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非モテの品格 の商品レビュー

3.4

13件のお客様レビュー

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2022/03/16

『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』を読みながら、こちらも入手を決意。 赤裸々すぎて勢いよく飛ばして読んでしまった(汗) 「非モテ」にフォーカスして、「男らしさ」「自立」と「弱さ」「ケア」を脱構築している感じ。 後続書で語られている「まっとう」なスタンスの萌芽が見られ...

『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』を読みながら、こちらも入手を決意。 赤裸々すぎて勢いよく飛ばして読んでしまった(汗) 「非モテ」にフォーカスして、「男らしさ」「自立」と「弱さ」「ケア」を脱構築している感じ。 後続書で語られている「まっとう」なスタンスの萌芽が見られる。 読後はやはり、弱さを噛み締めながら、ボチボチやっていこうと思った(ざっくり)

Posted byブクログ

2022/03/14

「非モテ」という男性たちの悩みは、同情を受けにくい。日本社会が男性優位につくられているのは火を見るよりも明らかだし、中には女性たちに対して身勝手な要求や逆恨みを募らせるような有害なタイプもある。「勝手に悩んでろ」と上野千鶴子氏が乱暴に切り捨てるのも無理はないか。 だがフェミニスト...

「非モテ」という男性たちの悩みは、同情を受けにくい。日本社会が男性優位につくられているのは火を見るよりも明らかだし、中には女性たちに対して身勝手な要求や逆恨みを募らせるような有害なタイプもある。「勝手に悩んでろ」と上野千鶴子氏が乱暴に切り捨てるのも無理はないか。 だがフェミニストたちには、男性たちの自己嫌悪が見えていないと、著者は森岡正博の言を引きながら言う。たしかにそうかもしれない。高い自殺率にみられるように、男性たちが女性たちにくらべて、自分の弱さを認めにくく助けを求めにくいということはある程度知られており、だからそのような男らしさの縛りから抜け出そうと、メンズリブは言ってきた。 しかし著者が縷々述べる苦しみは、一般に流通した「非モテ」男性像をはるかに超えた深刻さを呈している。男である自分の容姿や性的身体を嫌い、抑圧的な社会集団の一員である自分を呪う。その自己否定は、「男になんて生まれてこなければよかった」と思ってしまったり、自分の子どもが「男でなければいい」と願ってしまうほどで、とても「勝手に悩んでろ」などとはいえない。 ウーマンリブは、男性中心社会において価値が低いものとされる女性性と女性としての自分にとことん向き合いもがくところから始まった。そうしてフェミニズムが解体してきたロマンチックラブイデオロギーやルッキズムという自縛装置に、むしろ男性たちがこれほど深く絡めとられているとはまったく予想外だった。 本書は、愛する女性パートナーと出会い子をもうけてもなお若い頃から苦しめられてきた「非モテ」という名の自己嫌悪から長く抜け出すことができなかったと告白する著者が、自己解放のために考え、同じ悩みを抱えた男性たちに向けて、他者や自分に攻撃を向けることなく、「弱く価値のない自分」に向き合おうと訴える。特に第1章は、引用されている漫画も含めて、かなり切実であり衝撃的でもあった。 一方でどのような男性たちが、なぜそのような隘路に陥ってしまうのか、他の男性性や女性性との関係といったことについては、あまり納得のいく分析は提示されていない。長いこと男性性と結び付けてこられた学業や社会的な達成、経済的自立が、新自由主義的な社会の中でますます競争的になり達成が難しくなっていくときに、「なにもない自分」を承認するという課題が、異性愛的なかたちでしか示されていないという問題が大きいと感じるが、別のアプローチで考えてみる必要がありそうだ。

Posted byブクログ

2022/01/12

男の弱さとは、自分の弱さを認められないこと。人文学的素養と自分を抉って書いている感じ。シスヘテロが融解していく快感。これはある意味ドMですね。

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2021/09/01

タイトルからモテや非モテについて客観的に研究した本を期待したが、そういう本ではなかった。 図書館で借りたが、予約数多数で順番が回ってくるまでに時間がかかった。本の汚れ具合から熱心に読まれた様子がうかがえる。求めていた内容ではなかったが、「非モテ」や「男にとっての『弱さ』」について...

タイトルからモテや非モテについて客観的に研究した本を期待したが、そういう本ではなかった。 図書館で借りたが、予約数多数で順番が回ってくるまでに時間がかかった。本の汚れ具合から熱心に読まれた様子がうかがえる。求めていた内容ではなかったが、「非モテ」や「男にとっての『弱さ』」についての本需要があることはわかった。

Posted byブクログ

2018/11/25

非モテとは何かを分析した一冊……かと思いきや、著者の自分語りが延々と続いて退屈だった。 特に最後の子供や仕事(障碍者ヘルパーだそうです)に絡めた話は、正直何が言いたいのかよくわからなかった。

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2017/05/17

途中からどんどんタイトルと内容とが離れていったような気がするのですけれども…ともかくまあ、現代社会というか、まあ昔の日本でも同様なんでしょうけれども、「男の子は弱音を吐いてはいけない」「強くあらねばならない」みたいな価値観のせいで男子は苦しんでいる! ということを主張したいみたい...

