狼と香辛料(ⅩⅣ) の商品レビュー
ラノベのコミカライズ作品って(語れるほどたくさん読んでいるわけではありませんが)なんとなく影が薄い印象があります。でも、この作品は、原作終了後も5年以上孤軍奮闘を続け、頑張っているところに原作の新シリーズという援軍が駆け付けるという、今そんな熱い展開が繰り広げられています。(この...
ラノベのコミカライズ作品って(語れるほどたくさん読んでいるわけではありませんが)なんとなく影が薄い印象があります。でも、この作品は、原作終了後も5年以上孤軍奮闘を続け、頑張っているところに原作の新シリーズという援軍が駆け付けるという、今そんな熱い展開が繰り広げられています。(このまま「狼と羊皮紙」も引き続きコミカライズしてもらえると嬉しいのですが…。) この巻は大団円の直前、ロレンスが買おうとした店の命名をホロに任せようとしたところから一転、ロレンスとホロの時間の流れの違いをホロが嘆くという泣かせどころがあります。 「末永く幸せに暮らしましたとさ」の後どうするの、というテーマはほぼ一貫してホロとロレンスの間に横たわっていますが、この巻のホロはずっとこのことで悩んでいます。「俺の目が黒いうちは大丈夫だ」と啖呵を切ったつもりが「死んだら もうわっちのことなどどうでもいいのかや?」と返されます。先に逝く者が、自分が死んだ後のことに関して思考停止してしまうのは仕方がないことかもしれませんが、残される、それも長い長い間一人で残される者からはそれは残酷なことなのでしょう。 そんな脳天気(というか、ノーデリカシーというか)なロレンスは、相変わらず厄介ごとに巻き込まれて(というか、わざわざ火中の栗を拾いに行って)います。デバウ商会のやろうとしていることを察したところまではよかったのですが、内紛に巻き込まれてしまいました。 そして、そのせいで中盤からホロがお遣いに出てしまいました。この巻の最大の欠点です。ホロ抜きで後半を読まなければならないのは寂しかったです。
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