女のいない男たち の商品レビュー
感想。 もう村上春樹さんの小説に憧れる年齢を過ぎてしまったのかな。 20-30代で夢中になった文章に、少々疲れてしまいました。 主人公が「五反田くん」っぼいと思ったのはワタシだけかな⁈ 余談。 小説見た後に映画も見ました。こんな短編で映画ができるのか、と思っていたら、映画は短...
感想。 もう村上春樹さんの小説に憧れる年齢を過ぎてしまったのかな。 20-30代で夢中になった文章に、少々疲れてしまいました。 主人公が「五反田くん」っぼいと思ったのはワタシだけかな⁈ 余談。 小説見た後に映画も見ました。こんな短編で映画ができるのか、と思っていたら、映画は短編小説をひとつにまとめて繋ぎ合わせたものね。 なるほど。
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どうしたことか、まえがきからして目が滑る。文章が全然頭に入ってこない。かなりの危険信号が点滅している。それでも「ドライブマイカー」は焼肉屋の待ち時間でなんとか読了。続いて「イエスタデイ」は、途中で断念。私がハルキストになるには、まだ早かったみたい。はやくこういう雰囲気の本をゆっくり味わうことができる人間になりたい。とりあえず本は一旦閉じて、皆さんのレビューで村上春樹先生の楽しみ方を勉強してみる。
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私の印象では、この著者の作品は、ここ最近出がらし続きです。なんだかもう、古めかしい。高等遊民のせいたくなモノローグかと。作品を構成するいろんな設定や小道具からして、もう、古色蒼然としているとしか感じられなくて・・・。 あ、なんか悪く書きすぎましたが、読み始めるとすらすら最後まで読...
私の印象では、この著者の作品は、ここ最近出がらし続きです。なんだかもう、古めかしい。高等遊民のせいたくなモノローグかと。作品を構成するいろんな設定や小道具からして、もう、古色蒼然としているとしか感じられなくて・・・。 あ、なんか悪く書きすぎましたが、読み始めるとすらすら最後まで読めて、一定の心情を届けてくれるという意味で、よくできている小説ではあります。ただ、村上春樹だから、期待しすぎてしまうんです。ねじまき鳥とか世界の終わりと~とかを読んで、世界の見え方が変わった体験を、求めてしまうんです。ないものねだりですよね・・・。【2024年8月15日読了】
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Audibleで作品一つ一つを精聴した。 じわじわと細胞レベルで染み込んでくる物語の迫力。言葉の紡ぎと話の展開に感嘆。 圧倒された。
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男性作家であること、村上春樹が書いていることを読んでいて忘れさせてくれる時がない。それぞれの短編が独立しているのに有機的に繋がっていて様々な角度からテーマを描いているという構成は面白かった。
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「ドライブ・マイ・カー」抜けて好きでした。 「イエスタデイ」「独立器官」「木野」おもしれー。 「シェエラザード」はハウスとは何なのか、なぜ男はそこにいるのかっていう主題じゃない部分が気になってしまった。考えてもあんま意味無いのに。 「女のいない男たち」は村上春樹がキザだと言われる所以が分かった。よくそんなの書けるなと思ってしまうようなクサい文章ばかりで楽しく読めた。 皮肉ではなく。
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春樹を読まず嫌いしてたけど、退院したばかりの知り合いの古本屋でたまたま目にして、手に取った。 5年付き合ってた彼氏を振ったタイミングでもあったからか、かなり感情移入して読んでた。 幼なじみの彼女との距離が分からない『イエスタデイ』と恋がゆえに死んでいった『独立器官』が好きだった。...
春樹を読まず嫌いしてたけど、退院したばかりの知り合いの古本屋でたまたま目にして、手に取った。 5年付き合ってた彼氏を振ったタイミングでもあったからか、かなり感情移入して読んでた。 幼なじみの彼女との距離が分からない『イエスタデイ』と恋がゆえに死んでいった『独立器官』が好きだった。 春樹の書く男たちのものの考え方がシンプルというかそう考えるべくして生きてるといったように思う。かなり好き。
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「女のいない男たち」 様々な形で女に「置いていかれた」男たちの悲哀と諦念が文章に漂っていた。それ(女)に対する具体的なエピソードは殆ど添えられず、極めて抽象的な次元で悩みを拗らせる男たちが描かれていたため、村上春樹に対する苦手意識がこの小説においては払拭された。 また章を進める...
