血の季節 の商品レビュー
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お勧め度:☆5個(満点10個)。いやあ、なんかちょっと読みづらかった。40年前の青山墓地での幼女惨殺事件を題材として展開していく・・・が、最初は読み易く面白そうと思ったけど、次第にホラー色が強くなり最後にはドラキュラ?西洋色が強くなった。ちょっと理解不能。ただ単に犯人の独白が続き少し飽きる。もう少しわかりやすくならなかったのか?とも思う。ミステリーとホラーは紙一重みたいなものだから雰囲気は理解できるけど、ドラキュラは無いんじゃないか・・・。ちょっと私には合わなかったような気がする。リアリティなさ過ぎ!
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○ 総合評価 ★★★☆☆ 〇 サプライズ ★☆☆☆☆ 〇 熱中度 ★★☆☆☆ 〇 インパクト ★★★★☆ 〇 キャラクター★★★☆☆ 〇 読後感 ★☆☆☆☆ 〇 メモ オビに記載されている紹介文は「吸血鬼+サイコパス+警察小説。彼女はもう,この時点ですべてやっていた。」(恩田陸)。2014年の「このミステリーがすご!」で「復刻希望!幻の名作ベストテン」の第2位の作品だそうである。 この作品は3つの時制から構成されている。序章と終章は,弁護士の視点から描かれている。「青山霊園内幼女殺人事件」の弁護人である弁護士の視点である。 序章と終章の間は,昭和12年から昭和20年までの「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者の回想と,昭和50年代の「青山霊園内幼女殺人事件」の捜査が描かれる。 このミステリの肝となる部分は,「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者である人物や,その回想に出てくるラドラック,ヘルヴェティア公国の公使夫人,ルルベル,Kという少年が,「吸血鬼」だったのかという点である。 終章では,2通りの解決が示される。1つはラドラックが吸血鬼であり,公使夫人,ルルベル,Kという少年のいずれも吸血鬼になり,「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者である人物も吸血鬼だったという解決。もう一つは,吸血鬼など存在しないとう解決。いずれにせよ,「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者は,狂人ではなく,刑事責任を負わせることができるという結論となる。容疑者は死刑になるのだが,「「ギロチン」ではないな」と呟き,その死体は,駐日外国公使館でメイドとして住み込み働いていたという老女に引き渡される。 最後の部分でも,「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者が本当に吸血鬼になったのではないかと思わせる描写で終わる。とはいえ,吸血鬼であるというような断定的な記述はない。いわゆる,リドル・ストーリーのような体裁となっている。 さて,この作品。面白かったかと言われると…どうだろう。1982年の作品という古さもその原因の一つだと思うが,サプライズがない。「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者が,吸血鬼だったのかどうか。その点をあいまいに終わらせるというリドル・ストーリーとしての体裁そのものはそんなに古臭くない。ただ,叙述トリックがあるわけでもなく,読者を驚かせようという仕掛けもない。戦時下の少年の描写や,「青山霊園内幼女殺人事件」の容疑者の逮捕までの刑事の視点の描写のいずれも,小説としては上手い,読ませるデキだと思う。全体的に評価の高い小説だということは分かるのだが,あまり好みの小説ではない。ただ,微妙な読後感も併せて,心には残る小説である。トリックらしいトリックは,作中で犯人が仕掛けるようなものもないし,作者から読者対して仕掛けるようなトリックもない。ミステリというより小説としての面白さが評価されている作品だろう。作品としては耽美的な描写とリドル・ストーリーという描き方が少しミステリっぽくはある。小説としての出来がよい分,描写が繊細でしっかり読む必要がある。ミステリとして先を読みたいと思わせるような仕掛けがなく,先が読みたくて仕方ないと思わせるような構成になっていないので,熱中度は低め。キャラクターは人間描けているという点では評価できるが,序章と終章に出てくる弁護士や博士,回想に出てくるルルベルやKという少年,捜査の場面に出てくる刑事などのキャラクターは弱い。 好みの作品ではないが,インパクトのある作品であり,評価としては★3としたい。
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「復刊希望が相次いだ、幻の名作がついに復刊」と出版社直々に書かれますと、どんなけ面白いんだ!?と、期待のハードルがグイグイ上がってしまうものですが、とくに山場らしい山場がないまま読み終わってしまった感がありました。 この肩透かし感は出版社のふれこみを真に受けてハードルが上がりすぎ...
