最後の医者は桜を見上げて君を想う の商品レビュー
選択
誰だって、いつか必ず死ぬ。あたりまえのことですが、改めて考えさせられました。 人それぞれ生き方が違うように、死に方も違う。だから、桐子先生の考え方、福原先生の考え方、どちらも正しいと思うし、どちらも間違っているとも思う。生まれてきた限り、どう死ぬかも一つの選択なのだな、と思いま...
誰だって、いつか必ず死ぬ。あたりまえのことですが、改めて考えさせられました。 人それぞれ生き方が違うように、死に方も違う。だから、桐子先生の考え方、福原先生の考え方、どちらも正しいと思うし、どちらも間違っているとも思う。生まれてきた限り、どう死ぬかも一つの選択なのだな、と思いました。ふだん、本を読んで泣くことはあまりありませんが、自然と涙が止まらなくなりました。続編も出版されているようなので、読んでみたいと思います。
ほっとけーき
医者の世界についての設定に無理があり、どうしても違和感を感じてしまったが、自分の生命に向き合おうとする人達の物語は胸を打ったし、両極端な二人の医師の考え方の違いも楽しめた
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この本は2人の対立する医師が登場します。一方は「死」を受け入れて生きる道もあると説き、もう一方は最後まで「生」を諦めない医師です。登場人物の「死」により「生きること、死ぬこと」とはなにかを考えらせられると同時に、「死とは身近なものだ」と実感させる物語です。 「死」はとても身近に...
この本は2人の対立する医師が登場します。一方は「死」を受け入れて生きる道もあると説き、もう一方は最後まで「生」を諦めない医師です。登場人物の「死」により「生きること、死ぬこと」とはなにかを考えらせられると同時に、「死とは身近なものだ」と実感させる物語です。 「死」はとても身近に感じられるものだというのを再認識できる本なので是非見てください。【相馬高校】
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完治することが不可能な病気を患った場合、つらくても治療を続けるのか、緩和ケアに切り替えるのか、とても難しい問題だと思います。 私個人としては、苦しみ続けるよりも残りの人生をその人らしく生きる道がいいのではと漠然と思ってきました。 ただ、それはあくまである程度人生を長く過ごされた患...
完治することが不可能な病気を患った場合、つらくても治療を続けるのか、緩和ケアに切り替えるのか、とても難しい問題だと思います。 私個人としては、苦しみ続けるよりも残りの人生をその人らしく生きる道がいいのではと漠然と思ってきました。 ただ、それはあくまである程度人生を長く過ごされた患者さんを想定していたのだなと今回気が付きました。 新婚で奥さんが妊娠中の会社員。 3浪してやっと医学部に合格したばかりの大学生。 たくさんの患者を救おうとしている医師。 病気は人を選ばないとはいえ、この人たちの状況、心境を想像すると、簡単に緩和ケアがいいのでは、なんて思えない。 彼らが何を思い何を選択していくのか、その葛藤がとてもリアルで胸が痛くなりました。 自分ならどうするか、考えても考えても答えは出てこない。 家族の立場になっても答えは出ない。 涙が止まらない作品でした。
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医療を諦めた今でも忘れられない作品です。命に対する選択というのはある日突然やってきてしまいます。明日があるとは限らないのは、健康な人も病が命を蝕んでいる人も変わらないのに、当たり前の明日を信じています。きっとそれは必ずしも悪いことではない。でも、自分らしい戦い方を自分で選びたいで...
医療を諦めた今でも忘れられない作品です。命に対する選択というのはある日突然やってきてしまいます。明日があるとは限らないのは、健康な人も病が命を蝕んでいる人も変わらないのに、当たり前の明日を信じています。きっとそれは必ずしも悪いことではない。でも、自分らしい戦い方を自分で選びたいです、わたしの人生だから
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とても素敵な作品でした。医療ものは初めて読んだのですが、本当に辛い現場だなと思います。 正直、心が元気な時でないとかなり凹みますし、引きずります。まだ心に針が引っかかって取れない感じがしています……。 私も、もう少し大事に生きていこうと思いました。
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初読みの作者さん。フォローしている方のレビューで時折見かけ★も4を超えているのでちょっと気になっていたが、ブックオフの110円の棚で見つけたので買ってきた。 命に限りがある患者に対して、奇跡を信じ諦めず病魔と闘うことを願う福原、無理に延命治療を行わずに自分らしく余命を過ごすこと...
