 ニール・ヤングの魂のギターの音色、 https://youtu.be/Rm1JRPi8XKg そして、ボクシングといえば外せないこの曲、久石譲の『キッズ・リターン』のテーマが行間から流れては消えていった。 https://youtu.be/0WVhDXjzN1U 物語はシンプルだ。 プロボクサーを目指すものの いつもどこかが冷めてる主人公の青年秋吉(シューキチ)、 秋吉の友達のハルオ、 ハルオの彼女で、不治の病で入院中のとう子、 秋吉の恋人だが、夫子がいる夏澄(かすみ)、 秋吉のジムメイトで非凡なボクシングセンスを持つ梅生(うめお)の 5人の若者が織り成す、 夏から冬にかけての なんてことのない日常を描かれていく。 作者の町屋良平は劇的な出来事なんてなくても 当たり前に揺れ動く小さな感情を、 繊細に積み重ねていくから、 登場人物たちの生が鮮烈に浮かび上がってくる。 秋吉との濃密なキスのあと、 夏澄がコーラでうがいするシーンのリアリティに胸を衝かれ、 秋吉、ハルオ、とう子、梅生の4人であてもなくドライブした真夜中のピクニックに懐かしさを覚え、 (まるでジム・ジャームッシュの映画のようだ)、 秋吉と梅生のスパーリングシーンは 拳で語り合い通じ合う二人がうらやましかったし、 (梅生の言動や行動にホモセクシャルの匂いを感じたけど、果たして?) 夏澄の死を受けとめきれずに 息子の陽(よう)を抱き締め泣き崩れる秋吉のシーンのイノセンスが無性に身に染みた。 それにしても町屋良平は 言葉に対する感覚が非常に鋭い作家だと思う。 前述したようにひらがなを多用した一種独特な文体で決して読みやすいわけではないのだけれど、 ハッとするフレーズがところどころに散りばめられているので読みとばすことができない。 歩くのが困難な瓦礫の山の中を進んでいると あるハズのない宝石が突如として出現する感じ(笑) それに、ボクシングが文学と相性が良いことは古今東西様々な作家たちによって証明されてきたのだけれど、 町屋良平の身体性を言語に落とし込む才能には目を見張るものがある。 プロのボクサーだった僕からしても 嫉妬を覚えるくらい、 ボクサーにしか分からない感覚や思考のシステムを これ以上ないくらい上手く言語化していて なおかつ胸に迫ってくる。 今は朽ちないことや老いないことをよしとする風潮が主流だけど、 歳をとったり、朽ちていったり、 変わっていくことを怖れず書いている小説が僕は好きだ。 物語の終盤、失したものの大きさに 梅生と秋吉は打ちのめされ、 不変だと思っていた二人の世界も 変わることを余儀なくされる。 タイトルの『青』とは、 青い時、未熟な期間。 そして、『破れる』とは 弱い自分からの決別を意味してるのではないだろうか。 サムエル・ウルマンの『青春』という詩に こんな一節がある。 青春とは人生のある期間ではなく 心の持ち方を言う たくましい意志、豊かな想像力、 燃える情熱をさす 青春とは臆病さを退ける勇気、冒険心を意味する ときには20歳の青年よりも60歳の人に青春がある 年を重ねただけでは人は老いない 理想を失うとき初めて人は老いる (青春から抜粋) もし、作者の町屋良平が敢えて書かなかった 秋吉と梅生の最後のセリフがあるとすれば、 ベタだけど、コレ以外にはない気がする。 梅生「俺達もう終わっちゃったのかなぁ?」   秋吉『バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ…。』 とにもかくにも、今後が気になる作家である。

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2019/03/27

いつもつけっ放しにしている朝のラジオで聞いたのが始まりだった 文章の運びが新鮮で面白く 家事の手を休めて思わず聞き耳を立てた  賞をもらったので 一部 読まれたのかもしれない  短編集「青が破れる」 違った作風の3篇  1青が破れる 2脱皮ボーイ 3読書 1→2→3 と掲載順...

いつもつけっ放しにしている朝のラジオで聞いたのが始まりだった 文章の運びが新鮮で面白く 家事の手を休めて思わず聞き耳を立てた  賞をもらったので 一部 読まれたのかもしれない  短編集「青が破れる」 違った作風の3篇  1青が破れる 2脱皮ボーイ 3読書 1→2→3 と掲載順に作者の懲り様が濃密になり 作者の計画通りに引き込まれてしまった 次はどういう手を見せてくれるのか楽しみ  

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2018/07/13

面白く読んだ。ある種 青春小説と言ってよいのでしょうか。独特な言い回しや感覚や敢えて仮名遣いを多用したりと個性的な作品。同世代よりも振り返り世代の方が共感するかも知れないと感じた。好みは3編目の 読書 だけど殻の破り度合いはおとなしい。誤植が2つほどありましたね。 今35歳の会社...

面白く読んだ。ある種 青春小説と言ってよいのでしょうか。独特な言い回しや感覚や敢えて仮名遣いを多用したりと個性的な作品。同世代よりも振り返り世代の方が共感するかも知れないと感じた。好みは3編目の 読書 だけど殻の破り度合いはおとなしい。誤植が2つほどありましたね。 今35歳の会社員作家、それこそ今後どう脱皮するのでしょうか? ちょっと気になる作家でした♪

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