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また、桜の国で の商品レビュー

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102件のお客様レビュー

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2025/02/03

私が今所属しているコミュニティに中国から来た留学生くんが居て、短いあいだ雑談できる機会があったので中国の歴史の授業で最重要視されている事件は何かと聞いてみたら南京大虐殺だと答えてくれた。日本の歴史の授業では南京事件、と教わる日本兵が数ヶ月にわたって30万人の中国人を虐殺した事件...

私が今所属しているコミュニティに中国から来た留学生くんが居て、短いあいだ雑談できる機会があったので中国の歴史の授業で最重要視されている事件は何かと聞いてみたら南京大虐殺だと答えてくれた。日本の歴史の授業では南京事件、と教わる日本兵が数ヶ月にわたって30万人の中国人を虐殺した事件だった。また、日本で戦争の話はしないようにしている、と言っていて、異国の地で生活する中での苦労と配慮が伺えた。 敗戦国側の歴史は異国の地では語られない。ただその国は失われた兵士や市民の命の重みを忘れることがないように、自国の中でその歴史を語り継ぐのだと思う。私達は真実を知るために、敬意と配慮を持ってそれらに向き合っていかなくてはいけないのだと思った。

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2024/06/06

第二次世界大戦。 ナチス・ドイツの蹂躙。 その時ポーランドでは何が起こったか… 国同士での争いとは別に育まれる友情… 国同士での争いに揺れる友情… 日本の外交書記官を絡ませて描かれた物語。 まだまだ知らない事がたくさんある。 理解を深めたい、想像力を養いたい。 読書で疑似体験。...

第二次世界大戦。 ナチス・ドイツの蹂躙。 その時ポーランドでは何が起こったか… 国同士での争いとは別に育まれる友情… 国同士での争いに揺れる友情… 日本の外交書記官を絡ませて描かれた物語。 まだまだ知らない事がたくさんある。 理解を深めたい、想像力を養いたい。 読書で疑似体験。 学ぼう、考えよう。

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2024/03/01

ポーランドに連れて行ってほしいと思って読みはじめた。戦争の時に連れて行かれて、頭が疲れるほど、答えのでないことを考えた。読んで良かった。 後半、たたみかけるような進み方は心を掴んで本から離れられなくなる。『革命前夜』の時も。 人としての痛みを知るからこそ、同情でない形で人に寄...

ポーランドに連れて行ってほしいと思って読みはじめた。戦争の時に連れて行かれて、頭が疲れるほど、答えのでないことを考えた。読んで良かった。 後半、たたみかけるような進み方は心を掴んで本から離れられなくなる。『革命前夜』の時も。 人としての痛みを知るからこそ、同情でない形で人に寄り添えるのだなと感じた。

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2024/01/19

ウクライナを思った。 他国をたいらげる相手としか見ない大国の傲慢を思った。海がなければ同じようにたいらげられる可能性が高い自分の国を思った。その場においてはきっと見て見ぬ振りをしてしまうだろう惨めな自分を思った。 「人が人としての良心や信念に従ってしたことは、必ず相手の中に残...

ウクライナを思った。 他国をたいらげる相手としか見ない大国の傲慢を思った。海がなければ同じようにたいらげられる可能性が高い自分の国を思った。その場においてはきっと見て見ぬ振りをしてしまうだろう惨めな自分を思った。 「人が人としての良心や信念に従ってしたことは、必ず相手の中に残って、倍になって戻ってくる」 そんな素敵な関係が続けていければいいのに。

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2024/01/19

 長編で、歴史が苦手な私には難しそうだとなかなか手が出なかったこの本、読み出せば直ぐに夢中になり、あっという間だった。 学校の歴史の時間にその言葉が出てきたとだけは覚えている「ワルシャワ蜂起」。このワードにこんな大切な深い事実があったとは…。何も知らずにいたことに唖然とした。 ...

