情報参謀 の商品レビュー
野党に転落していた当時の自民党が情報戦でどうやって逆転していったかを半ばたまたまのように参謀役に雇われて務めた著者が綴っているのだが、途中から自民党の価値観に同感していくとはいえ元々共感していたわけでもなんでもない、というのはいかにも傭兵的な発想で、後知恵のように自民党の自助努力...
野党に転落していた当時の自民党が情報戦でどうやって逆転していったかを半ばたまたまのように参謀役に雇われて務めた著者が綴っているのだが、途中から自民党の価値観に同感していくとはいえ元々共感していたわけでもなんでもない、というのはいかにも傭兵的な発想で、後知恵のように自民党の自助努力の価値観を肯定していくのだが、少なくとも政権をとってからの自民党の価値観が健全な自助努力の範疇に入るのか疑問になっている現在、読んでいて何度か違和感を感じた。 初めは情報戦でも民主党(当時)がリードしていたのがなぜ停滞するようになったのか、もし民主党側に雇われていたらどうなっていたか、とも想像したくなる。 とはいえ野党時代の谷垣総裁がかなりの理解力とリーダーシップを発揮していたのがわかるのは収穫。自民党にそれなりの「人材」がいたから情報戦を戦えたのもわかる。 (後記・いささかこの見方は甘くて、自民党のメディア支配はすでに全体主義化の一途を辿っている。その悪辣さを批判する本の方が今では必要)
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「ほどほどの努力では、ほどほどの幸せもつかめない。一生懸命頑張って、一生懸命働いて、豊かな、イチバンの国をつくりましょう」 棒ほど願って針ほど叶う
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政治の世界でもネットやメディアの情報を解析して、党のプレゼンスを高める動きがあったことを初めて知った。こうしたPDCAサイクルが選挙対策だけでなく、政策の評価にも活かされると国民としては嬉しいが。
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自民党が2009年に当時の民主党に大敗して野党に転落したときから同党の情報参謀役を努め、情報分析・戦略で政権奪還をサポートした小口日出彦氏の『情報参謀』を読みました。 YouTubeに投稿された動画がテレビのニュースで流される。今では当たり前のようですが、そのターニングポイント...
自民党が2009年に当時の民主党に大敗して野党に転落したときから同党の情報参謀役を努め、情報分析・戦略で政権奪還をサポートした小口日出彦氏の『情報参謀』を読みました。 YouTubeに投稿された動画がテレビのニュースで流される。今では当たり前のようですが、そのターニングポイントとなったのは「中国漁船尖閣衝突映像流出事件」。そこを契機に自民党が積極的にネット上での情報発信を仕掛けて露出度を上げていった様子が描かれていて興味深かったです。 強いていえば、ダークサイドのことも知れたら良かったんですが、まあ仮に知ってたとしてもさすがに書けないかな。
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自民党が野党に転落し、そこから与党へと返り咲き、参院選でねじれを解消するまでの間、自民党のネット戦略の傭兵として戦った方の本。 情報戦略としてテレビだけでなく、それとネットが関係しあって世論が作られていくという流れが作られていく歴史としても楽しめた。 また、自分たちが何気なく行っ...
自民党が野党に転落し、そこから与党へと返り咲き、参院選でねじれを解消するまでの間、自民党のネット戦略の傭兵として戦った方の本。 情報戦略としてテレビだけでなく、それとネットが関係しあって世論が作られていくという流れが作られていく歴史としても楽しめた。 また、自分たちが何気なく行っている、「ニュースを知る→ネットでさらに情報を得る→SNSで拡散させる」という一連の行動について非常にロジカルに分析し、それを提示していて、興味深い。 政治家だけでなく、マーケティング論としての側面もあると思った。
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表題からは、過去あるいは現在の軍やインテリジェンス機関の話かと思うが、全く違う。 著者が、国政選挙結果予測を出口調査によらず、インターネットやマスコミ報道の分析して80%当てたことを、そのときの選挙で下野した自民党が聞きつけて、筆者を呼びつけたことから本書は始まる。そして著者...
