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漂流 の商品レビュー

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22件のお客様レビュー

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2021/01/23

マグロ漁という切口から沖縄の歴史を改めて知ることができ、大変面白かった。探検家として超一流だがジャーナリストとしてもレベルが高いと思う。

Posted byブクログ

2020/04/15

タイトルの漂流の話というよりも,木村実の人生(漂流も含まれる)を調べて,海で生きるということあるいは生きざるを得なかったことを本にしている.佐良浜の漁師たちの生き様,歴史,あるいはまぐろ漁の変遷と補陀落思想が混じり合って角幡氏なりの答えを出したようだが,氏の信じるロマンもいいが,...

タイトルの漂流の話というよりも,木村実の人生(漂流も含まれる)を調べて,海で生きるということあるいは生きざるを得なかったことを本にしている.佐良浜の漁師たちの生き様,歴史,あるいはまぐろ漁の変遷と補陀落思想が混じり合って角幡氏なりの答えを出したようだが,氏の信じるロマンもいいが,やはり漁師しかなかった土地に少しのやりきれなさを感じた.

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2019/06/03

人に勧められて読んだ本。沖縄は定期的に足を運び続けて長くなります。その沖縄の知らなかった一面を、鋭い視点と解釈で書き上げているルポ。海の世界、島の世界。陸の世界の人々にはわからない世界。本当に面白くて、手元に置いておきたい本だと思いました。

Posted byブクログ

2018/04/23

1994年3月、37日間におよぶ漂流から「軌跡の生還」を果たした男がいた。しかし、その8年後、男は再び漂流し、今日まで還っていない。そして、その生に引き込まれるようにして始まる著者の彷徨。沖縄、グアム、フィリピン、寄せては返す波に、ほとんどおぼろげな足跡が見せるのは、その男の生で...

1994年3月、37日間におよぶ漂流から「軌跡の生還」を果たした男がいた。しかし、その8年後、男は再び漂流し、今日まで還っていない。そして、その生に引き込まれるようにして始まる著者の彷徨。沖縄、グアム、フィリピン、寄せては返す波に、ほとんどおぼろげな足跡が見せるのは、その男の生ではなく、その島の性であり、その民の歴史であった。漂流を祖に持ち、漂流を伝統とする海の民と、南洋マグロ、カツオ漁の栄枯盛衰。二度漂流した男、本村実はいかにして、どのようにしてあったのか。「海という世界がもつ底暗い闇の奥深さ」に触れる、誰も知らない、知られようともしないの民の歴史の断片。探検家、角幡唯介の新境地。 「私が終止いだいていたのは、本村実は行方不明者となることで佐良浜という土地と海の倫理を貫徹することになったのではないかという思いだった。」

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2017/10/07

読み終えて見れば特に何も起こっていないのだが、自分語りが嫌味になっていないのは、取材と体験を離れて語ることをしないからなんだろう。エピソードの並べ替えもあざとくならないのが不思議。

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2017/10/26

一ヶ月くらいずっと読んでいた本。 読んでいる間じゅう、底知れない取材力、そしてその内容に圧倒されていた。 自分の語彙じゃ言い表せない。 広い。 深い、海の世界。 考えてみたこともなかった、そんな視点で見たこともなかった。 今年一番の本かもしれない。 こういうのがあるから読書ってや...

一ヶ月くらいずっと読んでいた本。 読んでいる間じゅう、底知れない取材力、そしてその内容に圧倒されていた。 自分の語彙じゃ言い表せない。 広い。 深い、海の世界。 考えてみたこともなかった、そんな視点で見たこともなかった。 今年一番の本かもしれない。 こういうのがあるから読書ってやつは最高だーな。

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2017/06/27

1994年日本人を含む沖縄の漁船員たちが37日間の漂流のあと、奇跡的に救出された。 漂流物の執筆を打診されていた筆者は、その話に目をつけ深く掘り下げていく。 調査していくと、救出された日本人船長はその生還から10年後また海で遭難して行方不明になっていたのだ。 そこから、筆者は沖...

