ちどり亭にようこそ(1) の商品レビュー
京都烏丸駅近くにあるちどり亭という仕出し弁当屋さんの話。 この仕出し弁当屋を舞台に起こる色々な人間ドラマを短編連作で描いている。 美味しいお弁当が絡んだ話で、美味しく作るコツが所々に書かれているので、単純に小説として読むだけでなく、料理のコツも知れてなかなか楽しい。
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面白かったです。 美味しそうな表紙のイラストに惹かれて読んだのですが、京都と美食はいくつも読んでいるのにこの本も好きだ!と思いました。 お弁当が美味しそうなのは勿論、京都の上流階級の登場人物たちが濃くて良いです。 主人公の彗太は上流階級ではないので彼が驚く時に同じように驚くのですが、ふわふわしているけどしっかりしている花柚さんも、上からな総一郎さんも良いですが、特に高等遊民な美津彦さんが好きです。 花柚さんと総一郎さんと美津彦さんの幼なじみのやりとり、笑いました。 花柚さんの料理の師匠の藤沢先生の回はしんみりしました。 七十二候も素敵です。 シリーズ続きも楽しみです。この巻で一応の区切りがついているので、ここからどう続くのかな。
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何を作ったかは何を食べたかを記録すること。ちょっとしたことから知り合った花柚さんにお料理を教えてもらうことになった大学生の主人公。こんな風に食べるものをひとつひとつ丁寧に作れる生活に憧れる(あくまでも憧れ)。二十四節気七十二候の季節感とか料理に込められた願いとか。食べてくれる人の...
何を作ったかは何を食べたかを記録すること。ちょっとしたことから知り合った花柚さんにお料理を教えてもらうことになった大学生の主人公。こんな風に食べるものをひとつひとつ丁寧に作れる生活に憧れる(あくまでも憧れ)。二十四節気七十二候の季節感とか料理に込められた願いとか。食べてくれる人のことを考えてごはんをつくる。少し前までは当たり前のことだったはずなのに、今やこちらのほうが希少価値が高い。ここまで食材ひとつひとつに向き合うことはできないけれど、自分の食べるものはできるだけオーガナイズしていきたいと思った。
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色とりどりのお弁当、誰かのために作る料理。 それを作り出す仕出し屋主人と取り巻く人々の、日常と恋の話。 図式が頭の中に浮かぶのがとても楽しく、色や形で細かく表現されているお弁当もとても魅力的だった。 彗太の恋が実る日は果たしてくるのか。 花柚さんは永谷さんとちゃんと結婚できるのか。 続きが気になる。
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京都のお嬢様 花柚と普通の大学生慧 花柚の営むお弁当屋さんさんでバイトする慧の周りで起こる話 働かない貴族の美津彦 大学の同級生菜月 花柚の元婚約者総一郎 アレルギー持ちのゆうや 花柚の師匠藤沢先生 最後にキュンキュンホンワカなるので、ご飯小説と言うより、恋愛小説寄り。
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京都の仕出し&弁当屋「ちどり亭」を舞台にした、ハートウォーミングなお話。 店主の花柚さんのお人柄か、関わる人たちが、次々と仲良しになっていく感じが良いですね。 最初は、「何だこの人・・」と思っていた美津彦さんや永谷さんも、じわじわと魅力的に思えてきました。
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美味しいってしあわせなこと。 花柚さんのつくるごはんがとてもおいしそう。特別な料理ではないけれど、誰かのためにつくる料理はすてき。
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久しぶりに自分で購入した本。 昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いにこぢんまりと建つ、仕出し弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚が心をこめて作る最高に美味しいお弁当を食べれば、どんな人でも笑みがこぼれてしまう。ちどり亭を舞台に紡がれる幸せな物語。シリーズ1作目。 初めて読む作家さん。 京...
久しぶりに自分で購入した本。 昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いにこぢんまりと建つ、仕出し弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚が心をこめて作る最高に美味しいお弁当を食べれば、どんな人でも笑みがこぼれてしまう。ちどり亭を舞台に紡がれる幸せな物語。シリーズ1作目。 初めて読む作家さん。 京都の姉小路通にある仕出し弁当屋「ちどり亭」が舞台。 店主の花柚さんとバイトの大学生・彗。 記録するのが好きな私は「お弁当練習帖」にものすごくそそられた! 読んで良かった! すごく好きな空気感。お弁当もとってもおいしそうで…。 七十二候に絡めて話が進んでいくのもいい。 ちどり亭に入り浸る、花柚さんのはとこの美津彦さんが好きだわ~(笑) 端午の節句のお重(240p)作ってみたいな。 続編ももちろん買います! 2021.3再読 ちどり亭が近所にあったら絶対に常連になる!! 季節のものを取り入れた、品数の多いお弁当が本当においしそう。 自分のお弁当を預ければ、そこに詰めてくれるのもありがたい。 店主の花柚さんはお嬢様でおっとりした雰囲気なんだけど、しっかりとした芯があって、いいこと言うんだよね~。
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初めて読む作家さん、初めてのシリーズ。 とても素敵な出会いになりました。 もう何年も訪れていないけれど、京都が舞台の作品を読むことが好き。 その、京都にもいろいろな顔がある。 この「ちどり亭」では、二十四節気七十二候の季節感と、空気を描いている気がする。 キャラクターも、由緒あ...