表題からは、過去あるいは現在の軍やインテリジェンス機関の話かと思うが、全く違う。 著者が、国政選挙結果予測を出口調査によらず、インターネットやマスコミ報道の分析して80%当てたことを、そのときの選挙で下野した自民党が聞きつけて、筆者を呼びつけたことから本書は始まる。そして著者を、テレビやネットの情報分析させて行動を提案する「情報参謀」‥こういう役職名ではないが、‥として働かせるのである。 ニコニコ超会議に参加したり、FBやtwitterなどネット活用では自民党が他党に先んじたのは、筆者らの仕事の結果である。 野党時代に自民党が何をしていたのか、自民党の仕事の進め方などもわかって、たいへん興味深く、中身の濃い本であると思う。
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やれビッグデータだ、IoTだとバズワードが飛び交う世の中ですが、データは使いこなしてこそ意味がある。2009年に下野した自民党が与党に復帰するまでの4年間を「情報参謀」としてサポートした記録であるこの本を読んで、まず感じたことです。 情報を使いこなして、政権政党への復帰を果たすま...
やれビッグデータだ、IoTだとバズワードが飛び交う世の中ですが、データは使いこなしてこそ意味がある。2009年に下野した自民党が与党に復帰するまでの4年間を「情報参謀」としてサポートした記録であるこの本を読んで、まず感じたことです。 情報を使いこなして、政権政党への復帰を果たすまでの流れはキャッチーで、かつ普段触れることのない政党の内輪の光景を覗いているようで新鮮で、そういう意味でも面白かったです。 4年間を選挙などの節目で4つのフェーズに分けているのですが、フェーズ毎に実際の情報分析の手法が徐々に進化していくのが面白いです。佳境の第3フェーズや第4フェーズでは、イベントを企画したり、議員の言い振りにも影響を与えたり。 とは言え、ここまで本で書いてしまうのは、イマイチ失点が多い野党に「これくらいやってみたら?」と敢えて手の内をチラ見せしているのかな、と思ってしまうくらい。 個人的には、ニュースやデータは切り取り方やモノサシ、見せ方が大事なんだろうなぁと思っているので、一例として非常に勉強になりました。例えば、政治ニュースだけに特化して分析するのではなく、報道全体の中での位置づけを知る/予測することは、文句なしに重要なこと。 ちなみに、手動でテレビ映像のメタデータを入力する、というのを読んで「その仕事大変そうだなぁ。。」とちょっとゲンナリしました。AIがもうちょっと賢くなればいけるんだろうか。 ITが変えていく政治の世界。ひょっとすると、汗をかいて、たくさんの人と会って、という昔ながらの選挙戦のスタイルも、今後ネットワークが変えていくのかもしれない、なんて思いました。
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なかなか面白かった。こういう手法に批判はあるだろうが、包丁を無くしたからといって、殺人や傷害事件が減るわけではないのと同じで、要は使い手のモラルの問題。どんなに良いポリシーも、伝わらなければ意味がない。伝えるための技術が、勘からメソットに移りつつある、という理解が正しいのではない...
なかなか面白かった。こういう手法に批判はあるだろうが、包丁を無くしたからといって、殺人や傷害事件が減るわけではないのと同じで、要は使い手のモラルの問題。どんなに良いポリシーも、伝わらなければ意味がない。伝えるための技術が、勘からメソットに移りつつある、という理解が正しいのではないか。
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野党転落してから与党に返り咲いて今や敵なしの自民党。 なぜそれが可能になったのか、政権奪還の情報戦の全貌が興味深く読めた。 ここまでタネバラシして自民党は許可したのだろうか。
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政治における情報の取り扱いが進化していく現場の空気感が伝わる内容。 ただ、本文の妙なテンションの高さにいささか辟易する。 この現場に居たという著者の自慢のように捉えられてしまうところも残念。
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