「復刊希望が相次いだ、幻の名作がついに復刊」と出版社直々に書かれますと、どんなけ面白いんだ!?と、期待のハードルがグイグイ上がってしまうものですが、とくに山場らしい山場がないまま読み終わってしまった感がありました。 この肩透かし感は出版社のふれこみを真に受けてハードルが上がりすぎてしまったからかと考えてみましたが、やっぱりこの作品はホラーと呼ぶには物足りなく、ミステリーと呼ぶのも物足りない。「血の季節」というタイトルから何となく想像できると思うのですが、その辺のゴシック感もやっぱり物足りない。 恐らくですがこの作品が刊行された当時は、私が物足りないと思ったすべての要素が水準以上で、この物語の妖しい雰囲気がたまらなく、復刊を待ち望んだ方々の記憶の中に生き続けていたのではないかと思います。 ただミステリーもホラーも妖しい雰囲気の小説もこの35年でどんどん水準が上がっていってしまい(表現もどんどんぞくっぽくなっていっているし)、今の基準に慣れきった者は物足りなく感じてしまうのではないかと思いました。 超個人的な感想としては、もっと美少女の蠱惑的な面を見たかった!それがいちばん物足りないと思った点でした笑
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幼女殺人事件と東京大空襲と吸血鬼・・・・ 刑事のくだりはごく普通だが、終章における伏線回収は 怪奇なロマンに満ちていて、古いながらも魅力的である。 ラストも個人的には怪奇映画みたいで好きだなぁ・・・・
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幻の名作としてこの度復刊した作品とのこと。恩田陸さんの紹介帯に惹かれて購入しました。 幼女惨殺事件の被告人はあくまでも物静かで知的な男。どこか正常ではないのに、どこが正常でないのかが分からない不思議な人物。でも、その男の回想はあまりにも非現実的で、どこか狂気に満ちていて…。 ...
幻の名作としてこの度復刊した作品とのこと。恩田陸さんの紹介帯に惹かれて購入しました。 幼女惨殺事件の被告人はあくまでも物静かで知的な男。どこか正常ではないのに、どこが正常でないのかが分からない不思議な人物。でも、その男の回想はあまりにも非現実的で、どこか狂気に満ちていて…。 あくまでも淡々と綴られる物語は、まるで翻訳ゴシック小説を読んでいるかのような重厚感があります。そして「終章」がとても好みです!!これぞミステリ×ホラーの融合。
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外国大使館の子供との交流、美しく残酷な一面をみせながら成長する美少女など、ゴシックホラーな雰囲気が満点。 ドラキュラものです。 ラストの怒涛のどんでん返しがざわざわきます。
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読了日2017/10 とても評価が高かったの期待して読んでみた。 最初は、だいぶ昔の本らしく言葉の言い回しとか読みにくく感じたけど、ラストの吸血鬼か否かの謎解きはドキドキワクワクしながら一気に読んでしまった。 謎解き章で、ドキドキする本はあってもワクワクさせてもらえるのはあまりな...
読了日2017/10 とても評価が高かったの期待して読んでみた。 最初は、だいぶ昔の本らしく言葉の言い回しとか読みにくく感じたけど、ラストの吸血鬼か否かの謎解きはドキドキワクワクしながら一気に読んでしまった。 謎解き章で、ドキドキする本はあってもワクワクさせてもらえるのはあまりないような。 40年近くも前に発表された作品なのにこの最終章は秀逸。
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んんん・・・・・・ 帯に「吸血鬼+サイコパス+警察小説」と書いてあるが、どれも中途半端というか生ぬるい。
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2017年39冊目。 幻の名作の復刊、そして「弁護側の証人」の著者ということで手に取った。淡々と読み進めていたけど、中盤以降から吸血鬼をうかがわせるような描写やリンクしていく様などは大きな盛り上がりはないもののまぁまぁ面白かった。 両方の見解が書かれていたが、最終的にはどっちなのかが明確にならないままのあのラストは結構好き。
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復刊ありがとうー! タイトルからもちょっと彷彿とさせますが、吸血鬼をメインモチーフに置いた、ミステリ+ホラーな作品(帯に謳っている、警察小説、サイコパス辺りの要素は、そうかなぁ?と思う程度にしかないので期待しない方がいい)。 作中、少年期~青年期と回想が進むにつれ、最初は匂わせる...
復刊ありがとうー! タイトルからもちょっと彷彿とさせますが、吸血鬼をメインモチーフに置いた、ミステリ+ホラーな作品(帯に謳っている、警察小説、サイコパス辺りの要素は、そうかなぁ?と思う程度にしかないので期待しない方がいい)。 作中、少年期~青年期と回想が進むにつれ、最初は匂わせる程度だった吸血鬼ネタがジワジワと現実味を帯びて迫ってくる感じが凄くイイ。(この情報を出していく塩梅が絶妙) 某国大使館に住む美しい兄妹。東京の空襲、広島と生き抜いた「運が良い」主人公のぼく。読み方によってホラーにもミステリにも取れる。サクサク読めるしさすが小泉喜美子。 『ダイナマイト円舞曲』もいつか復刊されるといいなぁ。
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