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永遠の1/2 の商品レビュー

2.9

17件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2024/07/13

佐藤正午のデビュー作。面白かった。俺はこれを青春小説と捉えたけどね。とにかく佐藤正午の文章は面白い。ストーリーはある男が1年ちょいの期間に体験した事を描いてて、起承転結があるようなものではないしオチもないんだけど、なんかいちいち描写がいいんだよね。小気味良いし可笑しみがあるし心地...

佐藤正午のデビュー作。面白かった。俺はこれを青春小説と捉えたけどね。とにかく佐藤正午の文章は面白い。ストーリーはある男が1年ちょいの期間に体験した事を描いてて、起承転結があるようなものではないしオチもないんだけど、なんかいちいち描写がいいんだよね。小気味良いし可笑しみがあるし心地よい。なんかいいなって思うんだよな。しかもなんか後を引くんだよな。読み終わってから描写とか人物を思い出して考えたりしちゃう。スーパーで紙袋が渡されてたような時代の話なのに古臭くもなく楽しめた。

Posted byブクログ

2024/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

題材 社会人になるまでのモラトリアム テーマ 怠惰な俺の日常 最も伝えたかったこと =テーマ 何が新しいのか 新しさよりも空気感を楽しむ作品 キャッチコピーは何か 『人違い? 人違いで、ぼくはこんな目に遭っているのか』 その他(心に残ったことなど) ・タイトルに関して、成就しない男女の関係性を表現しているのかと思った。  が、主人公と容姿が似ているもう一人がいるという意味だった。いずれにしても、素敵なタイトル。

Posted byブクログ

2024/01/19

ちょっとだらしない風の男が、自分によく似た男が引き起こす騒動に巻き込まれながら、競輪や女にうつつを抜かしていくような、やや文芸チックな作品。あんまり面白くはなかったが、500ページ超を読破した。

Posted byブクログ

2023/07/13

まあまあ面白い小説 84年大学卒なのでその時代を思い出す 携帯のない時代、公衆電話 巨人の江川、長嶋監督 佐藤正午のデビュー作 瓜二つの彼の行動に迷惑かけられる 競輪で人生台無ししなくて安心

Posted byブクログ

2023/04/02

2.5 まぁまぁ古くに書かれた小説 言い回しがその年代らしくて少し読みにくいし言葉選びが独特 裏をあらすじを見て買いましたが想像してたのと全然違くて考え過ぎたというのもあるが自分の好みではなかった ラストの方は文章が入ってきた バックボーンがあるから伝わるものがあった

Posted byブクログ

2023/03/09

ふたつの佐世保がある。 ひとつは、昭和一桁生まれの私の父が語る、戦前戦後の佐世保のイメージ。炭坑と軍港があり、朝鮮や中国へと頻繁に行き来する人々。戦争が終わり、闇市ができ、混乱の中、米軍基地で必死に働く少年(父)や重い荷物を背負い行商する明るい少女(叔母)の姿。 もうひとつは...

ふたつの佐世保がある。 ひとつは、昭和一桁生まれの私の父が語る、戦前戦後の佐世保のイメージ。炭坑と軍港があり、朝鮮や中国へと頻繁に行き来する人々。戦争が終わり、闇市ができ、混乱の中、米軍基地で必死に働く少年(父)や重い荷物を背負い行商する明るい少女(叔母)の姿。 もうひとつは、昭和30年生まれの作家・佐藤正午が描くイメージ。競輪場、まっすぐなアーケード、その裏手のネオン街。平和な街で淡々と暮らす人々。 父の佐世保は、世界情勢に振り回された地方の街の中で、明日の食料さえ危うい人々の物語。暗く重いが、幼い僕に人生訓めいたことを与えた。 一方、佐藤正午が描く物語は、明るく、テンポよく軽くふわふわしている。鮮烈なデビュー作『永遠の1/2』の冒頭は、「失業したとたんにツキがまわってきた」。昭和58年の作品で、失業保険があり、食うには困らないという前提で物語が始まる。 ちょうどその頃、僕は医学部受験に失敗し、主人公と同様に宙ぶらりんの状況で、この本を手にした。物語の本筋ではない野球(長嶋や江川)や映画(スターウォーズ)や歌(吉田拓郎)の話が登場し、「知ってる、分かる」とニンマリした。作中に戦前戦後の佐世保の話もあり、それは僕の父の物語と重なった。この作品に人生訓や教唆を感じたわけではないが、それから彼の新刊が出ると、すぐに書店へ行くことになった。 平成になり、僕は佐世保の病院で働いた。佐藤正午の本を片手に、佐世保の夜の街に出たこともあった。偶然出会った時にサインをもらおうと本気で思っていたのだが、残念ながら、周りに彼を知る人は皆無だった。 さらに時が流れ、10年ほど前、ちょっとした事件が起こった。僕は佐世保での講演を終え、友人とふらりと飲みに行った。小さなスナックでカウンターに座ると、目の前の棚に『鳩の撃退法』が飾ってあった。 「おー!佐藤正午の新刊!」 僕は興奮し、指さした。 「佐藤正午の知り合い?」 ママはニコリと笑って、「ボトルキープ入れる?」 「もちろん!」 それから時々佐世保に仕事を作り、『鳩の~』の作中にも登場するママの店に寄った。そのつてで、サイン入りの『永遠の1/2』の単行本を頂いた。長年の夢が叶ったわけである(笑)。 しかし、コロナ禍。ママとは音信不通。行商をしていた叔母も亡くなり、僕の中のふたつの物語が薄れ、佐世保は遠い存在となった。 コロナ禍の続いた今年、医療応援で佐世保に行かせてもらう経験をした。帰りの車の中で、本書のページを再び開いた。車窓から見る佐世保の街と『永遠の1/2』が重なり、物語が再び動きだした。永遠に終わらない青春の物語がここにある。夕日を浴びる競輪場の脇を通り、車は高速道路に向かって走っていった。 (2022年11月27日 長崎新聞掲載) 【追伸】 「最も好きな小説家は?」と問われれば(問われたことはありませんが…)、間違いなく僕は「佐藤正午」と答えます。しかし、「どこがいいの?」と聞かれても、その答えは難しい。小説というのはあくまで個人的な体験だから、説明は難しいし、人に分かってもらおうとも思いません。だいたいの場合、「好き」には理由などないですからね。 この記事が新聞に掲載されると、佐世保の友人から、その店はどこだと問い合わせがあったので、教えました。ぜひ行って、今どうなっているのかを知らせて欲しいのですが…、まだ連絡はありません。 さて、この小説にも忘年会や新年会の話題がでてくるのですが、我々医療関係者はここ数年の年の暮れは、「今年は忘年会なかったけど、来年こそはフツーに飲みに行ける日がくればいいね…」という会話をしています。もう何回もそんな話をするので、永遠にそんな日は来ないのでないか…と不安にもなりますね。でも、『2023年、来年は絶対行ける』と断言して、今年の最後の言葉にしますね! 

