四百三十円の神様 の商品レビュー
『九月一日』と『鍵は開いた』がよかった。 九月一日は、関東大震災が起きた日であり、夏休み明け初日でもあり、四世代にわたる蕎麦屋にまつわるひとたちの悩みが問わず語り形式で語られる。平然と生きてるように見える年配者たちも、実は悩んで大きくなった(死なずに生き延びてきた)、という真実...
『九月一日』と『鍵は開いた』がよかった。 九月一日は、関東大震災が起きた日であり、夏休み明け初日でもあり、四世代にわたる蕎麦屋にまつわるひとたちの悩みが問わず語り形式で語られる。平然と生きてるように見える年配者たちも、実は悩んで大きくなった(死なずに生き延びてきた)、という真実をお客の教師と姪っ子のひろちゃんが聴く。 思い出話として登場する音楽教師はホント残念。「先生」も聖人君子ではないにせよ、クズすぎるのは、当たったひとは不運としか言いようがない。先生ガチャ。 鍵は開いた 前科三犯の中山さと子の錠前と刑事近松の鍵がピタッと合う場面はほっとする。悪餓鬼大石雄人の錠前もいつか開きそうな期待を感じる終わり方だった。
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『うなぎ女子』でハマった加藤元さん やはりこの人の作品、好きかもしれない。 やさしくてほっこりする。
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鍵と錠前がカチリと合い扉が開く。その先にある素敵な場所。そこに踏み込むか否かは自分次第。鍵は遠くの何処かではなく、既にケツのポケット辺りに収まっている。なるほど幸へも不幸へもたどり着くのは己の意思が文字どおり鍵なんだな。少なくとも、道に迷うのは狸のせいではない。
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挫折しかけている大学野球選手、落ちぶれて孤独に老いていくアウトロー、母に捨てられ祖父に育てられた女・・・彼らに起こる小さな奇跡が、あなたの心に暖かな灯りをともす・・・え!?ちょっと待った!この「腐ったたぬき」ってのはいったい!? なーんでこれだけ意表を突いちゃってるわけ~~!?w...
挫折しかけている大学野球選手、落ちぶれて孤独に老いていくアウトロー、母に捨てられ祖父に育てられた女・・・彼らに起こる小さな奇跡が、あなたの心に暖かな灯りをともす・・・え!?ちょっと待った!この「腐ったたぬき」ってのはいったい!? なーんでこれだけ意表を突いちゃってるわけ~~!?www ぬぬ、気を落ち着けて~~っと・・・ラストの「鍵は開いた」がよかった。うん、ズッコケたまま終わらなくてよかったよ、ホントにwww
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密接な人のつながりの中にひょこっと発生するような物語が7篇,特に「いれずみお断り」が良かった.昔の街には必ず居たようなおやじ,青山巳之吉.銭湯で彼のいれずみに圧倒された獣医の杉内亮平.何故か憎めないキャラクターに惹かれる.最後の場面で,巳之吉の死後現れた娘さんとの会話は,彼女の涙...
密接な人のつながりの中にひょこっと発生するような物語が7篇,特に「いれずみお断り」が良かった.昔の街には必ず居たようなおやじ,青山巳之吉.銭湯で彼のいれずみに圧倒された獣医の杉内亮平.何故か憎めないキャラクターに惹かれる.最後の場面で,巳之吉の死後現れた娘さんとの会話は,彼女の涙を誘う亮平の想いが絡み合ったものだろう.
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表題作含む7つの短編作品。 かつて憧れだった野球選手をみた「四百三十円の神様」 父になった今、父に会えたか「あの川のほとりで」 シニカルな人情もの「いれずみお断り」 「九月一日」と「鍵は開いた」は未来ある子供たちに。
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1つ1つの短編集、ほんとに同じ人が書いたの?って思うほど全然違った感じに仕上がっていてビックリ。面白い。
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「世の中ろくなもんじゃねぇや」と昼酒あおりつつくだをまく。「けど、世の中捨てたもんじゃねぇぜ」とにやりとする。 そんなちっちゃいけどいじらしい物語たち。 社会を動かしている人たちは出てこない。社会の中で動かされ押しのけられ、夜空の星を見上げることさえ忘れているような毎日の中でみつ...
「世の中ろくなもんじゃねぇや」と昼酒あおりつつくだをまく。「けど、世の中捨てたもんじゃねぇぜ」とにやりとする。 そんなちっちゃいけどいじらしい物語たち。 社会を動かしている人たちは出てこない。社会の中で動かされ押しのけられ、夜空の星を見上げることさえ忘れているような毎日の中でみつけたほのかなやさしさ。カトゲンはそんな小さなやさしさを見落としたりはしない。そっと手のひらの中で守っていきたくなる、そんな物語たち。 (その温かい物語の中で異彩を放つ腐ったたぬきは、デパートで食べるアイスクリームについているウエハースのような存在で二重丸!)
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