途中からどんどんタイトルと内容とが離れていったような気がするのですけれども…ともかくまあ、現代社会というか、まあ昔の日本でも同様なんでしょうけれども、「男の子は弱音を吐いてはいけない」「強くあらねばならない」みたいな価値観のせいで男子は苦しんでいる! ということを主張したいみたいなんですなぁ…著者は。 ヽ(・ω・)/ズコー うーん…僕はあまり「男の子なんだから泣くな!」的なことは言われずに育ったもんですから、どうにも違和感が拭えないんですなぁ…この点は。あ、でもやっぱり他人に泣き顔を見せるのは恥ずかしい…みたいな意識はあるのであるからして、じゃあ、やっぱり男の子は泣かないもんだ! みたいな感覚って口に出さないでも社会に蔓延しているのかもしれんですなぁ…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー なんか親書というか、著者の心情吐露…エッセイみたいな感じを受けましたねぇ…。著者は今もしているのかな、ともかく20代の頃から障碍者施設だっけな、とにかくそういったところで働いていたらしくて、その頃のエピソードを書いている部分があるんですけれども、そこは良かったですね! 男性論だかなんだか…大卒者が好みそうな話題(!)は結局のところ、よく分かりませんでした…悩まないでもいいところで悩んでいるのだな、と…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー

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2017/02/06

ドクタードロップアウト組の障害者ヘルパー兼ライターの著者が、世間に要求される男性性に無意識のうちに悩む一般男性の苦しみを自虐的とも言えるほど自分に思いっきり引きつけて述べる。新書としては類書が思い当たらない、パーソナルな本だが、最後は意外にうまく結局ふれあいは大事なんだという事で...

ドクタードロップアウト組の障害者ヘルパー兼ライターの著者が、世間に要求される男性性に無意識のうちに悩む一般男性の苦しみを自虐的とも言えるほど自分に思いっきり引きつけて述べる。新書としては類書が思い当たらない、パーソナルな本だが、最後は意外にうまく結局ふれあいは大事なんだという事で一般化できている。

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2022/06/01

騙された! タイトルに! 完全にサブタイトルが中身を表している。そりゃあ、非モテということが男性(の弱さ)問題である、ということも主張しているが、根本は男性弱者について、だ。 男が自己を愛せずプライドを大事にし、でも弱っていっているのは理解できる。この辺は普通といえば普通だ。...

騙された! タイトルに! 完全にサブタイトルが中身を表している。そりゃあ、非モテということが男性(の弱さ)問題である、ということも主張しているが、根本は男性弱者について、だ。 男が自己を愛せずプライドを大事にし、でも弱っていっているのは理解できる。この辺は普通といえば普通だ。だが非モテがそのすべての根底にある、としたら。 非モテとは何か。いろんな女にちやほやされたい、エッチしたい、ができない、とか、自分の好きな一人の女から愛されないこと、このへんだろう、普通の人の想像する非モテは。 だが三つめの類型が存在する。性愛的挫折がトラウマ化し、あたかも人格の一部となって常日頃から非モテ意識に苦しめられ続ける状態、とある。 なにこれ苦しそう。 その非モテ意識は、たとえ結婚しようが子どもが生まれようが、男としての無感覚な満たされなさが残っていれば、引き続き苦しめられるというのだ。 どうだろう。いま、実は弱者だが人にいえない、という男性諸君。我々(あ、俺も入っちゃってる)の苦しさは、非モテによるもの、なのかもしれない。 こんな風に書くとトンデモ本に見えるかもしれない。ある意味トンデモ本かもしれない。だがしかし、妙にジェンダー意識がはっきりしてきたようでいて、男には随分役割を決めつけているこの社会において、非モテアプローチで問題を説く。これ大事。

Posted byブクログ

2016/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろおかしく「品格」について書いてあるかと思いポチったら、真面目な本だった。哲学的な話から、介護の現場なども含まれ、著者の経験が中心。「非モテ」について面白かったのは2章かな。

Posted byブクログ

2016/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 たとえ誰からも愛されなくても、前を向いて生きていく。(中略)悩んで、苦しんでいい。涙を流せずに泣いてもいい。だけど、それをこじらせすぎちゃいけない。他人をねたんでいいけど、恨むところまではいかない、そんな曖昧な場所にどうか踏みとどまってほしい。(補論1より)  皆さんも、知的障害者や自閉症の当事者と、街中や電車の中で遭遇する機会が増えたのではないか。  もちろん、今もまだ、そこには様々な軋轢やトラブルもあるだろう。最初はびっくりしたり、警戒したり、恐怖を感じたりすることもあるかもしれない。しかし、そうした何気ない日常の経験を日々積み重ねることによって、誰もが彼らの存在に少しずつ、意識の面でも身体の面でも、「馴れていく」はずだ。そのことに大切な意味がある。つまり、彼らが外出し、趣味のために遊ぶことが、そのまま、僕らの社会の厚みや懐の深さ、公共的な豊かさを増していくことなのである。(p.182)

Posted byブクログ