初めて読む作家さん、初めてのシリーズ。 とても素敵な出会いになりました。 もう何年も訪れていないけれど、京都が舞台の作品を読むことが好き。 その、京都にもいろいろな顔がある。 この「ちどり亭」では、二十四節気七十二候の季節感と、空気を描いている気がする。 キャラクターも、由緒ある家柄の人たち、品があり、歴史がある。 けれども、嫌味がまったく無い。 仕出し弁当屋「ちどり亭」の店主は旧家のお嬢様の、蒔岡花柚(まきおかはなゆ)さん。 とてもかわいい人。 小学校四年生のときから、花嫁修業のためにお料理を習い始める。 そのときからの「練習帖」九十六冊。しかし、途中から“未来の旦那さま”のための献立帖ではなくなってしまう。 醤油色に黒く染まっていない、素材の鮮やかな色。 でも味付けはしっかりしている。 雑味のない、おいしい出汁の味がじゅわっと口の中に広がる、京料理の煮物…そういう味わいのある作品。 京都の仕出し文化も勉強できました。 恋愛ものとしても、とても引き込まれる。 特に、京都市庁の会議のための、心づくしの櫻御膳が美味しそうだったので記しておきます。 一段目。油揚げ入り筍ご飯。木の芽をトッピング。 二段目。四つに分けたおかずの詰め合わせ。 だし巻き卵、かんぱちの照り焼き、若鶏といんげんのうま煮、生麩の白味噌田楽。 ほうれん草としらすの和え物、にんじんとごぼうのきんぴら、鹿の子蒟蒻。 飛竜頭(ひろうす)と蕗の含め煮、生湯葉の梅肉和え、みかんのゼリー寄せ。 笹巻きと黒蜜きなこ。 1.桜始開(さくら はじめてひらく)、花見といつかのオムライス。 母が亡くなる寸前、料理のできなかった父が作ってくれた、オムライス。 2.玄鳥至(つばめ いたる)、「黄色い麻薬」とお礼状 花柚さんの練習帖に貼ってあった、思い出のお礼状。 有名な書家をもてなすためのお弁当を、京都市庁に勤務する、花柚のかつての婚約者から依頼される。 3.虹始見(にじ はじめてみる)、飾り切りと青菜のおひたし 小学校二年生の“ゆうや”が、ちどり亭に入り浸るようになる。 母が仕事で忙しく、父親が家にいないらしいが… ちどり亭のおいしいご飯を食べたいらしい。けれど、花柚は彼に食べ物を与えないようにしていた。 4.牡丹華(ぼたん はなさく)、だし巻き卵と献立帖 花柚さんの師匠とのお別れ。 『誰かのために』生きてはいけないという師匠の言葉。 彗太は、“孫弟子”として、花柚さんを見守ってほしいと、藤沢先生に託される。 5.紅花栄(べにばなさかう)、練習帖と最後のお弁当 花柚さんのかつての婚約者、永谷総一郎氏からの仕出しの依頼。 用途の欄には“結婚”にチェックが入っている。 家のために、恋愛をあきらめなければいけないのか。
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旧家のお嬢様の花柚さんが花嫁修行として幼い頃から修行し続けた料理の腕を使って京都で開いた「ちどり亭」。 そこで働く大学生彗太が主人公です。 花柚さんが作るのは何も特別ではないのだけれど手間暇をかけて丁寧にゆっくり作っているのがわかります。 料理だけじゃなく時間や季節、食べ物の旬...
旧家のお嬢様の花柚さんが花嫁修行として幼い頃から修行し続けた料理の腕を使って京都で開いた「ちどり亭」。 そこで働く大学生彗太が主人公です。 花柚さんが作るのは何も特別ではないのだけれど手間暇をかけて丁寧にゆっくり作っているのがわかります。 料理だけじゃなく時間や季節、食べ物の旬も大事にしていて知らない言葉がいっぱいでてきます。 それにとってもゆっくりな雰囲気があって美味しいんだろうな、と思わせられます。 絶対ちどり亭通いたくなる! 彗太も素直でひたむきですごくいい奴。 料理を丁寧に作ろうと思えて人のことで四苦八苦できるのがいいですね。 恋も実るといいのに。
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