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11/22/63(下) の商品レビュー

4.4

23件のお客様レビュー

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2020/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

見事にキングらしい小説でした。 続きが気になってぐんぐん読み進められる、論理的に説明できないことはそのままスルー、大きな世界を書いているようで実は人の心が一番大きい。 世界平和を実現するためにケネディ暗殺を阻止しようとするジェイク。 しかし過去は改変されることに抵抗する。 改変が大きくなればなるほど、抵抗も大きくなる。 ケネディ暗殺を阻止することは、ジェイクの命がけのミッションとなる。 さて、読者である私は、ケネディが暗殺された世界に生きている。 だからキングが本格的なSF作家でも歴史小説家でもないのだから、多分ケネディは暗殺されると予想。 そのうえで、多くの試練を乗り越えてきているジェイクとセイディーの恋はハッピーエンドで終わると想像し、落としどころを考える。 結末は、ものすごく納得。 実はラストを考えたのは息子さんらしいけど、これ以外のラストなら、私はきっと文句を言っていたと思う。 自分では考えつかなかったけれど。 ただ、ここがキングらしくスルーされているけれど、ジェイクには過去を変える義務はないはずなのに、なぜああも暗殺阻止に全力を尽くすのか。 本人も阻止するためにオズワルドを殺さなければならないことに十分なためらいを持っているのに、後戻りできなくなっている。 どういう生い立ちの持ち主が、そのような思考の持ち主になるのかと疑問に思ったけれど、ジェイクの過去についてはアル中の妻と最近離婚したことくらいしかない。 ジェイクの過去は、ストーリーを動かすのには無関係ということだ。 ではなぜ、気の向かない義務でもないことにジェイクは関わっていこうとするのか。 このあいだ読んだ伊坂幸太郎の小説に、詐欺師の手口が書いてあった。 自分の選ぶ道は気の向かない選択肢2つしかないと思わせ、ならばこっちを選ぶしかないと誘導するのだそうだ。 ケネディ暗殺を阻止するか、自分の恋愛を優先するか。 2択しかないと思われたジェイクの選んだ道は…。 作品本編も面白かったけど、岐路に立つたびにジェイクが選ばなかった未来を想像するのも楽しかった。(必ずしもハッピーエンドではないけれど) タイムトラベル物って、そういうところがすごく好き。 ああ、楽しかった。

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2019/07/07

このミス海外編2014年版1位。ケネディ暗殺の真相に迫るミステリ。タイムトラベルSFでありラブ・ロマンスでもある。過去に行ってケネディ暗殺を阻止するってのが主要テーマであり、それにともなうオズワルド単独犯の検証、歴史改変の影響想定、そして、過去の世界でのロマンスのジレンマ。小説世...

このミス海外編2014年版1位。ケネディ暗殺の真相に迫るミステリ。タイムトラベルSFでありラブ・ロマンスでもある。過去に行ってケネディ暗殺を阻止するってのが主要テーマであり、それにともなうオズワルド単独犯の検証、歴史改変の影響想定、そして、過去の世界でのロマンスのジレンマ。小説世界の構想、設計、ストーリー展開、特にラブロマンスの部分の表現、どれをとっても良くできた小説。ケネディー暗殺の映像は昔よくみたけどかなり衝撃的だったしテーマ自体もとても興味深いものであり、タイムパラドックスの処理も上手。ホント、素晴らしいのだけど、長いのと全体としては読みにくいのが難点。翻訳の問題なのか、自分の調子の問題なのかよくわからないんだけど、読んでる途中で集中切れることが多々あるのです。時間かかった。

Posted byブクログ

2019/05/11

下巻まで読んでこそ、物語の素晴らしさがわかりました。過去を変えること、果たしてそれが良い未来を作るのかということ。人を愛することとは何なのか。今を生きるとはどういうことなのか。ドラマも見てみたいです。

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2018/06/08

面白かった! ケネディ大統領の暗殺を阻止するために過去へ行き生活する男の話。 最後は泣けます。 歴史を変えるとは・・・・予想外のラスト。 そしてケネディの暗殺について詳しく知りたくなった。

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2017/09/17

繰り返し現れる不気味なキーワードや懐かしいあの子たちの登場など、キングファンに嬉しい仕掛けが。 自分がアメリカ史やアメリカの政治に詳しければ、もっとノスタルジーを強く感じられ、ラストシーンの切なさも増したのではないかと思うと惜しいが、久々に次のページを捲る手がもどかしいようなワク...

