虹を待つ彼女 の商品レビュー
人工知能と会話する、付き合い恋愛するアプリ。この開発者が死者と会えるアプリを作るプロジェクトを立ち上げる。2015年頃にこの小説は書かれたようだが、それから10年も経たないうちに生成AIが世界を席巻し死者と会える人工知能は冒涜だと話題になっている。そんな時代の流れの中でもミステリ...
人工知能と会話する、付き合い恋愛するアプリ。この開発者が死者と会えるアプリを作るプロジェクトを立ち上げる。2015年頃にこの小説は書かれたようだが、それから10年も経たないうちに生成AIが世界を席巻し死者と会える人工知能は冒涜だと話題になっている。そんな時代の流れの中でもミステリ小説としての新鮮さは失われず、謎の答えを追い求める純粋な主人公と姿がなかなか見えない相手とのドラマ展開に引き込まれた。 死者と会うためのツールとしての人工知能のストーリーに囲碁の対決を絡めるのはエンタメ要素も少しあって楽しめるところだったし、人工知能の育て方は幾らかの自分の知識も役だったのかリアリティがあってチームに参加したような気もした。 横溝正史ミステリ賞受賞した当時に読んでいたらどうだったんだろう。多分もっと衝撃的な話に感じただろうが、今ほどの理解ではできなかったかもしれない。近未来小説の面白さもそんなところで感じた。
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おもしろかった。 予想外のことが起きない人生に退屈していた主人公が、過去センセーショナルな事件を起こし自殺した“晴”を人工知能として蘇らせようとする物語。 打算的な主人公が晴の存在を知り、少しずつ変わっていくのが面白い。 また、晴という謎めいた存在の真意や晴を探る主人公を脅迫す...
おもしろかった。 予想外のことが起きない人生に退屈していた主人公が、過去センセーショナルな事件を起こし自殺した“晴”を人工知能として蘇らせようとする物語。 打算的な主人公が晴の存在を知り、少しずつ変わっていくのが面白い。 また、晴という謎めいた存在の真意や晴を探る主人公を脅迫する何者かなど、真相や話の展開が気になり話に引き込まれた。 読ませる力のある良い一冊だった。 ☆4.5
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人工知能という現代的なテーマを扱っているので、本筋のミステリ部分よりも、人工知能の発達によって人間の営みにどう影響を及ぼすのかという側面を描写した部分に興味がわいた。そりゃあ、自分をいつも肯定してくれる理想の存在がいれば、傾倒するのも分かるよなと。
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これはゲームをやる方だとより楽しめたのだと思う。 あるゲームクリエイターの死、そして彼女の調査を止めなければ殺す、という脅迫。 サスペンスとしては少し甘いところもあるが、トリックはバシバシと結構な具合で痛い所を良い意味で突いてくる。このコンビネーションがデビュー作だから少々間伸び...
これはゲームをやる方だとより楽しめたのだと思う。 あるゲームクリエイターの死、そして彼女の調査を止めなければ殺す、という脅迫。 サスペンスとしては少し甘いところもあるが、トリックはバシバシと結構な具合で痛い所を良い意味で突いてくる。このコンビネーションがデビュー作だから少々間伸びしている印象がある。なかなかに印象深く感動的な展開があるだけにその点が残念だ。それでも十二分に楽しめたし、熱心な推理小説のファンは目を通して損はないと思う。
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第36回横溝正史ミステリ大賞をとった本作。カルト的な人気をもつゲームクリエイターの水科晴は自作のゲームをドローンと連携させ現実の世界、渋谷で自らを標的とし自殺を図る。探偵みどりさんの大学時代の友人工藤が、いまは亡き水科晴を人工知能化しようとプロジェクト立ち上げ、晴の本質に触れてい...
第36回横溝正史ミステリ大賞をとった本作。カルト的な人気をもつゲームクリエイターの水科晴は自作のゲームをドローンと連携させ現実の世界、渋谷で自らを標的とし自殺を図る。探偵みどりさんの大学時代の友人工藤が、いまは亡き水科晴を人工知能化しようとプロジェクト立ち上げ、晴の本質に触れていくうちに晴を愛するようになる。その中で雨と呼ばれる人物が鍵をにぎり工藤は殺されそうになる。晴の人工知能化は成功するのか。雨が登場したあたりから読むのが止まりませんでした。こんなミステリがあるんだという驚きの作品でした。
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人間ってどこまでも傲慢になれるよなぁ!!!!という感想。 主人公に全然共感出来んかった…………。たぶん雨に感情移入しすぎたんだと思う。日記読まれているところが無理すぎる。殺しきれないところが人間なんだろうけど。 工藤が晴に惹かれていく過程はとても丁寧で、狂っていくようなさまも良かった。 探偵みどり他にもシリーズあるらしいから読んでみようと思う。
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初読みの作家さん。 若干粗さを感じましたが、デビュー作だったんですね。 おもしろかったし、これから更におもしろい作品が出てくるに違いないと期待をさせてくれる作品でした。 選評にもありましたが、タイトルがとても良いなと思いました。賞をとったときから少し変わったようですが、少しだけの...
初読みの作家さん。 若干粗さを感じましたが、デビュー作だったんですね。 おもしろかったし、これから更におもしろい作品が出てくるに違いないと期待をさせてくれる作品でした。 選評にもありましたが、タイトルがとても良いなと思いました。賞をとったときから少し変わったようですが、少しだけの違いなのに出版タイトルのほうが断然良いなと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
二〇二〇年、人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、優秀さゆえに予想できてしまう自らの限界に虚しさを覚えていた。 そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。 試作品のモデルに選ばれたのは、カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。 彼女は六年前、自作した“ゾンビを撃ち殺す”オンラインゲームとドローンを連携させて渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして自殺を遂げていた。 晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。 やがて彼女に“雨”と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。 晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、人工知能は完成に近づいていくが―。 (アマゾンより引用) 嫌な男だな…
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人工知能やドローン、ゲーム開発等、リアリティがあって興味深かった一方、癖が強い多くの登場人物に共感できず、どこか居心地の悪さを感じたまま進んでしまった。
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すごく良い本だった。今年上半期1位かな。 徹夜読書してしまった。 晴と雨のもの凄く切ない現代のラブストーリーミステリー。 人工知能との恋愛やジェンダーレス 私くらいの年齢以上の人には受け入れられない人もいるかもしれないけど、表紙の様に美しく切ない物語にグイグイ引き込まれます。 綺...
すごく良い本だった。今年上半期1位かな。 徹夜読書してしまった。 晴と雨のもの凄く切ない現代のラブストーリーミステリー。 人工知能との恋愛やジェンダーレス 私くらいの年齢以上の人には受け入れられない人もいるかもしれないけど、表紙の様に美しく切ない物語にグイグイ引き込まれます。 綺麗なストーリーだけではなく、途中ドキドキ(悪い意味で)する所もあり、最後まで全く飽きない。 息子に薦めたいけど、ちょっと刺激がありすぎかな
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