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土漠の花 の商品レビュー

3.8

79件のお客様レビュー

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2025/02/06

日本推理作家協会賞 受賞作。 初めて読む作家ですが、圧倒的な筆力に驚きました。本作の舞台はソマリアの国境という日本人には馴染みの薄い危険地域。そこで死闘を繰り広げる若き自衛官たちを、友情と確執を絡めながらリアルに描写していきます。 安倍内閣の時に「集団的自衛権」が強行採決されて...

日本推理作家協会賞 受賞作。 初めて読む作家ですが、圧倒的な筆力に驚きました。本作の舞台はソマリアの国境という日本人には馴染みの薄い危険地域。そこで死闘を繰り広げる若き自衛官たちを、友情と確執を絡めながらリアルに描写していきます。 安倍内閣の時に「集団的自衛権」が強行採決されて、私たちが恐れていたのは、まさに本書のような状況なのだと思います。 ソマリアは、ネットで検索すると、テロや誘拐、武装強盗が後を絶たず、治安が極めて悪いため外務省は「レベル4:渡航は止めてください。退避してください」を発出しています。 そんな危険地域で残虐な武装集団の群に包囲され、絶体絶命のピンチに陥ったのは、ビヨマール・カダン少子族の娘アスキラを助けたことによります。強敵から逃げ、闘い、銃撃を受け、死闘を繰り返します。それだけでなく、『ハムシン』という恐ろしい熱波の砂嵐に襲われ、読みながらも、神から見放されたというのはこういうことか、と天を仰ぎたくなります。 戦闘だけではなく、自衛官一人ひとりの心情や自衛隊の暗部にもメスを入れ、なかなか助けに来ない友軍の真実にも触れていきます。それがストーリーに厚みをもたらし、読み応えのある硬派の作品となりました。

Posted byブクログ

2024/10/14

月村了衛さん初読み『土漠の花』の概要と感想になります。面白かった♪ 概要です。 アフリカ、ソマリア半島の岩壁に友軍ヘリが墜落したと報せを受け、陸自の友永は仲間と共に捜索へ向かう。見るも無惨な光景を目の当たりにした友永たちは明朝に遺体の回収作業を予定するが、その晩にソマリアの未来...

月村了衛さん初読み『土漠の花』の概要と感想になります。面白かった♪ 概要です。 アフリカ、ソマリア半島の岩壁に友軍ヘリが墜落したと報せを受け、陸自の友永は仲間と共に捜索へ向かう。見るも無惨な光景を目の当たりにした友永たちは明朝に遺体の回収作業を予定するが、その晩にソマリアの未来を左右する大事件が起きる。友永の眼に映るアフリカは、どこまで進めば希望に変わるのだろうか。 感想です。 本作を読み進める中で映画『プライベート・ライアン』を思い出しました。自衛隊は他国の紛争に軍事介入しないとは言え、眼の前で亡くなっていく仲間の姿に、どれだけの哀しみと怒りを友永たちは堪えたことでしょう。月村了衛さんは『機龍警察』シリーズでお名前を知っていましたが、同僚オススメの本作を知れて良かったです♪

Posted byブクログ

2024/08/21
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kindle本。前に読んだ「東京輪舞」もなかなか面白かったので、同じ著者の作品なので読みました。率直にいって「面白い!!」の一言です。個人的に、こういった冒険ものは好きなところもあるのですが、ほぼ一気読みでした。ソマリアに派遣された自衛隊が現地の民族争いに巻き込まれ、戦闘に発展する中での人間模様の面と、戦闘の描写が素晴らしく、「緊張感」と「ほんわか感」が次々やってくる感じがたまらないものがありました。個人的には、新開が現地遊牧民の子供に竹とんぼを教えるシーンがおそらくクライマックスだと思いましたが、印象に残りましたね。いやあ、でもさすがに映像化はできないんだろうな 笑。個人的には文句なしで★5つです

Posted byブクログ

2024/07/14
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1本の映画を観てるかのような臨場感 人が次から次へと死んでいく場面は結構びっくりした。まさかこう来るかと…本当に本を捲る手が止まらなかった…。 本自体はフィクションだけど、実際に有り得る話なんだろうなと思うと苦しすぎる。自衛隊

Posted byブクログ

2024/07/05
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梶谷伸次郎士長 腕利きの整備士。自動車工場の倅。機械類や技術全般に精通している。二十五歳という年齢にしては落ち着いた風貌。 津久田宗一2曹 既婚者。小心者。警衛隊の中でもトップクラスの射撃の名手。 友永芳彦曹長 高卒で入隊し2士からの叩き上げ。 事故で両親と死に別れる。 吉松勘太郎3尉 捜索援助隊隊長。銃殺される。 新開譲曹長 有能で切れる男ではあるが、ときに冷酷にも差別的にも聞こえる言動。三十五歳。少年工科学校をトップに近い成績で卒業。 ソマリ語がわかる。 市ノ瀬浩太1士 二十三歳。インターハイ出場経験のある元水泳選手。ソマリ兵と戦い、濁流に消える。 戸川1士 銃殺される。 朝比奈満雄1曹 最年長の三十七歳。既婚者で小学生の息子と娘がいる。合気道をたしなむ豪傑で隊内の信頼も厚い。 古武士の風格。 原田琢郎1士 首を落とされる。 由利和馬1曹 警務隊からわざわざ普通科を経て空挺団に入った。元ヤン。『神奈川魔神連合』の由利と言えば知らない奴はいない。 アスキラ・エミル 女性。ビヨマール・カダン小氏族のスルタン(氏族長)の娘。 ビキタ アスキラ・エミルの縁者。 ダンジュマ アスキラ・エミルの縁者。 佐々木1士 銃殺される。 徳本1曹 なぶり殺しに遭う。 高塚 霞ヶ浦駐屯地で首を吊って自殺した。梶谷とは小学校以来の幼馴染み。 日垣1 曹 警務隊で由利の上官。 今井 霞ヶ浦駐屯地の警務隊。 三原 霞ヶ浦駐屯地の警務隊。 松本 霞ヶ浦駐屯地の警務隊。 木村 霞ヶ浦駐屯地の警務隊の班長。 アブディワリ ワーズデーンのリーダー。鼻の潰れた大男。 ハサン・ダヒル・ギュバン アル・シャバブの指導者。 山野辺弘文陸自1尉 警衛隊隊長。 菅原孝二郎海自1佐 派遣海賊対処行動航空隊司令。

