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限りなく完璧に近い人々 の商品レビュー

3.5

25件のお客様レビュー

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2019/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者は英国人で、「世界幸福度レポート」で首位に輝くデンマークに住んでいる。そしてレポートの結果が何かの間違いなのではないかと思っているようだ。少なくとも、著者が知っている北欧は世間のイメージと違うと感じている。このギャップをうめるべく北欧の5か国を旅して書かれたのが本書だ。そこには北欧の「本当の」姿があますところなく示されている。 日本でも、北欧(デンマーク、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン)では質の高い生活を楽しむことができる、というイメージを持っている人は多いだろう。北欧は税金がべらぼうに高いことでも有名だが、その高い税金が高福祉国家を支えており、そういった社会の仕組みに北欧の人びとはとても満足している。これが典型的な北欧観だ。けれども本書を読むと、事はそんなに単純な話ではなさそうだ。例えば、デンマークでは手厚いセーフティネットが(高額の失業手当など)が人びとの働く意欲をそいでいる。また、オイルマネーで潤うノルウェーでは労働年齢にある国民の3分の1が働いていないという。生産性が低いのだ。 北欧は民族や文化といった点で同質性の高い地域である。同質性には利点だけでなく欠点もあって、例えば移民に対する反感が生まれやすかったり、独創性を生む土壌ができにくかったりする。そして摩擦を避けようとする結果として全体主義におちいってしまう。これはスウェーデンの特徴のひとつであるらしい。 ところでスウェーデンについて書かれた章には、「スウェーデン人は、自分たちの礼儀正しさを自慢するが、彼らの礼儀作法は、洗練された教養から生まれたものとはほど遠く、退屈な形式と儀式の寄せ集めに過ぎない」という引用がある。どうやらスウェーデン人は日本人とよく似ているようだ。スウェーデン人は「ほかの人とエレベーターに一緒に乗るのを避け」、「知らない人とどう口をきいたらよいか、わからない」らしい。 本書を読んでいるとき、著者の視点が偏っていると感じたことは何度もあった。それでも、そもそも「奇跡の北欧」というイメージ自体がだいぶ偏っていることに気づかせてくれるという意味で、本書を読んでみる価値はあるだろう。ただし、(意図的であるだろう)バランスの悪さを措くとしても、分析が表面的でしかないという印象は否めない。

Posted byブクログ

2019/02/24

信頼と団結力に多様性を混ぜ込むとバランス難しそうだなあ、と。幸福は主観で相対的。幸福は、そうなろうってよりも、あなたにとってのそれは何?の方がよさそう。”外で失ったものは内で見つかる” のことばは拠り所にもなるし、自戒にもなる。いくつか新しい言葉を覚えたけど、集中が切れてだいぶ読...

信頼と団結力に多様性を混ぜ込むとバランス難しそうだなあ、と。幸福は主観で相対的。幸福は、そうなろうってよりも、あなたにとってのそれは何?の方がよさそう。”外で失ったものは内で見つかる” のことばは拠り所にもなるし、自戒にもなる。いくつか新しい言葉を覚えたけど、集中が切れてだいぶ読み飛ばしてしまった

Posted byブクログ

2018/11/12

アイスランドを含む北欧5カ国の話し。人々の暮らしの中に入り込み、良い点というよりも、わざと悪い点をえぐり出そうとしている。デンマークで闇市場で買い物したことある人がほとんどというのが結構衝撃だった。ある意味管理社会・高福祉・税金が高い社会のガス抜き的なところがあるのだろう。フィン...

アイスランドを含む北欧5カ国の話し。人々の暮らしの中に入り込み、良い点というよりも、わざと悪い点をえぐり出そうとしている。デンマークで闇市場で買い物したことある人がほとんどというのが結構衝撃だった。ある意味管理社会・高福祉・税金が高い社会のガス抜き的なところがあるのだろう。フィンランドのサウナと酒癖?の話も興味深かった。 ちょっと分厚いが、憧れの北欧を違った視点から見ることができる書と思った。

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2018/04/18

読み始め!「はじめに」を読んでもう終了することにする。つまらないわけではない。さすがマイケル・ブースさん!文章が面白い!読んでいて飽きない! た だ し、なんせページ数が多い!はじめに、が終われば、デンマークの章…ノルウェーの章…スウェーデンの章…一体何ページあるんだ…!!! 北...

