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籠の鸚鵡 の商品レビュー

3.5

13件のお客様レビュー

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2023/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主要人物みんなが悪者。でもこれヤクザの世界では結構ふつうなのか?とも思わされる。にしても怖い世界だ。梶の奥さんもっと何かしてほしかった笑 普通の世界が一番。あと現代はないので、タイムスリップしたような感じがしました。

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2022/05/31

2016年初版。時代は1980年代、バブルの時代。山口組と一和会の抗争の時期。舞台は和歌山県。主人公たちは色と欲にまみれた男女。実在の地名や企業が多数出てくること、私自身が当時、大阪南部で暮らしており馴染みのあることも多いからか。リアリティを感じます。「籠の鸚鵡」が、高峰三枝子さ...

2016年初版。時代は1980年代、バブルの時代。山口組と一和会の抗争の時期。舞台は和歌山県。主人公たちは色と欲にまみれた男女。実在の地名や企業が多数出てくること、私自身が当時、大阪南部で暮らしており馴染みのあることも多いからか。リアリティを感じます。「籠の鸚鵡」が、高峰三枝子さんの「南の花嫁さん」の歌詞だと知り懐かしいです。軽やかな歌でしたが。物語は男に左右され、言いなりになることに疑問を持たずに生きてきた女、すなわち「籠の鸚鵡」のような女が自立していく物語だと思います。蛇足ですが、序盤に出てくる女から男に送られた手紙には少々引きます。三流週刊誌のエロ小説を読む感じ。実話がベースなことに驚きました。

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2019/02/17

とにかく私の好みではなかった。結構評価が高いのに。この作家さんも知らなかったけど、この作品が「笑える」と書評した人の気持ちも分からない。

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2018/08/28

初めての辻原さんの作品。 面白かった。ほかの作品も読みたいと思わせてくれました。 ただただ役場の職員がアホすぎる。客観的に見ると何故騙されるのかイライラしてしまう。 やくざ稼業も大変なんだと思った。

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2018/06/06

山口組に係る実際の動きに,フィクションを交えて楽しめるストーリーになっている.増本カヨ子に絡む紙谷覚,梶康男,峯尾宏が繰り広げる物語だが,峯尾が白神忠を殺害する過程で様々なシミュレーションをするところが楽しめた.やくざ稼業も当時は華やかなだっとようだが,警察の締め付けでこの著書の...

山口組に係る実際の動きに,フィクションを交えて楽しめるストーリーになっている.増本カヨ子に絡む紙谷覚,梶康男,峯尾宏が繰り広げる物語だが,峯尾が白神忠を殺害する過程で様々なシミュレーションをするところが楽しめた.やくざ稼業も当時は華やかなだっとようだが,警察の締め付けでこの著書のような動きは取れなくなっているようだ.本当に良いことがどうかは疑問だ.話の中で,梶の開き直りがそれまでの彼の態度からしてやや意外な感じがした.