繰り返し現れる不気味なキーワードや懐かしいあの子たちの登場など、キングファンに嬉しい仕掛けが。 自分がアメリカ史やアメリカの政治に詳しければ、もっとノスタルジーを強く感じられ、ラストシーンの切なさも増したのではないかと思うと惜しいが、久々に次のページを捲る手がもどかしいようなワクワク感を味わえた。

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2017/06/15

1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居...

1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居心地がよかったりするのかなと思ったりもした。タイムトラベルものは好きなジャンルの一つ。

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2017/02/18

 キングなので、一応翻訳ホラーにカテゴライズするけど、ホラー要素はほとんどないな。  うん。これはSFでいいんではないかと。  っても、通常のSFともちょっと違う感じ。  「ジョイランド」もそうだったけど、「メルセデス」ではミステリーになってるそうなので、キングは<キング>...

 キングなので、一応翻訳ホラーにカテゴライズするけど、ホラー要素はほとんどないな。  うん。これはSFでいいんではないかと。  っても、通常のSFともちょっと違う感じ。  「ジョイランド」もそうだったけど、「メルセデス」ではミステリーになってるそうなので、キングは<キング>というカテゴリーを生み出そうとしているのかな、と漠然と思う。  で、タイムスリップできる穴を通って、ケネディ暗殺を阻止しようとする話。  でも、まぁ物語の常として簡単にいかないわけで…。  タイムスリップものは、色々な規制がかかってきて、そのさじ加減が上手い下手の分かれ目のように思うのだけど、これは<切ない>  うん。  過去を思う、郷愁と切なさに満ちた物語だった。    結末が、キングにしては、って思ってたら、息子の助言で直したそうな。  うーん。  まぁここんとこ、人間丸くなったよねって思うキングなのでそう終わるのも当然なのかもしれないけれど、「クリスティーン」や「デッドエンド」みたいな終わり方もキングらしくて好きなんですけどね。  つか、そういう方向のを読みたかったわ。

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2017/02/05

「私」たちは現実には勝てない、運命には逆らえない(それでも抵抗するのに価値がある)というのは正にキング。大きな代償を支払い、ようやく得られる微かな光。傑作。

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2017/01/07

3冊を読み終え正直、大作には違いないのですが長すぎました。途中中弛みがあり、3冊目に至ってようやく先が見え始め、加速度が付いて読み終えた感じです。この小説は最後まで読まないと意味がありません。読後感は良かったです。作者の構想は40年あったということですから、膨大な資料に基づき作り...

3冊を読み終え正直、大作には違いないのですが長すぎました。途中中弛みがあり、3冊目に至ってようやく先が見え始め、加速度が付いて読み終えた感じです。この小説は最後まで読まないと意味がありません。読後感は良かったです。作者の構想は40年あったということですから、膨大な資料に基づき作り上げた歴史的事実に沿った内容であるようです。(勿論、ケネディ暗殺の犯人は未だ謎ですが…)その時代の様子もかなり詳しく描写されています。それこそ古き良きアメリカ合衆国と言うべきなのでしょう。 タイムスリップする場所、兎の穴に立つイエローカードマンとグリーンカードマンの存在。バタフライ効果、過去を変えることが意味するものは…地球規模での様々な変動が始まっている今を照らし合わせると不気味な感じがしました。

Posted byブクログ

2016/11/26

ここへ来て、過去の世界への介入がもたらした物が垣間見える。それも大いなる悲劇として。明るい未来だったらどんなに良かったことだろう。介入を無かったことになど出来るのだろうか。そしてまた違う世界になってしまったら?!

Posted byブクログ