誰もいないホテルで の商品レビュー
スイスの作家の短編集。どの作品も共通して、登場人物の行動が不可解というか極端にも思えるが、感情の動きはリアルに感じる部分もあり、小説としての読み応えがあった。表題作の誰もいないホテルでが展開がおもしろく雰囲気も明るくて読みやすかった。他の短編も、暗い雰囲気であるが引き込まれた。村...
スイスの作家の短編集。どの作品も共通して、登場人物の行動が不可解というか極端にも思えるが、感情の動きはリアルに感じる部分もあり、小説としての読み応えがあった。表題作の誰もいないホテルでが展開がおもしろく雰囲気も明るくて読みやすかった。他の短編も、暗い雰囲気であるが引き込まれた。村上春樹っぽさを感じていたが、実際にスィートドリームスという作品は村上春樹が重訳して「恋しくて」という作品が発表されているらしい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
スイス作家ペーター・シュタムの短編集。久しぶりに海外文学を読みたくて。新潮クレスト・ブックスデビュー。 ああ、綺麗なものを読んだな、という感想に尽きる。 心が洗われるというか、身体をデトックスしてくれるような作品集。内容的には不穏な短編もあるけど。 シュタムの故郷がモチーフなのか、ほとんどの作品に湖がでてくる。繰り返される日常のちょっとした変化、その変化に直面した時の人間らしさが描かれていると思った。 深く読み込むと色々な見え方がありそう。思い出したかのように再読しそうな作品。 【誰もいないホテルで】★おすすめ 表題作。よくよく考えると凄く不条理。彼女とはなんだったのか。不思議な余韻。 【自然の成りゆき】★おすすめ 隣人の不幸を聞くことにより、自分たちが生きていること、幸せなことを自覚。なんとなくわかる。 【主の食卓】 主人公が痛々しい。でも、ここまで行くと幸せかも。 【森にて】 こちらも不思議な余韻。主人公の生き辛さが苦しくなる。 【氷の月】 見栄というか。他人には幸せに見られたい気持ちが共感できる。 【眠り聖人の祝日】 なんというか、良かった。頑張った。初々しい。そこが良い。 【最後のロマン派】★おすすめ 読んでて一番辛かった短編。でも、最後に希望もあって。好きな作品。 【スーツケース】★おすすめ これも好き。残される不安、孤独への不安。きっと同じ行動を取るかも。 【スウィート・ドリームズ】 同棲を始めた頃はいいけど。。。崩壊の兆しが垣間見える作品。どこまでがフィクションなのかわからなくなる最後も良い。 【コニー・アイランド】 写真。これしか言えない。
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スイスの作家の短編集。表紙と新潮クレストなら外れないか、と思って。タイトル作が非常に印象深くて…営業再開してると聞かされて山奥の湯治場に静かな環境を求めて赴いた主人公、ホテルには他に客がおらず、ホテルの人間として振る舞う謎の女がいるだけ。電気も水道も再開しておらず食事は缶詰のみ。...
スイスの作家の短編集。表紙と新潮クレストなら外れないか、と思って。タイトル作が非常に印象深くて…営業再開してると聞かされて山奥の湯治場に静かな環境を求めて赴いた主人公、ホテルには他に客がおらず、ホテルの人間として振る舞う謎の女がいるだけ。電気も水道も再開しておらず食事は缶詰のみ。しかししっかり宿帳への記入と宿泊代は正規やされるという。違和感を覚えつつもなんとなく滞在してしまう…という話。ほかの作品もだいたいこんなトーンで決して明るく心弾む感じではない、かといって陰鬱とも違う独特な印象。他にはリノベされた工場跡地の警備員の話と音楽フェスを近所で開催される孤独な有機農家の若者の話が印象に残った。いかにも欧州という感じで明るく楽しくみたいな作品があまり好きではない、という人にはおすすめできるかな。自分はじゅうぶん楽しめました。
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短い、ミステリーなお話がたくさん詰め込まれた一冊。 よかった。ふつうに。 静かな朝に一話ずつ読み進めていきたい感じの本やね。。
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スイスの作家の短編集. ほとんどの話で舞台はボーデン湖付近であるが,主人公は10編で全て異なる.倦怠期の夫婦だったり,若いカップルだったり,出会ったばかりの男女であったり,牧師であったり.彼らの「日常に生じたさざ波を切り取った」とでも言おうか.
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「森にて」の感想。かつては、息苦しい家庭から逃げ、森の中に野宿するために万引きをしていた。結婚し子供を持った今もその行為がやめられないのは、現実社会の人間関係の脱却を心の底では強く願うも、立場的にそう感じるのを拒否しているストレスの表れなのかと。いっそ物理的、3次元的に世の中が崩...
「森にて」の感想。かつては、息苦しい家庭から逃げ、森の中に野宿するために万引きをしていた。結婚し子供を持った今もその行為がやめられないのは、現実社会の人間関係の脱却を心の底では強く願うも、立場的にそう感じるのを拒否しているストレスの表れなのかと。いっそ物理的、3次元的に世の中が崩れ落ちてしまえば、と、自分からは決して一歩踏み出さないくせに、大きな力が押し寄せて、自分を取り巻く環境の崩壊を切に願う。書いてるうちにしんどくなってきた。 短編集。スイスの人。人が密集していない物静かな人達の秘めたる内なる欲望。
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日常が時に壊れそうになる均衡を時にカフカ的に、時に行間に描く短編集10篇。 表題作の「誰もいないホテルで」「森にて」「氷の月」「眠聖人の祝日」「スーツケース」は特に素晴らしい。 裏表紙の堀江敏幸さんの書評が秀逸。
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いいこと、ではなくて良くないこと、とか、嬉しくないこと。 日常にぱっくり口を開けて待っているような足のとられ方じゃないんだけど、しみじみと奇妙でゴツゴツとした岩道である人生を感じる短編集
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「ホテル」というと、「ホテル・ニューハンプシャー」とか「ドルフィンホテル」とか思い出しちゃうね。 表題作面白かった。ラストの「コニー・アイランド」も、撮った写真がイメージ出来そうだった。 静かな作品が多かったように思うが、何かの折りに時々思い出してしまいそう。 矢吹伸彦のジャケ...
「ホテル」というと、「ホテル・ニューハンプシャー」とか「ドルフィンホテル」とか思い出しちゃうね。 表題作面白かった。ラストの「コニー・アイランド」も、撮った写真がイメージ出来そうだった。 静かな作品が多かったように思うが、何かの折りに時々思い出してしまいそう。 矢吹伸彦のジャケがまたよいね。
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