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2018/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルは『籠の鸚鵡』。『籠の鳥』ではない。 ヒロインのカヨ子は、スナックを経営している。 夫と別れたのは嫌いになったからではない。 彼女を気に入ったやくざが、高齢者を騙して土地を取り上げた夫を脅し、無理やり離婚させられたのだ。 しかし彼女は、特に不満もなくやくざである峯尾と付き合い、彼の目を盗んで元夫の紙谷とも関係を続けている。 カヨ子には自分というものがあまりなく、強く求められれば簡単に相手になびくところがある。 そんな時、和歌山のとある町の出納室長・梶がカヨ子に魅かれ、関係を持ってしまう。 それを知った峯尾は証拠を手にして梶を脅し、大金を得ることを考える。 峯尾に言われカヨ子は梶を誘惑するのだが、彼女の書く手紙がみだらでバカっぽいのである。 きちんとした手紙のマナーを守って書いているのだが、内容が内容だけに絶妙にバカっぽい。ここが上手い。 基本に忠実でありながら中身のないカヨ子という女性を、この手紙が見事に表現している。 バブル期の和歌山で、実際に起こった出来事をモチーフにしながら、鸚鵡のように他人の生きざまを受け入れてなぞるカヨ子を、『籠の鸚鵡』というタイトルで表しているのだと思った。 最後まで読んで、『籠の鸚鵡』はカヨ子のことだけではないことに気づく。 この辺の構成が上手い。 というか、何気ない描写が、のちになって作中人物の人となりを表していたということが多くあり、ひとりひとりの人物に厚みと重さを与えている。 だから、人間のくずのような彼らに可笑しみをおぼえ、憎めなくなってしまう。 梶については、もう哀れとしか言いようがないけれど…。 それにしても、町の出納室長が、なんとうかつなことをと思わざるを得ない。 飲み屋に名刺をおいてくるなんて、普通のことなんでしょうか? 下手な人が書くと不愉快極まりない人物と出来事の連続が、結構心に刺さって、思わず瞑目して、手を合わせそうになってしまう。 「ナンマイダ、ナンマイダ」

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2018/01/30

山口組と一和会の抗争、いわゆる山一抗争の時代、和歌山で実際に起こった横領事件を題材にヤクザの抗争の中での性欲、物欲、金銭欲にまみれた男と女がそれぞれの欲望で騙し騙されていく世界を描いている。 ヤクザの愛人と知らずに騙されて関係を持ち、それをネタにゆすられる町役場の出納室の室長。...

山口組と一和会の抗争、いわゆる山一抗争の時代、和歌山で実際に起こった横領事件を題材にヤクザの抗争の中での性欲、物欲、金銭欲にまみれた男と女がそれぞれの欲望で騙し騙されていく世界を描いている。 ヤクザの愛人と知らずに騙されて関係を持ち、それをネタにゆすられる町役場の出納室の室長。 ヤクザの抗争でやられたらやり返す、ヤクザ稼業も心落ち着くことがないそんな世界での抗争相手の若頭を狙うヒットマン。 孤独な老人が所有する不動産をまんまとだまし取り金に換える悪徳不動産屋。 過去の話、別世界の話のようでありながら、舞台も和歌山、難波、尼崎ということもあるが、妙に身近で起こっているかのようでぐいぐいと引き込まれていく。所々で些細な出来事を挟み込んできているが結局、本筋と関係ない描写は、なんだったのだろうと妙に期待させるのはやめて欲しかったし、結末は私にとっては歯切れが悪かった。

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2017/08/17

ロマン・ノワールというのか、ヤクザ小説というのか、あんまり読んだことのないジャンル。以前に「本の雑誌」か何かで絶賛されていたので読みたい本リストに入っていた。プロットは雑な箇所も目立つが、一気に読ませる面白さがあり、微妙にタイミングをズラしてくるラストも嫌いではない。

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2017/08/06

まずは、カヨ子の魔性の手紙にしびれました。この表現で、並みのクライムノベルとの格が違いますね。付き合った相手に染まりやすく、気がつくと口癖を真似るのはチェーホフの「可愛い女」ですね。でも、最後で自分の意思を見せるのですね。これまで読んだ辻原登の作風とは違うノワールの世界は、ラテン...

まずは、カヨ子の魔性の手紙にしびれました。この表現で、並みのクライムノベルとの格が違いますね。付き合った相手に染まりやすく、気がつくと口癖を真似るのはチェーホフの「可愛い女」ですね。でも、最後で自分の意思を見せるのですね。これまで読んだ辻原登の作風とは違うノワールの世界は、ラテンナンバーがバックに流れ、昭和の匂いが漂っています。

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2017/05/19

ハラハラする、あっ死亡フラグ立った?という張り詰める緊張感が帯びてくると、急に情景が変わって読み手もひと呼吸置ける、と緩急のコントロールが絶妙。いつの間にか諸悪の根源みたいなヤクザに少し感情移入してったり、相変わらず巧みだなぁ辻原登さん。

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