初読みの作者さん。フォローしている方のレビューで時折見かけ★も4を超えているのでちょっと気になっていたが、ブックオフの110円の棚で見つけたので買ってきた。 命に限りがある患者に対して、奇跡を信じ諦めず病魔と闘うことを願う福原、無理に延命治療を行わずに自分らしく余命を過ごすことを勧める桐子、二人ほどの信念はないが患者と一緒に悩み迷い寄り添う音山。同じ医大に通い、ともに今の病院に入った同期三人の医師のお話。 自分にとって“満足した死”とはどういうものかということについて考えさせられる。 どの選択も確率で突きつけられ、いくつもの確立をかいくぐってもその先に“生”があるかは不透明な中で、自分がその立場になった時、病気に冒された心身でまともな決断が出来るのだろうかと思わされた。 桐子が白血病患者の患者に発した『どこまでだったら、自分の命の対価に差し出せますか』という問いは果てしなく重いが、自分として何を一番大事に思うかということについて、日頃から、自分のことだけでなく自分の周りの人のことも含めて考えていなければならないな。 それにしても、ここに描かれている治療のあり様や闘病の姿のなんと壮絶なこと。安らかに逝くということはどれだけ難しいのだろうと思わされ、健康に気をつけて病気にならずにゆっくりと衰えていきたいものだと改めて気を引き締める。 異なる考えを持った福原と桐子だったが、その信念に基づき患者に向き合う姿は良心的で、音山を挟んでそれぞれの信念に揺らぎを見せながら医者として持つべき視点に気がついていく描かれ方も良かった。
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この物語では3人の人が亡くなります。会社員と医学生と医者。それぞれにはそれぞれの事情があって、死ぬわけにはいかない。そもそも、誰にも事情はあって、死にたくないですよね。でも、突然病気に襲われて死んでしまいます。 1人目の会社員は、大切なプレゼンを控えていて、プレゼン当日に検...
この物語では3人の人が亡くなります。会社員と医学生と医者。それぞれにはそれぞれの事情があって、死ぬわけにはいかない。そもそも、誰にも事情はあって、死にたくないですよね。でも、突然病気に襲われて死んでしまいます。 1人目の会社員は、大切なプレゼンを控えていて、プレゼン当日に検査を受けると白血病と診断され、その日から入院を余儀なくされます。その会社員には妊婦である奥さんもいて、これから生まれてくる長男のためにどうしても生きたい。 2人目の医学生は、3浪してやっと合格した医大に入学。でも、その頃から体に異変が起こります。病名は筋萎縮性側索硬化症。今の科学でも原因不明の治らない病気とされる難病です。 3人目の医者は、2人目の患者の主治医。医者は両親が亡くなり、祖母に育てられ、毎週祖母に電話して声を聴かせている。祖母は医者からの電話を何より楽しみにしている。喉に癌が広がっていて、他にも転移していた。あとが短い祖母よりも長く生きたい。そして最後まで声を聴かせたい。 この病院には、福原、桐子、音山という同期の3人が在籍していて、考え方はバラバラ。でも、この個性豊かな3人は、自分の信念に基づいて行動している。 どんな患者でも、何としてでも助けるという強い意思を持つ福原。 完治しない患者には辛い延命治療を推奨せずに、残りの大切な時間を自分らしく生きることを進める桐子。 優柔不断だが、患者に寄り添い、患者と一緒に最善の道を探そうとする音山。 私なら誰に診てもらいたいだろう。自分の身内であったり大切な人だったら、間違いなく福原に診てもらいたいが、私が診てもらうなら桐子か音山かなぁ。 最後に福原がとった行動には拍手を送りたい。
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あなたへのおすすめ、として著者の別の本が出てきて、同じ著者の文庫本の中から最高スコアの本、ということで選んで読んでみた。 三つのお話の中では、最初の「とある会社員の死」が一番自分の立場に近いので、その、あまりに壮絶な死に様に、涙なくしては読めなかった。急性骨髄性白血病となり、産...
あなたへのおすすめ、として著者の別の本が出てきて、同じ著者の文庫本の中から最高スコアの本、ということで選んで読んでみた。 三つのお話の中では、最初の「とある会社員の死」が一番自分の立場に近いので、その、あまりに壮絶な死に様に、涙なくしては読めなかった。急性骨髄性白血病となり、産まれくる我が子に会うことなく、新妻に我が子を託して、父は懸命に戦ったと我が子に伝えるように頼む遺書を、本人の絶命直前に妻が読んで絶叫する場面は、とてもこたえた。 ひとの生き死には病院の中の閉じた世界で起きることが常態化したとはいえ、その中で生きてきる医者・看護師にとっては、死は日常であり、その中で麻痺してしまった方がよほど楽な筈なのに、真摯に死に向き合う物語。
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命とは 生きるとは 死ぬとは 「死」を受け入れ残りの日々を大切に生きる道を説く医者桐子 奇跡を信じて最期まで治療の余地を探り「生」を諦めない医者福原 描かれる患者側の気持ち、医者側の気持ち 何を大切にし軸にするのかは人それぞれ 選択って難しい 章名の通り、死からは逃れら...
命とは 生きるとは 死ぬとは 「死」を受け入れ残りの日々を大切に生きる道を説く医者桐子 奇跡を信じて最期まで治療の余地を探り「生」を諦めない医者福原 描かれる患者側の気持ち、医者側の気持ち 何を大切にし軸にするのかは人それぞれ 選択って難しい 章名の通り、死からは逃れられない状況で 圧倒的な苦しさや悲しさの中にもその選択には微かな希望や温かさもあって 感情を揺さぶられる作品だった
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