「女のいない男たち」 様々な形で女に「置いていかれた」男たちの悲哀と諦念が文章に漂っていた。それ(女)に対する具体的なエピソードは殆ど添えられず、極めて抽象的な次元で悩みを拗らせる男たちが描かれていたため、村上春樹に対する苦手意識がこの小説においては払拭された。 また章を進めるごとに前章の文脈を用いて解釈できる、章を追うごとにアップデートされている感覚があり、最後の物語である「木野」の最後のメッセージに辿り着いた時は凄くかんどうした。 ドライブマイカー お互い愛し合って長年の友人の様な関係になっても踏み込めない絶対的な距離が自己と他者には存在する。なぜ妻が中身のない男とセックスしていたのか、それはいつまでも理解できないし、妻が死んだ事で完結してしまった。 何かを演じて、それとは別に本心があって、でもその境界線はずっと曖昧で、演じ終わり本当の自分に戻った時、揺るぎない本心でさえ、どこか少し違って感じる。 ドライブマイカー、ドライバーに命を委ねる イエスタデイ ファンでない自分からすると、少し鼻につく感じはするが、文章から醸成された空気感を楽しむ様な物語だった。なんか、悩んでいる目の前のことは実は凄く単純で無粋で面白みのないことだけど、それを思いっきり抽象化して悩みに浸かっていたいって気持ち分かる。高校が終わって、就職や大学進学など、高校の時より周りの子達が自由に恋愛したり、新しいコミュニティができたりといった、楽しいけど、どこか寂しくて絶望を抱く20歳前後の気持ちを書いた小説って意外となかったなー。 独立器官 男と女だったりの恋愛の、その人がその人じゃなくなる(他律的な独立器官によって突き動かされる)感覚は、人の恋愛を聞いてても、自身に関しても納得がいってしまう。到底羨ましいとは思えないし、全くもって不健康だと思う。 どんなに人間として面白みがあったり、知的さがあったとしても、何かに恋焦がれると結局古今東西同じ様な陳腐な悩みを抱える。それを如何に文学的レトリックを用いて表象できるのか。 シェエラザード ウォンカーウァイの映画「恋する惑星」を思い出した。一つ一つのエピソードはエキセントリックなものが多くて、その具体的エピソードそのものの共感を狙った短編でないことは、十分承知の上だが、それでも凄く共感しちゃった。 木野 村上春樹作品におけるファンタジーとは、喪失感を抱いたり悩んだりしている主人公(もしくはそれ自体にさえ気づけていない)に気づきを与える役割を果たしていると、どこかの評論で読んだ記憶がある。 泣いたり落ち込んだりすることは、物事の結果であるというより、むしろ元の状態に戻るための過程(もちろん言葉遊びではあるが)の様に感じてしまい、そのツール性を発見し蔑ろにしている節が自分の経験にもあった。傷付く事が起きた時、あらゆるレトリックを用いて落ち込む事から避けてきた、或いはそこまで主観的になれなかった。そうやって笑い話にしておどけて、でもふとした時に自分が凄く傷付いている事に気付いた経験が最近あったので凄く痛々しかった。 「女のいない男たち」 本作のための唯一の書き下ろし作品。 作品を完結させるという意味においては作品全体にとって意味のある章だったのだと思うが、個人的には蛇足に感じた。以前から抱いていた村上春樹に対する違和感や苦手意識が詰まった様な文章だった。「木野」までで作家の抱える痛みだったりに触れられた様な気がしたが、最後にこんなに気取られるとは思わなかった。
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映画の原作でもあった「ドライブマイカー」が 収録されている短編集です。 短編集とはいえ、全体を貫くテーマが、女性に 去られた男性であり、そのシチュエーションを 静かに受け入れている点に統一されていると感 じます。 村上ワールドといえば、リアルなファンタジー であると思いますが...
映画の原作でもあった「ドライブマイカー」が 収録されている短編集です。 短編集とはいえ、全体を貫くテーマが、女性に 去られた男性であり、そのシチュエーションを 静かに受け入れている点に統一されていると感 じます。 村上ワールドといえば、リアルなファンタジー であると思いますが、男女関係についても、こ こまでリアルに、でも夢物語みたいなストーリ ーを書ける人はいないだろうな、とも思います。 そして、それを映像化できれば秀逸な映画にな ることは間違いないのでしょう。 かなり難しい作業であるとは思いますが。 大人向けのファンタジー恋愛映画を観たくなる 一冊です。
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本作はかなり珍しい、作者からの“まえがき”がある。収録作の工程が読む前に分かり、面白い。 表題を正にテーマとしたコンセプチュアルな短編集で、映画化され話題を呼んだ『ドライブ・マイ・カー』含め少し纏まり気味に感じた。 ただ作者がまえがきで、非常に難産と語った『木野』は、素晴らしい...
本作はかなり珍しい、作者からの“まえがき”がある。収録作の工程が読む前に分かり、面白い。 表題を正にテーマとしたコンセプチュアルな短編集で、映画化され話題を呼んだ『ドライブ・マイ・カー』含め少し纏まり気味に感じた。 ただ作者がまえがきで、非常に難産と語った『木野』は、素晴らしい出来。人智を超えた全体意思、静から動のガラスを破るような緊迫感の表現が作者は本当に巧い。
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