ドアのノブさん の商品レビュー
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主役は日の目を見ることのない物たち。 「人間はいつもそう。線をひくのが好きなのね。すっと線をひいて、あっという間に、あっちがわとこっちがわに分ける。」 大人の心にも訴えかけるものがあると思う。
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図書館本。服からほつれて落ちたボタン、木から木片の切りくずになった木片、赤青鉛筆の青…を擬人化してストーリーにしています。
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ボタン、ドアのノブ、濡れた靴下(の裏側)などを擬人化して、そこから見える世界を描いている。 身の周りにあるものがこんなことを考えていたら、面白いなあ。 「線のむこうがわ」 木材から削られた木片の話。 街のいろんなところを旅して、あるショーウィンドウでバイオリンを見つける。久しぶりの再会に驚いて「よくわかったね。」と言った時。 「香りでわかる」 「気配でわかる」 「どんなすがたになっても、形がなくなっても、わかる」 というバイオリンの答えにとても感動した。 線のむこうがわに選ばれることのなかった木片も、腐らずに次に行きたい場所を見つけられるのも良かった。 筆箱の赤青鉛筆の話は、彼らの運命を思い、なんだかハラハラした。 児童書だと侮っていたけど、予想外に胸にくるものがあった。
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ドアノブや赤青鉛筆などのモノの気持ちを想像して表現したお話。棚の下に落ちたボタンとか、何かになるはずだった木片とか、なんか少し切ないけど最後に救われたり余韻が残る終わり方で、物を丁寧に使おうかなと思えた。
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創作物語。 表題のドアノブやボタンなど、無機物を主人公とした物語の短編集。 「すきまの闇」 コートの袖口に就いていた桃色のボタンが本棚の下に転がり込んでしまう。そこにはクリップや安全ピンなど落ちて人間に忘れられたものたちが拾われる日を夢見ながら暮らしていた。ある日小銭が沢山落ちてきて、その小銭と一緒にクリップとくるみボタンは拾われることが出来た。桃色のボタンは今度はチャンスを逃さないようにと耳をそばだててくらし続ける。 「ドアのノブさん」 玄関のドアノブのノブさんは大好きだった住民の山下さんが引っ越してしまってがっかりしている。今度越してきた田中さんの男の子はノブを乱暴に扱うし気に入りません。けれどもノブをつかむ男の子の悲しい気持ちが伝わってきてだんだん男の子のことが気になり始めます。そして忘れ物を教えてあげたり鍵のかけ忘れを教えてあげたりするようになります。 「線のむこうがわ」 板から削られた木片は、風に乗って旅をして楽しく暮らしています。あるとき赤い布に人間によって線引きされて大きなものになるものと切り捨てられてしまうものがあると聞かされます。通りかかった店のショーウィンドウに飾られていたバイオリンから、元は同じ木だったと聞かされて大きな森を思い出し、風に乗ってその森に帰ることを決めます。 「背中あわせのともだち」 赤青鉛筆のレディとブルルは、だんだん赤色だけが少なくなっていることに気づきます。初めは自分が消えてしまうことに不安だった赤色ですが、自分の役割を全うすることに覚悟を決めていなくなります。筆箱のなかであまり使われていなかった青色は、赤色がなくなってしまったら自分も捨てられてしまうのではないかと心配していたが、思いがけず色鉛筆の中に混ぜてもらうことが出来た。 「裏側のナマズ」 雨の中を傘を差さないで遊ぶことが大好きなサツキは、脱いだ靴下が裏返しだったことに気づく。するとその靴下がナマズのように動いて話し出す。裏側のナマズは、今度雨が降ったらまた裏返して雨の中を遊んでくれるように頼んで洗濯機の中で笑っていた。 アイデアは面白いがどれも設定に必然性が感じられない。物の望みや夢も思いつきのようで一貫性がない。全体を通して何を言いたいのかよく分からなかった。
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ノブさんはアパートのドアの取っ手。大好きな山下さん家族のお引越し先に一緒についていけると思っていたのにまさかの置いてきぼり!次にアパートに引っ越してきたのは田中さん一家、ちょっと乱暴な男の子も一緒です。男の子が気に入らないノブさんは、触れられるたびに静電気を起こして男の子にいやが...
ノブさんはアパートのドアの取っ手。大好きな山下さん家族のお引越し先に一緒についていけると思っていたのにまさかの置いてきぼり!次にアパートに引っ越してきたのは田中さん一家、ちょっと乱暴な男の子も一緒です。男の子が気に入らないノブさんは、触れられるたびに静電気を起こして男の子にいやがらせをするのですが…。表題作「ドアのノブさん」を含む全5篇。ボタン、木片、くつしたなど、普段あまり気にとめることのない物たちのつぶやきに、自分の家にある物も「何か考えているのかな?」と思わず想像してしまう楽しい短編集です。
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家の中にあるものたちの、つぶやき物語。 『すきまの闇』コートから落っこちたボタン。同じように落ちて本棚の下にいるクリップや安全ピンたちの悲哀を聞く。 『ドアのノブさん』山下さん一家は引っ越して行った。てっきり家電や家具と一緒に連れて行ってもらえると思っていたドアのノブさんは、置いていかれて悲しむ。新しい家族はやんちゃな男の子がいて、ノブさんはちょっとイジワルで静電気をくらわせたりしていたが、男の子が元気になるよう助けてもあげる。 『線のむこうがわ』切り落とされた木片。線を引かれて、使われなかった方の木片。でも、何かに使われた木と同じように、つながっている。 『背中あわせのともだち』赤青鉛筆のきもち。 『裏がわのナマズ』水たまりを越えようとして汚れたくつ下。裏返しに脱いだら、ユカイに歌い出して、まるでナマズみたい!? 思ってもみなかったものたちの声。想像するのが楽しくなる。
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ボタン、ドアノブ、木片、赤青えんぴつ、靴下の裏側と、いつも暮らしのまわりにあるあたりまえのちいさな物たちの、ためいきみたいな、でもあったかな5つのおはなし。 どのおはなしも、終わり方が大人の小説のようにさりげなく、読者に託したような想像力をくすぐられるようなラスト。「線のむこうが...
ボタン、ドアノブ、木片、赤青えんぴつ、靴下の裏側と、いつも暮らしのまわりにあるあたりまえのちいさな物たちの、ためいきみたいな、でもあったかな5つのおはなし。 どのおはなしも、終わり方が大人の小説のようにさりげなく、読者に託したような想像力をくすぐられるようなラスト。「線のむこうがわ」の木片の哲学的なため息になんて、泣きそうになる。 こんなふうにおはなしってできるのかと、感心してしまう1冊だった。 おはなしはどれも好きだったけど、私には挿絵がちょっと好みでなかったので、☆は4つで。でも子どもたちにたくさん手にとってほしい本。
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