読み始め!「はじめに」を読んでもう終了することにする。つまらないわけではない。さすがマイケル・ブースさん!文章が面白い!読んでいて飽きない! た だ し、なんせページ数が多い!はじめに、が終われば、デンマークの章…ノルウェーの章…スウェーデンの章…一体何ページあるんだ…!!! 北欧に興味が湧いて、北欧のこと知りたい!!となった時に再び読もうと思う。 ただ、「はじめに」にあったが、「北欧の暮らし」「福祉大国」「マリメッコ」「のんびり」「あくせくしない」「自然と共存」「幸福度」なんて魅力的な言葉が並ぶ北欧を、魅力的な言葉のまま鵜呑みにしていたが、実は天気はどんよりだし、国民は普通に悪態つくし、食事は貧相だし、税金高くて住むのに不便だし…なんて、本当にそうなのか?素敵な言葉だらけの国ではないぞ!ということを考えることを与えてくれた本でした。 つくづく自分はメディアの言葉に騙されてるなあと思いました。

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2017/09/21
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結構理論的な部分が多い本で、気軽に読む本ではなくじっくりと腰据えて読むタイプの本。 訳は読みやすく内容も分かりやすい。 ななめ読みになってしまったが、北欧は北欧で色々あるということは何となくわかった。

Posted byブクログ

2017/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

書き口が面白いです。タイトルから想像していた内容と違い、絶賛するような内容というより事実を列挙しつつ手厳しく書いてある内容。 少々読みづらく飽きる部分もありました。 こういうった本を読む度、近代以降の日本の闇を感じてしまいます。 日本は裕福な国であるはずなのに、日本人の幸福度が低い。 江戸時代までは妖精の国と呼ばれ、清貧という言葉があったのに、 豊かになったはずが幸せだと思う人が少なくなった。 豊かさとは、幸せとはなにかと考えてしまいます。 北欧は一度も行ったことがないので、是非行ってみたいなと思います。

Posted byブクログ

2017/09/07

なんとなくリベラルでおしゃれでイケアで…じゃなくて、北欧の国々で実際に生きている人々や社会を、ちょっと毒のあるユーモア感覚で真剣に書いている本。 世界は興味深い人で満ちているわ。

Posted byブクログ

2017/07/23

北欧5ヶ国(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・アイスランド)について、おそれながら今まで少しごっちゃになっていた面が自分の中であったことを認識した次第。。それぞれの国の特徴を、ユーモアを交えて描いていて読みやすいです。(500ページもあるけど!) 昔、京成高砂あ...

北欧5ヶ国(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・アイスランド)について、おそれながら今まで少しごっちゃになっていた面が自分の中であったことを認識した次第。。それぞれの国の特徴を、ユーモアを交えて描いていて読みやすいです。(500ページもあるけど!) 昔、京成高砂あたりで話しかけられたスウェーデンの人(この本を読むと、話しかけてもらったことは奇跡に思えました。まぁそんな盛り上がった会話ではなかった気がしますが)に「スオミって言うんですっけ?」的な質問をして「それはフィンランド」とあっさり返された情けない思い出があるのですが、この本を読んでいればそんなコトにはならなかったに違いない。 日本では常々「北欧をお手本に」的なコトが言われていますが、この本を読んでみると、良い指標だけをつまみ食いせず、その背景に目を向けないといけないと思わされます。 例えば、女性の社会参加が進んでいるスウェーデン。出産後早くに子どもが託児所に預けられていることが、比較的少年の犯罪率・青年の軽犯罪率が高い理由の一部になっているのでは?と著者は問題を提起しています。 他にも、最も幸福度が高い国(デンマーク)や最も教育水準の高い国(フィンランド)も、それってどういうコトなの?的な探りを著者が入れているのが面白いところです。 北欧にも、日本の全体主義っぽい、忖度しちゃう国民性と一部似通った部分があるようで。成功した社会主義国なんて表現は日本だけだと思ってたのですが、スウェーデンもなかなかのものでした。 北欧への旅行前に読んでみるのも楽しいかも。ガイドブックよりも国民性について結構突っ込んだ感じなので望ましいふるまいの参考になるかと。(行くモチベーションに影響が出て旅行が中止にならないことを祈ります)

Posted byブクログ

2017/04/22

めちゃくちゃ長いです。北欧の歴史から政治、風習まで網羅してなぜそう完璧に思われるのかということをひたすら書かれています。 税率を高くして、公共系を充実させている国々だそうです

Posted byブクログ

2017/03/23

英国人目線で北欧のいい面、悪い面を整理した本。北欧の入門書として最適。サブタイトル「なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?」は 皮肉が含まれている気がする 重税&手厚い福祉により 国民間の経済的平等を目指す 北欧モデルが 日本の目指すべき幸福モデルかもしれないが、北欧それぞれの...

英国人目線で北欧のいい面、悪い面を整理した本。北欧の入門書として最適。サブタイトル「なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?」は 皮肉が含まれている気がする 重税&手厚い福祉により 国民間の経済的平等を目指す 北欧モデルが 日本の目指すべき幸福モデルかもしれないが、北欧それぞれの国に 問題があり、日本の方が バランス いい と思った

Posted byブクログ