シベリア出兵 の商品レビュー
歴史においてあまりクローズアップされないシベリア出兵ですが、実は後の第二次世界大戦にもつながっていく非常に重要な出来事でありました。 共産主義のソヴィエトを警戒する意図だけではなく、欧米諸国からの圧力、そして第一次世界大戦の分け前を得るために欧米諸国にアピールしなければならなかっ...
歴史においてあまりクローズアップされないシベリア出兵ですが、実は後の第二次世界大戦にもつながっていく非常に重要な出来事でありました。 共産主義のソヴィエトを警戒する意図だけではなく、欧米諸国からの圧力、そして第一次世界大戦の分け前を得るために欧米諸国にアピールしなければならなかった背景など、この本を読んでいると知らなかった意外な発見に驚くことが多々あります。 シベリア出兵は日本の歴史を考える上で実は大きな意味を持った事件だったということをこの本では感じさせられました。
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シベリア出兵についてあまり書かれていないとあとがきでは述べられていたが、その後結構書かれていると思われる。朝日新聞で紹介されていた本である。 歴史というよりも日本のシベリア出兵における政治史であるというのは、原敬日記をもとにしているのからかもしれない。 歴史の教科書に書かれて...
シベリア出兵についてあまり書かれていないとあとがきでは述べられていたが、その後結構書かれていると思われる。朝日新聞で紹介されていた本である。 歴史というよりも日本のシベリア出兵における政治史であるというのは、原敬日記をもとにしているのからかもしれない。 歴史の教科書に書かれていない詳細な記述であった。
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日本でもあまり知られていないシベリア出兵について解説を入れて、時系列に何があったかが記載されている。日本の中ににも出兵の機運や、領土的野心があったことは確かで、しかしさまざまな意見があるなかで強行的なものが採用されたということなのだろう。現代の日本からは信じられないが、沿海州に親...
日本でもあまり知られていないシベリア出兵について解説を入れて、時系列に何があったかが記載されている。日本の中ににも出兵の機運や、領土的野心があったことは確かで、しかしさまざまな意見があるなかで強行的なものが採用されたということなのだろう。現代の日本からは信じられないが、沿海州に親日国家を作るという構想もあり、しかし、これが戦略的には通常なのだとも気づく。翻って、この動きが米国の警戒感を引き起こしたことも述べられている。今考えれば、この時、こうしていればと思いを巡らせてしまうが、その時々にはベストと思われる判断(もしくはそれに近い判断)だったのだろうと思う。知らなかったことを知ることができるという意味だけでも、本書は有意義と思う。
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日本は第一次世界大戦にロシア属する連合国陣営としてドイツに宣戦布告して参戦。露と親密となる。戦中ロシア革命成る。レーニンは穀物地帯ウクライナ独立を承認するなどして独と講和。戦線離脱する。独は英仏との西部戦線に専念。英仏はソ連を再戦させることで独の戦力削りを画策、日米にシベリア出兵...
日本は第一次世界大戦にロシア属する連合国陣営としてドイツに宣戦布告して参戦。露と親密となる。戦中ロシア革命成る。レーニンは穀物地帯ウクライナ独立を承認するなどして独と講和。戦線離脱する。独は英仏との西部戦線に専念。英仏はソ連を再戦させることで独の戦力削りを画策、日米にシベリア出兵を促す。元老筆頭山縣は出兵反対。刀はどうして鞘に収めるか考えた後でなければ柄に手をかけるものではないとした。田中義一率いる陸軍参謀本部は出兵に積極。米から共同出兵要請により慎重論は吹き飛び出兵。名目はチェコ軍団救出。参謀本部は米との出兵数・地域を無視。原首相は兵力削減に努力。 ww1終結後も出兵は続く。背景にはシベリア支配、北洋漁業利権への野心があった。各国が撤兵する中現地軍はウラジオ沿海を制圧。原首相の撤兵行こうとそぐわない行動にでる。日本人虐殺事件や戦死者の多さから世論は撤兵。原は暗殺され山形は死去田中は陸相を辞任し大正天皇は病気、シベリア出兵、大正時代が曲がり角を迎える。露反革命派の敗北が決定的となり加藤内閣は撤兵。日本が南サハリン領有と北サハリン開発利権を保持しソ連と講和、国交樹立となる。共産主義への警戒心から治安維持法が制定される。 戦死者たちへの土産を獲得するまでは撤兵できないという考えが7年もの長期出兵の原因である。得たものは北樺太権益であったが、結局ソ連の圧力がかかりさしたる利益はなかった。
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第1次世界大戦末期以降、ロシア革命後のシベリアへ、チェコ軍救済のため欧米各国が連合し出兵した。 その中で日本が突出して多くの兵を送り、この地域への影響力を強めようとした。名目は居留民の保護、利権獲得のため。 日本の歴史教科書では、簡単な記述だけで詳しく触れられることはないが、この...