 長編で、歴史が苦手な私には難しそうだとなかなか手が出なかったこの本、読み出せば直ぐに夢中になり、あっという間だった。 学校の歴史の時間にその言葉が出てきたとだけは覚えている「ワルシャワ蜂起」。このワードにこんな大切な深い事実があったとは…。何も知らずにいたことに唖然とした。 そして、よく耳にするショパンの『革命のエチュード』。ショパンがポーランドの人々にとってどれほど大切なのかも知ることができた。 自国を、そして、外国を、今まで知らなかった歴史を少し知るだけでも見る目が、想いが変わってくる。ガラッと変わる価値観に、少し恐怖も感じる。それにしてもなんと上っ面の雰囲気だけで外国を見て、そして、生きてきたのだろうと情けなくなる。 外交官の仕事や使命も学べた。 一人一人の人間が、例え誠実で思いやりがあるものでも、国など、より大きなものに取り入れられると、跡形もなく消えてしまう。それは、日常、私たちが生活で経験する、会社だったり、学校だったり、その他諸々でも同じ。小さな単位だと家族もかもしれない。 この物語は、それを消しさらず、一人一人が行った真心ある行動を残して伝える大切さを教えてくれる。 読んで良かった。自国のことも、もっと知らなければいけないと痛感した。この本を読んで私が抱いた外国への憎悪や嫌悪と似たものを、日本にも向けられている事実が沢山あるだろうから。 [国を愛する心は、上から植え付けられるものでは断じてない。まして、他国や他の民族への憎悪を糧に培われるものであってはならない] という言葉が、強く心に残っている。 備忘録として… ○人が、人としての両親や信念に従ってした事は、必ず相手の中に残って、倍になって戻ってくるんだ。… 僕たちは立場上、どうしても自国にとっての損得で行動を考えがちだが、あの時の子供たちの笑顔思い出すたびに、外交の本質はあそこにあるんじゃないかと思い直すんだ。(外交官織田の言葉) ○おまえがポーランドから見る世界は、過酷かもしれないが、きっと美しい。(棚倉慎の父の言葉) ○国を愛する心は、上から植え付けられるものでは断じてない。まして、他国や他の民族への憎悪を糧に培われるものであってはならない。人が持つあらゆる善き感情と同じように、思いやることから始まるのだ。そして、信頼と尊敬で、培われていくものなのだ。 ○この戦いは、君たちの復讐心を満たすためでも、君たちが英雄になるためのものでもない。戦闘は無残なものだ。理念がどれほど崇高であろうが、実現するための戦闘は、ただただ残酷だ。そして、戦うことのみに、意味を見出すようになったら、それはもう破綻しているのだ。我々は常に、戦闘が終結した後のことを考えて行動しなければならない。君たちは自由のために見事に散るためにいるのではない。美しい最期を望むようになったら、それはもう、理想そのものを自ら投げ捨てたのと同じことなのだ。( ワルシャワ蜂起軍幹部イエジの言葉)

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2023/12/31

読んでいて胸が苦しくなる、訴えかけてくるものがあった。 教科書には「ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まる」としか記載されていない。その一文の後ろには夥しい数の犠牲と苦しみと怒りと叫びがあったんだろうと思わせる作品だった。 スラブ系の日本人外交官 ドイツ生まれのユダ...

読んでいて胸が苦しくなる、訴えかけてくるものがあった。 教科書には「ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まる」としか記載されていない。その一文の後ろには夥しい数の犠牲と苦しみと怒りと叫びがあったんだろうと思わせる作品だった。 スラブ系の日本人外交官 ドイツ生まれのユダヤ人 アメリカ国籍のポーランド人 その3人が織りなす物語だからこそ、民族とは、国籍とは、外交とはと深く考えさせられた。 外交とは人を信じるところから始まる。誰かに与えた無償の愛は必ず倍になって帰ってくる。 その信念のもと駆け抜ける日本人外交官の真っ直ぐなストーリーです。

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2023/10/20

「ポーランド侵攻」「ポーランド分割」「ワルシャワ蜂起」ー世界史では馴染みのある言葉だったが、本作によってその実態を知り戦慄を覚えた。 教科書では単なる1ページだが、そこには当然その時代に生きた人々のリアルがある。それが“地獄”と呼ばざるを得ないものであったとしても、語り継がねばな...

「ポーランド侵攻」「ポーランド分割」「ワルシャワ蜂起」ー世界史では馴染みのある言葉だったが、本作によってその実態を知り戦慄を覚えた。 教科書では単なる1ページだが、そこには当然その時代に生きた人々のリアルがある。それが“地獄”と呼ばざるを得ないものであったとしても、語り継がねばならぬことがある。そう感じさせる作品だった。

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2022/11/19

まるで当時のワルシャワにいたかのように錯覚させるほとの臨場感をもった文体は見事というほかありません。慎の苦悩、ヤンとレイとの運命の出会い。ポーランドの人々がこんなにも辛い歴史を生きてきたのだということを初めて知りました。人と人とが信頼し合うことが外交の一歩であるという言葉は、現代...

まるで当時のワルシャワにいたかのように錯覚させるほとの臨場感をもった文体は見事というほかありません。慎の苦悩、ヤンとレイとの運命の出会い。ポーランドの人々がこんなにも辛い歴史を生きてきたのだということを初めて知りました。人と人とが信頼し合うことが外交の一歩であるという言葉は、現代にも通じます。この世界から戦争がなくなること、平和に生きられることに改めて感謝の気持ちをもちました。

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2022/10/22

ポーランドという国に対しての自分の知識の無さに打ちのめされました。。 現実で起こった悲惨な現実... 映像では耐え難いが、この作品の文章は心にスッと入ってきて涙が溢れました。 もう一度読みたい作品です。

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2022/10/10

今この時に読むからか、ぐさりと胸に刺さる。 戦争とは、外交とは、国家とは、人とは。 あまりに埒外な(と自分が思う)事態が起きたときにフィクションだと思ってしまうというのは、自分の体験としてうなずけて、それがかえってつらかったです。

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