1,800円以上の注文で送料無料

水に立つ人 の商品レビュー

3.7

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/25

切ないような優しいような気持ちになった。いなくなった大切な誰かを想ったり追いかけたりしながら、その人は触れられる形を失ったけど、自分の中や自分を取り巻く世界に未だ存在していることを感じられるようになっていく話。水や海、空などがよく物語中に出てきて、透明感、儚さ、壮大さ、また自分の...

切ないような優しいような気持ちになった。いなくなった大切な誰かを想ったり追いかけたりしながら、その人は触れられる形を失ったけど、自分の中や自分を取り巻く世界に未だ存在していることを感じられるようになっていく話。水や海、空などがよく物語中に出てきて、透明感、儚さ、壮大さ、また自分の小ささなどを感じた。 実際には死者は話しかけてこないだろうけど、自分も、その人の残してくれたもの、その人との思い出、これからの世界や人生を自分なりに受け入れられるようになりたい。

Posted byブクログ

2024/01/20

複雑な生い立ちや生活を送ってきた人たちの短編集。希望があるようでない。デビュー作にしてはかなり引き込まれる。写真家で山でなくなった人の表題作が一番記憶に残ったかな

Posted byブクログ

2023/11/21

切ない気持ちが、暫くしてからジワジワと襲ってくる様な読後 猫を探し続ける探偵さんのお話が特に切なかった 誰しも辛い出来事や思い出したくない過去もあって、自分の胸の奥に蓋をしてなんなら鍵まで閉めたり苦しかった事を思い出さない様に過ごす事が大人になるって事なのかな 終わりに向か...

切ない気持ちが、暫くしてからジワジワと襲ってくる様な読後 猫を探し続ける探偵さんのお話が特に切なかった 誰しも辛い出来事や思い出したくない過去もあって、自分の胸の奥に蓋をしてなんなら鍵まで閉めたり苦しかった事を思い出さない様に過ごす事が大人になるって事なのかな 終わりに向かって生きていってる感じのゾワっとした感覚もあった

Posted byブクログ

2022/10/11

主人公達が感じる『水』にまつわる5つの物語。 どれも切ない。 だけど、皆自分の心に決着をつけて歩み始める予感があるところが良い。

Posted byブクログ

2021/11/19

水に関わる、悲しい出来事や、トラウマ的な。 全体に暗いというか、まぁ、しあわせな話ではない。 その不幸せ感がしんどい時には読んじゃダメな本。 そうでなくてもあー、ってなる。 このあー、は誰の中にもある辛さや痛みに気づいてしまうから、かなぁ。 てか、京大工学部卒で小説家って、多才だ...

水に関わる、悲しい出来事や、トラウマ的な。 全体に暗いというか、まぁ、しあわせな話ではない。 その不幸せ感がしんどい時には読んじゃダメな本。 そうでなくてもあー、ってなる。 このあー、は誰の中にもある辛さや痛みに気づいてしまうから、かなぁ。 てか、京大工学部卒で小説家って、多才だ。

Posted byブクログ

2021/08/28

短編集。全ての話に「水」のモチーフ。主人公たちはみな、傷を抱えている。子どもや教育に関係する部分もあり、読んでいて苦しく思う部分もあった。「水」のイメージ癒し、憧れ、清らかさ、まどろみ、きりさく痛み、泥、恐怖、悲しみ、彼岸など読んでいて感じた。淡々とそれでいていろんな感情を受け取...

短編集。全ての話に「水」のモチーフ。主人公たちはみな、傷を抱えている。子どもや教育に関係する部分もあり、読んでいて苦しく思う部分もあった。「水」のイメージ癒し、憧れ、清らかさ、まどろみ、きりさく痛み、泥、恐怖、悲しみ、彼岸など読んでいて感じた。淡々とそれでいていろんな感情を受け取った。最後にタイトル「水に立つ人」が収録されている。読後、「ああ、こういう終わり方だけど、悪くないよね。」と思った。はじめてこの作者の本を手にしたので、次も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2020/07/06

王様のブランチで紹介されていた本(『昨日壊れはじめた世界で』)より早く図書館の予約順がきたので、この作者の初読はこの本になりました。 全く未知の人で、大して期待せずに表題作から読み始めて驚いた。面白い。そして哀しい。仕舞いにはボロボロ泣きながら読んでた。 「完璧に幸福な人間な...

王様のブランチで紹介されていた本(『昨日壊れはじめた世界で』)より早く図書館の予約順がきたので、この作者の初読はこの本になりました。 全く未知の人で、大して期待せずに表題作から読み始めて驚いた。面白い。そして哀しい。仕舞いにはボロボロ泣きながら読んでた。 「完璧に幸福な人間なんて、この世のどこを探したっているはずがない」 「心の薄皮を一枚はいだら、その下にどんな無残な傷が隠れているか分かったものじゃない」(p188) 登場人物たちが、それでも最後に自分の抱えているものを受け容れ、そこにほんの僅かな光を見出だすことに自分も救われる。

Posted byブクログ

2018/05/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大切なものを失くした女性達の、再生までの過程を静かに語った5つの短編集。 読んでいて、物語の中にひっそりと漂う寂しさや危うさに心が押し潰されそうになる。 特に『やわらかな足で人魚は』と『彼女の海に沈む』は荒れ狂う波にのまれるように、いつまでも気持ちが落ち着かない。 世間の波に溺れそうになり必死でもがく彼女達は、やがて自分の足で確実に立つことを悟る。 ラストは僅かながらも希望が持てるもので、そこでようやく救われた。 幼い頃に絵本で読んだ『人魚姫』のことは正直あまり好きではなかった。 人間の王子を好きになったばかりに悲しい最期を迎えた「人魚姫」は、残念ながら愛する王子と結ばれることはなかったけれど、この作品のお陰で「人魚姫」の決意に初めて共感できた。

Posted byブクログ

2017/06/18

五編の短編からなる作品集。どの作品も女性作家らしい繊細さを感じさせる。特に凄いと思わせるものはないが、どことなく心に残るような作品群。若い女性読者は共感する面も多いのかも。

Posted byブクログ

2017/05/13

大切な人を失った哀しさが救われる瞬間。 「やわからな足で人魚は」人魚姫に気づかなかった王子様は施設で兄のように慕っていた人。 「岸辺で私は歌を待つ」聞こえる歌はどこから? 「彼女の海に沈む」はコワイお話。 「水風船の壊れる朝に」だれもが100%幸せなわけない 「水に立つ人」先生...

大切な人を失った哀しさが救われる瞬間。 「やわからな足で人魚は」人魚姫に気づかなかった王子様は施設で兄のように慕っていた人。 「岸辺で私は歌を待つ」聞こえる歌はどこから? 「彼女の海に沈む」はコワイお話。 「水風船の壊れる朝に」だれもが100%幸せなわけない 「水に立つ人」先生と写真家と教会 水風船の壊れる朝に、が一番好きでした。 最期にその瞬間を感じることができたら、幸せ…かも。

Posted byブクログ