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2024/02/23

2日であっという間に、読み終わってしまった。少し残虐で本当に怖いけど、どうしてもページをめくってしまう。ジブチとソマリアについてもこれを機に調べてみた。兄弟も同じ自衛官なので、この様なことには遭遇しない、平和な世が続くことを願う。

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2024/02/19

全体的に面白く、先が気になってしかたなかった。どんどん次のページを読みたくなっていく感じ。ただ私の理解力が乏しく、建物や人物などの状況位置や状況把握が難しいなと感じた。まぁそこまでじっくり理解しようと思ったかと言えば違うかもしれないが。また、最後は少し尻すぼみ感も感じた。ただ総じ...

全体的に面白く、先が気になってしかたなかった。どんどん次のページを読みたくなっていく感じ。ただ私の理解力が乏しく、建物や人物などの状況位置や状況把握が難しいなと感じた。まぁそこまでじっくり理解しようと思ったかと言えば違うかもしれないが。また、最後は少し尻すぼみ感も感じた。ただ総じて面白いと思える作品だったし、戦争と自衛隊についても考えさせられた。

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2024/01/22

あらすじはコピペでーす。 【ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中...

あらすじはコピペでーす。 【ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!】 まんまドストレートな活劇物。 隊員たち1人1人のバックボーンというか背景が描かれているのが良かった。 逆に女性、アスキラについてはもっと描かれてもいいかなと思う。足りない。 アクションに次ぐアクションでハラハラさせられるのだが、予定調和というか一本道というか。 まあ、そうなるだろうなという流れと結末。意外性はない。澱みも歪みも裏もなくスッキリしている。 「機龍警察」シリーズや「脱北航路」などで有名な月村良衛さんの初読みでした。 まあ、読みやすい。 作品の内容上、銃器をつかったアクションシーンが多い。 それで思い出したけど、俺、大藪春彦さんの小説って1冊もまともに読めたことないわ。映画ばっかりで。 2、3度本を手に取ってみたことはあるんだけど、どうしても途中で放棄してしまう。 相性かなぁ。 西村寿行さんなんかのはわりと好きなんだけど。エロいが(笑) 本作、途中までは☆3でもいいかなと思ったんだけど、ラストがなんか嫌だったので☆2としました。

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2023/11/24

ソマリア国境付近で活動する自衛隊の精鋭たち。そこに現れた謎の女性と彼女を追う武装集団。 圧倒的不利な状況下において不屈の精神と闘志で苦難を乗り越えていく自衛官たちの姿に目頭が熱くなる。彼らの葛藤、確執、そして事件の顛末やいかに。圧倒的スピード感と迫力で魅せる冒険小説である。

Posted byブクログ

2023/04/09
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ソマリア沖での海上自衛隊による海賊対処活動は事実、隣国ジブチには自衛隊にとって初の海外拠点があり、ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛の物語。 墜落したヘリの捜索救助要請を受け隊長に任命された吉村3尉以下12名が墜落地点へと出発。 そこへ現地の3人の女性達が命を狙われている、助けて欲しいと駆け込んで来ます。 避難民として保護した矢先、彼女達を追ってきた武装集団により目の前で2人の女性が撃ち殺され、隊長を含め5人もの仲間が一瞬にして命を奪われる。 生き残った1人(アスキラ)を保護しワーズデーン小氏族の民兵に追われながら70km先の活動拠点を目指す隊員達。 自衛隊の隊員が戦闘で命を落とし、交戦する。 まさに命懸けの戦闘が始まります。 2014年、当時の安倍内閣が強行採決した所謂「安保関連法」。 きっと著者である月村了衛氏はこの法に対しそれぞれが真剣に考え、向き合わせたかったのでしょう。 海外での戦闘で日本の自衛隊隊員が命を落とす。 ちょっと出来すぎ感はありましたが、手に汗握る戦闘シーン、そこで芽生える隊員達の絆。 思わず一気読みさせられました。 内容(「BOOK」データベースより) ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作! 著者について 一九六三年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。二〇一〇年に『機龍警察』で小説家デビュー。一二年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、一三年に『機龍警察 暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、一五年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、本作で第六八回日本推理作家協会賞受賞。他の著書に『水戸黄門 天下の副編集長』『ガンルージュ』『影の中の影』『槐(エンジュ)』など。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 月村/了衛 1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。12年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、13年に『機龍警察暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、15年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、『土漠の花』で第六八回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Posted byブクログ