1994年日本人を含む沖縄の漁船員たちが37日間の漂流のあと、奇跡的に救出された。 漂流物の執筆を打診されていた筆者は、その話に目をつけ深く掘り下げていく。 調査していくと、救出された日本人船長はその生還から10年後また海で遭難して行方不明になっていたのだ。 そこから、筆者は沖縄の一地方に住む池間民族(海洋民族)の存在を知る。 そして、遭難した船長の足跡をきっかけに、日本における海洋民族の歴史について追っていくこととなる。 漂流にフォーカスした冒険譚ではなく、日本の海洋民族についての調査研究として読むのであれば満足できるが、漂流にフォーカスしたものを期待した私には、少し冗長だった。

Posted byブクログ

2017/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィリピン人船員と漂流した男・実のインタビューを試みた主人公。妻からの返答は、「また行方不明になっている」だったー 構成がうまく、文量があるにもかかわらず、冒頭から引き込まれてしまう。 ボリュームがあるのは、海で生きる、という人々の生き方や歴史を学ばないと、物語のスタートラインに立てないからだ。 ある日、隣のひとがいなくなるという日常。陸で暮らす我々との価値観の違い。 真っ黒な闇の中の海を描いて終わる、謎が解けないままのラストシーンは、作中の激動とはあまりに対照的で静かで不気味だ。小さな人間の話など、なかったかのように飲み込んでいく、大自然を目の当たりにする。

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2017/04/12

漁師の世界は違う、みたいな語られ方はよくしますが、本書はその中でも南太平洋を舞台にカツオやマグロを追いかける漁師たちの世界を、37日間の漂流の末救出された一人の漁師をきっかけに追っていきます。 パラオやグアムを近いとするその感覚は戦前の南洋進出の時代から土台があり、日本語よりあ...

漁師の世界は違う、みたいな語られ方はよくしますが、本書はその中でも南太平洋を舞台にカツオやマグロを追いかける漁師たちの世界を、37日間の漂流の末救出された一人の漁師をきっかけに追っていきます。 パラオやグアムを近いとするその感覚は戦前の南洋進出の時代から土台があり、日本語よりある島の方言が共通語となっているその世界は、陸の世界からは想像もつかないものでした。 新聞でもテレビでも取り上げられることのない南太平洋に広がったまったく別の日本という世界に分け入った良書です。

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2018/08/11

1994年、日本人を含む9人の漁師が、37日間の漂流を経た後にフィリピン沖で保護された・・・。 この本は、生存者の中で唯一の日本人だった船長を追った、ノンフィクション作品です。 約20年後に本人に取材しようとした著者は、その妻に衝撃的な話を聞きます。 それは、船長は10年前に漁...

1994年、日本人を含む9人の漁師が、37日間の漂流を経た後にフィリピン沖で保護された・・・。 この本は、生存者の中で唯一の日本人だった船長を追った、ノンフィクション作品です。 約20年後に本人に取材しようとした著者は、その妻に衝撃的な話を聞きます。 それは、船長は10年前に漁に出たまま、行方不明になっている、ということ。 その事実に驚いた著者は、現地に赴き、彼の関係者を訪ね歩いて、1回目の漂流の様子と、2回目の漂流に至った経緯を調べます。 その過程で見えてきたのが、船長が生まれ育った沖縄県宮古島群島伊良部島佐良浜という地域の、特殊な郷土史とそこに暮らす人々について。 海に出れば食料を調達できる、逆に言うと漁師しか生活する術が無い、という環境。 その中でも特に、外部思考の強い佐良浜の漁師たち。 遠くグアムやパラオまで漁をしに行き、大きな富を得る。 でもしばらくすると、その漁が成り立たなくなる。 そんな、繁栄と衰退を繰り返してきた人たちだといことがわかってきます。 主人公である船長の足跡を追うことによって、海洋民としての佐良浜の人たちの気質や、その行動原理への理解が深まっていく、という内容になっています。 継続的に海に行く機会があり、海に関する情報には日常触れているつもりでいましたが、本書の内容にはただただ、驚いてしまいました。 同じ日本という国の中に、このような地域、そしてそこに住む人の人生がある。 「事実は小説よりも奇なり」・・・あらためて感じさせてもらえた、ノンフィクション作品でした。 .

Posted byブクログ