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人はなぜ不倫をするのか の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2024/06/30

著者の意図としては不倫が必ずしも咎められないということだったが、自分が感じたのは寧ろ、不倫する人がマイノリティから抜け出すことの困難さだ。 まず、本来的に人は一夫一妻をとる哺乳類である、と。しかし正しくは一夫一妻「風」であるというのが動物学的なコンセンサスらしい。プレーリーハタ...

著者の意図としては不倫が必ずしも咎められないということだったが、自分が感じたのは寧ろ、不倫する人がマイノリティから抜け出すことの困難さだ。 まず、本来的に人は一夫一妻をとる哺乳類である、と。しかし正しくは一夫一妻「風」であるというのが動物学的なコンセンサスらしい。プレーリーハタネズミを使った実験によれば浮気しないこと、することの「2つの戦略はトレードオフとなっている。両者の拮抗がプレーリーハタネズミの遺伝子の多様性に貢献している」そうだ。 つまり、論理的矛盾のない説明方法として「一夫多妻から一夫一妻への移行」という説明を思い浮かべがちだが、「一夫一妻がベースであるが、それを司る脳の働き、もしくは遺伝子にはグラデーションが存在し、それが多様性を担保している」ということらしい。 社会的要請から出現した「一夫一妻制」は社会の安定を図るもので自明ではないというのが人文系の論客の主張だったが、動物学的な見地から根拠を見出せる。つまり、「一夫一妻制」は半分正しいし、半分間違っている。

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2023/03/07

とても興味深かった。 異なる学問の見地から「人はなぜ不倫をするのか」を問うたもので、結論、男女がいればしてしまうのが自然であってなんら不思議ではない、と概ね意見が揃う。 こうなってくると、今度は「なぜ不倫をしてはいけないのか」をより深掘りしたくなる。 歴史的に性規範は緩い期間...

とても興味深かった。 異なる学問の見地から「人はなぜ不倫をするのか」を問うたもので、結論、男女がいればしてしまうのが自然であってなんら不思議ではない、と概ね意見が揃う。 こうなってくると、今度は「なぜ不倫をしてはいけないのか」をより深掘りしたくなる。 歴史的に性規範は緩い期間が長かったにも関わらず、結果的に不倫を許さない(許せない)状態となっているのは、なぜなのか。 本書では、一夫一妻の方が生物競争の中で有利であったと考えられる意見は登場する。 しかし、もし男女が不倫や浮気をするのが自然であるならば、社会的、法的、宗教的にここまで厳しく制限する必要はないのではないか。 宗教感が薄れ、文化が変化し、人の生き方も個人主義・性自立が際立っていくのなら、社会規範もそれに合わせて更新・進化していくのが望ましいように思う。 いみじくも本書で「人は独占欲や嫉妬を克服できていない」という発言にあったように、不倫が過剰なバッシングを受けなくなったり、柔軟で多様な生き方・関係性を認め合えるようになるまでには時間がかかるものなのだろう。

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2022/12/11

帯では、学者が不倫を否定しなかった、とは言うが、宗教関係者を連れてきたら、不倫は否定されるだろう。そう、宗教みたいな社会規範として不倫が禁止されているだけであって、人は結婚してもなお、別の誰かに恋をする。 作者の中立的なスタンス、不倫を否定も肯定もしない、というスタンスがきらい...

帯では、学者が不倫を否定しなかった、とは言うが、宗教関係者を連れてきたら、不倫は否定されるだろう。そう、宗教みたいな社会規範として不倫が禁止されているだけであって、人は結婚してもなお、別の誰かに恋をする。 作者の中立的なスタンス、不倫を否定も肯定もしない、というスタンスがきらい。 上野千鶴子先生の、むしろなぜ人は不倫をしないなか、という逆の問いが最高!

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2022/09/21

私もまんまと恋愛のエゴイズムに従ってた。 でも自分の人生に相手を巻き込んでも 相手の人生に巻き込まれてもいいと思える人と 巡り会えることは幸せだと思います!

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2022/07/02

興味深かったすね〜結婚したら最後、自分の性的身体の自由を手放さなければならないなんて恐ろしいってのがクソわかる^_^

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2022/05/04

2022.32 様々な視点から不倫が論じられていて面白かった。 個人的には宗教の項目が興味深かったです。 ・ヨーロッパの宗教離れが加速している。ドイツでキリスト教で教会税が国に徴収されるため、それを逃れるために若者の脱教会が進んでいる。 ・SVR理論=結婚相手として異性を決め...

2022.32 様々な視点から不倫が論じられていて面白かった。 個人的には宗教の項目が興味深かったです。 ・ヨーロッパの宗教離れが加速している。ドイツでキリスト教で教会税が国に徴収されるため、それを逃れるために若者の脱教会が進んでいる。 ・SVR理論=結婚相手として異性を決めるプロセス。Stimulus 外見、声、生活、Value 趣味、価値観、Role 役割 不倫しやすい人は永遠にS、恋愛ち刺激を求め続けるタイプ

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2021/03/22

2021 2-2 色々な視点からの「人はなぜ不倫をするのか」 「家庭には恋愛感情が不必要」 「恋は大人を子どもにする」

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2020/11/22

不倫、といえば… 「金曜日の妻たちへ」(古い!)ですね〜。 小林明子の「恋におちて」が頭の中に流れてきます。 行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳の学者が「不倫」について語るこの本。 しかし、学者さんたち誰一人として不倫を否定しない、とい...

不倫、といえば… 「金曜日の妻たちへ」(古い!)ですね〜。 小林明子の「恋におちて」が頭の中に流れてきます。 行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳の学者が「不倫」について語るこの本。 しかし、学者さんたち誰一人として不倫を否定しない、というか、できない。 どうしても存在してしまうものだと言う。 上野千鶴子さんの章が特に面白い。 ー 結婚という概念は、生涯ひとりの人としかセックスしませんって言ってることでしょう? 私は結婚を「自分の身体の性的使用権を生涯にわたって唯一人の異性に譲渡する契約のこと」と定義しています。 とした上で、どうして人はそんなできもしない約束をするのか不思議だと言う。 挙句の果てに、 人はなぜ不倫するのか?と言う質問に対し、 「なぜ不倫をしないのか、逆に聞きたい」と質問返しをする(笑) 流石です(笑)

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2019/09/27

様々な学者が男女の関係について語る一冊。 帯表紙にあるように、どの学者も不倫というか1対多(多対多)の恋愛を否定してないのが印象的だった。

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2019/01/13

他の方の本棚から見つけて、上野千鶴子氏の歯切れのいい文章を期待して読んだ。 動物行動学、宗教学、心理学、生化学、行動遺伝学、脳科学の専門家がそれぞれの切り口で不倫を論じていて、見出しだけでも興味深い内容が並びどこから読んでも面白い。ナレーションのように亀山氏の感想や補足があるの...

他の方の本棚から見つけて、上野千鶴子氏の歯切れのいい文章を期待して読んだ。 動物行動学、宗教学、心理学、生化学、行動遺伝学、脳科学の専門家がそれぞれの切り口で不倫を論じていて、見出しだけでも興味深い内容が並びどこから読んでも面白い。ナレーションのように亀山氏の感想や補足があるのがまたいい。 女が女の不倫を叩く理由、結婚詐欺やプレゼントをする昆虫たち、女の浮気の確率はアラフォーで上がる、不倫を人が裁く時代、不倫をしやすい人とはどういう人か、人の性欲は性ホルモンに支配されない、人は大事なことは無意識のうちにやってしまう?、恋は脳のバグであるなど。

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