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2022/10/13

長い530頁だった。半分くらいから、この後何か新たな展開があるかも、いやこのままかも、と思い乍ら、結局無いまま終わった感じ。 これは1983年のデビュー作で、文庫化が2016年。その文庫の後書で、本人が33年ぶりに読んで感じたのが、文章力がある、という事だと。その文章力とは、「う...

長い530頁だった。半分くらいから、この後何か新たな展開があるかも、いやこのままかも、と思い乍ら、結局無いまま終わった感じ。 これは1983年のデビュー作で、文庫化が2016年。その文庫の後書で、本人が33年ぶりに読んで感じたのが、文章力がある、という事だと。その文章力とは、「うまいとか、こなれているとか、読ませるとか、粋だとか、そういう意味では全然な」く「粘りとか、根気とかの言葉に置き換えられるもの」だと。「真面目、地道、…そして凡庸」「といった要素が…この作者の文章には備わっている」と。 これには同感ですが、競輪好きの27歳の男の、自分と似た男をめぐる1年余りの日々起こる出来事、心に浮かぶ事を細々と綴っただけ、だった。

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2022/08/26

とりとめのない日常がダラダラと続くので、読み進めて行くのが辛かった。 時間がかかった一冊になりました。

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2022/03/11

何が面白かったの?と聞かれると困る。 でもひとつ言えることは、最後まで読ませる不思議なチカラがあるということ。 自分と似た顔の持ち主が、同じ生活圏内でいろんなトラブルを起こし、その皺寄せが自分に来ている。 一体、どんな男なのか。 そんなに似ているのか。 競輪と賭け事が趣...

何が面白かったの?と聞かれると困る。 でもひとつ言えることは、最後まで読ませる不思議なチカラがあるということ。 自分と似た顔の持ち主が、同じ生活圏内でいろんなトラブルを起こし、その皺寄せが自分に来ている。 一体、どんな男なのか。 そんなに似ているのか。 競輪と賭け事が趣味で、ハードボイルドに憧れるどうしよぅもない男の問わず語り。 ものすごく大きな事件が起きるわけでもなく。 登場人物がとびきり魅力的なわけでもなく。 それなのに、最後まで読んでしまう。 放棄しようと思わない。 男のどうしよぅもない思考回路に気がついたら没入している瞬間がある。 全部読み終わった後に、首をひねる。 なんで全部読んだんだろうって。 「たいして面白くなかったのに」と思いかけて、それでもこの分厚さを全部きっちり読ませる作者のチカラに愕然とした。 これが「天才」といわれる人の所業か 笑

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2021/11/21

『月の満ち欠け』が大変面白かった著者のデビュー作にあたるのだが、ここ1年くらいに読んだ小説の中で驚くくらい面白くないし、むしろ極めて不真面目な小説である、と断言しても良い。 不真面目、といったのは、作品を貫く「自分とうり二つの人間が同じ街に暮らしているという謎」を、数百ページの...

『月の満ち欠け』が大変面白かった著者のデビュー作にあたるのだが、ここ1年くらいに読んだ小説の中で驚くくらい面白くないし、むしろ極めて不真面目な小説である、と断言しても良い。 不真面目、といったのは、作品を貫く「自分とうり二つの人間が同じ街に暮らしているという謎」を、数百ページの小説全体で引っ張っておきながら、たいした結論、オチを用意していないという1点にある。本作はれっきとしたエンターテイメント小説であり、クリアなオチを用意するのが作家の仕事だろう、と私は強く言いたい。出版社の側も「祝!直木賞受賞」などという帯など付けずに、本作がこれ以上広まらないように、静かに絶版に持ち込むのが良いのではないか。職業倫理を疑う、というのは言い過ぎかもしれないが、そのくらい私は怒り狂っている。

Posted byブクログ