第1次世界大戦末期以降、ロシア革命後のシベリアへ、チェコ軍救済のため欧米各国が連合し出兵した。 その中で日本が突出して多くの兵を送り、この地域への影響力を強めようとした。名目は居留民の保護、利権獲得のため。 日本の歴史教科書では、簡単な記述だけで詳しく触れられることはないが、この出兵は7年間に及び色々な事件も発生しており、決して忘れてはいけない戦争だった。 正直なところ、シベリア出兵と言われても全くピンとこなかった。 学校では年号と項目を習っただけで、昭和初期の日本の近代史の詳細はほとんど教えてもらえない。だからこの本を読んで日本軍がシベリアのバイカル湖付近まで出兵していたことに大変驚いた。 領土や利権獲得の野心で各国が色々な思想を持って干渉していた時代だから、ロシア革命のどさくさに紛れて、日本も領土を獲得したかったのだろう。 バイカル湖〜シベリア沿海州には、政権を取って独立を目指すロシア人の動きがいくつもあったようだ。 もし実現していたら、極東の今はもっと複雑な地域になっていたかもしれない。
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第二次世界大戦より前に日本が戦った戦争についての知識を得る一環で読んだ一冊。 チェコ軍団救出が名目だったというのは歴史の教科書に少し載っていたけど、第一次世界大戦中のロシア革命と対ドイツ東部戦線維持の関係から英仏の思惑や内戦状態のロシア・ソ連の複雑な状況も知ることが出来て満足のい...
第二次世界大戦より前に日本が戦った戦争についての知識を得る一環で読んだ一冊。 チェコ軍団救出が名目だったというのは歴史の教科書に少し載っていたけど、第一次世界大戦中のロシア革命と対ドイツ東部戦線維持の関係から英仏の思惑や内戦状態のロシア・ソ連の複雑な状況も知ることが出来て満足のいく一冊でした。
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シベリア出兵のために米騒動が起き、寺内内閣が倒れたという程度の知識しかなかった。もちろん悲劇を伴う侵略なのだけれども、イルクーツクまで日本軍が侵攻したというのは興奮せずにはいられない。凄まじい外交戦は今の日本にできるのだろうか。
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第一次大戦末期、ロシア革命がおこり、ソ連が成立。英仏はドイツを挟み撃ちにするための同盟国が消滅することに衝撃を受け、共産党打倒のため米国、中国、日本にシベリア出兵を要請。各国はそれぞれの思惑でけん制しあいながらも「多国籍軍」として出撃していく。 各国がせいぜい数百人の形式的な派...
第一次大戦末期、ロシア革命がおこり、ソ連が成立。英仏はドイツを挟み撃ちにするための同盟国が消滅することに衝撃を受け、共産党打倒のため米国、中国、日本にシベリア出兵を要請。各国はそれぞれの思惑でけん制しあいながらも「多国籍軍」として出撃していく。 各国がせいぜい数百人の形式的な派遣だったなか、数万の大軍を何年も駐留させたのは日本。サハリンの石油、シベリア鉄道などの権益がねらいであった。もちろん、革命のどさくさの中でニコラエフスクの在留日本人が虐殺され、邦人保護の世論が高まったことも忘れてはならない。革命直後のロシアは無政府状態だったのだ。同時に、日本軍がパルチザンが隠れていると疑われる村を「膺懲」すると称して焼き討ちにした事実も忘れてはならない(この行為は当時の我が国帝国議会でも問題になった)。 始めることは簡単だが終わらせることは難しい、この経験を全く生かせないまま日本はその数年後に満州事変に突入していくことになる・・・。
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なぜシベリア出兵という過ちを犯したのか、という疑問があったので読んでみた。 本書によると、出兵そのものよりもその規模や展開地域、とくに撤退するタイミングの、いわゆる出口戦略に大きな問題があったようだ。 これまでの派兵そのものを問題視するという単純な捉え方が改まった気がする。 ...
なぜシベリア出兵という過ちを犯したのか、という疑問があったので読んでみた。 本書によると、出兵そのものよりもその規模や展開地域、とくに撤退するタイミングの、いわゆる出口戦略に大きな問題があったようだ。 これまでの派兵そのものを問題視するという単純な捉え方が改まった気がする。 目の前の利益を捨てる、いわゆる損切りというリスクをとることができないという点で、当時の日本政府の対応に大きな問題があったように感じた。 くわえて優先順位のつけ方も甘い。本書では政府と軍部の間での優先順位の相違、また個人ごとの考え方の違いなどの詳細や、小さな出来事(日本陸軍とチェコ軍との交戦など)も描かれていて、知らなかった事実をよく知ることができてよかった。 思うにアメリカとの共同派兵での約束事をなし崩し的に反故にしたところはかなりまずい。このリスクをきちんと捉えきれていなかったというのは残念に思う。
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[七年の逡巡]日本史の教科書でもちょこっとしか取り上げられないシベリア出兵。七年に及んだこの出兵の背景を分析するとともに,それが国際政治に与えた少なくない影響について考察した作品です。著者は,1980年生まれの新進気鋭の日中露関係史研究者である麻田雅文。 目の付け所だけですで...
[七年の逡巡]日本史の教科書でもちょこっとしか取り上げられないシベリア出兵。七年に及んだこの出兵の背景を分析するとともに,それが国際政治に与えた少なくない影響について考察した作品です。著者は,1980年生まれの新進気鋭の日中露関係史研究者である麻田雅文。 目の付け所だけですでに満点を叩き出したくなる一冊なんですが,その内容の濃密さ故に大絶賛を惜しみなく与えたくなる作品でした。読み進めるほどに「え,こんなことがあったのか」と驚かされる事実を次から次へと紹介してくれており,日本近代史に興味のある方はもちろん,国際政治に興味を持つ方にも強くオススメしたい一冊です。 〜開戦の決断は華やかで,勇ましい。その結果が戦勝であればまだしも,得ることもなく戦争を終わらせる責任を負うのは,その何倍も難しいことをシベリア出兵は教えている。〜 高評価続出の理由がよくわかりました☆5つ
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