オデュッセイアー(訳:呉茂一)(上) の商品レビュー
はじめは物語の主人公をオデュッセウスの息子かと勘違いしそうになりましたが、やっと(?)出てきたオデュッセウスの主人公ぶりに一気に物語に引き込まれました。 神さまや怪物などが助けてくれたり襲ってきたりで、ハラハラドキドキの連続です。 注釈も詳しく書いてあり、面白かったです。 物語の...
はじめは物語の主人公をオデュッセウスの息子かと勘違いしそうになりましたが、やっと(?)出てきたオデュッセウスの主人公ぶりに一気に物語に引き込まれました。 神さまや怪物などが助けてくれたり襲ってきたりで、ハラハラドキドキの連続です。 注釈も詳しく書いてあり、面白かったです。 物語の結末が予想できないです...!
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話の面白さという点では『イリアス』よりもこちらの方が取っ付きやすい。また,殺戮に対する余韻も好対照を成している。
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トロイア戦争が終わった後、ギリシャの英雄のオデュッセウスが故郷のイタケーに帰る話。イリアスに比べ、旅もの、冒険もののワクワク感が強い。こちらも岩波のイリアス同様散文調の文体なので、読みやすさは抜群、
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
血なまぐさい戦争英雄譚だった「イリアス」とはうってかわって、戦後のオデュッセウスが散々苦労して国へ帰る冒険譚。様々な民族や怪物、海の難所を超えて最終的に部下たち全員と船を失うことになるまでを語っている。イリアスはひたすら英雄たちが戦いあって臓物やら脳、脳髄やら飛び散りまくっていたが、こちらではそういった現実的なグロ描写はかなり抑えられてファンタジー的な趣が強い。もともと神たちが人間に話しかけ、力を貸したり罰したりという世界観がベースにあるから、ファンタジーな怪物もそんなに違和感なく地続きに受け止められているのだろうか。 オデュッセウスが知恵や工夫で怪物たちに立ち向かうのも面白いのだが、長年に渡って主不在の実家を荒らしている求婚者たちにどう落とし前をつけさせるのかとか、今後同時並行している息子テレマコスの旅で青年の成長が見られそうなので下巻が楽しみ。
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謎の素性を持った主人公が旅を行い、危機を脱し帰還するまでの物語。 正直『イリアス』の方が好き。 キュクロプス、ナウシカ、セイレン、キルケなど、触れなければいけないキーワードが盛り盛り。
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「ホメロス オデュッセイア(上)」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1994.09.16 394p ¥670 C0198 (2022.10.27読了)(2016.09.16購入)(1996.05.07/4刷) 【目次】 凡 例 第 一 歌 神々の会議。女神アテネ、テレマコスを...
「ホメロス オデュッセイア(上)」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1994.09.16 394p ¥670 C0198 (2022.10.27読了)(2016.09.16購入)(1996.05.07/4刷) 【目次】 凡 例 第 一 歌 神々の会議。女神アテネ、テレマコスを激励する(四四四行) 第 二 歌 イタケ人の集会、テレマコスの旅立ち(四三四行) 第 三 歌 ピュロスにて(四九七行) 第 四 歌 ラケダイモンにて(八四七行) 第 五 歌 カリュプソの洞窟。オデュッセウスの筏作り(四九三行) 第 六 歌 オデュッセウス、パイエケス人の国に着く(三三一行) 第 七 歌 オデュッセウス、アルキノオスに対面す(三四七行) 第 八 歌 オデュッセウスとパイエケス人との交歓(五八六行) 第 九 歌 アルキノオス邸でオデュッセウスの語る漂流談、キュクロプス物語(五六六行) 第 十 歌 風神アイオロス、ライストリュゴネス族、およびキルケの物語(五七四行) 第十一歌 冥府行(六四〇行) 第十二歌 セイレンの誘惑。スキュレとカリュブディス、陽の神の牛(四五三行) 訳 注 解 説 ☆関連図書(既読) 「イリアス〈上〉」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1992.09.16 「イリアス〈下〉」ホメロス著・松平千秋訳、岩波文庫、1992.09.16 「ホメロス物語」森進一著、岩波ジュニア新書、1984.08.20 「ギリシャ神話」山室靜著、現代教養文庫、1963.07.30 「古代への情熱」シュリーマン著・村田数之亮訳、岩波文庫、1954.11.25 「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16 「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16 「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05 「ソポクレス『オイディプス王』」島田雅彦著、NHK出版、2015.06.01 「アガメムノン」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1951.07.05 「テーバイ攻めの七将」アイスキュロス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.06.18 「縛られたプロメーテウス」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1974.09.17 「ギリシア悲劇入門」中村善也著、岩波新書、1974.01.21 「古代エーゲ・ギリシアの謎」田名部昭著、光文社文庫、1987.08.20 「驚異の世界史 古代地中海血ぬられた神話」森本哲郎編著、文春文庫、1988.01.10 「古代ギリシアの旅」高野義郎著、岩波新書、2002.04.19 「カラー版 ギリシャを巡る」萩野矢慶記著、中公新書、2004.05.25 (「BOOK」データベースより)amazon トロイア戦争が終結。英雄オデュッセウスは故国イタケへの帰途、嵐に襲われて漂流、さらに10年にわたる冒険が始まる。『イリアス』とともにヨーロッパ文学の源泉と仰がれる、ギリシア最古の大英雄叙事詩の、新たな訳者による新版。(全二冊)
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「イリアス」とともにニ大叙事詩と仰がれるギリシア最古の英雄物語。トロイア戦争終結後のオデュッセウスの冒険。 「アキレウスの怒り」がテーマの戦記ものであった前作から一転、オデュッセウスを中心とした冒険ファンタジーとなっている。父の消息を求めてテレマコスが旅立つ冒頭からワクワクがと...
「イリアス」とともにニ大叙事詩と仰がれるギリシア最古の英雄物語。トロイア戦争終結後のオデュッセウスの冒険。 「アキレウスの怒り」がテーマの戦記ものであった前作から一転、オデュッセウスを中心とした冒険ファンタジーとなっている。父の消息を求めてテレマコスが旅立つ冒頭からワクワクがとまらない。神々が介入してくるのはイリアスとも共通するが、本作ではさらに王宮や冥府、魔女や巨人、漂流や裏切りなど、波瀾万丈の要素が盛りだくさん。紋切り型といわれればまさにその通りで、それは長い時を通してこの偉大な古典が愛されてきたことの証明でもある。無双すぎてモテすぎるオデュッセウス、やってることは今のラノベも変わらんではないか?(笑)。 上巻はこれまでの経緯がすべて語られ、さぁこれからどうなる!?というところで終わる。ここで訳者の解説が入るが、《上巻巻末の解説で下巻のネタバレをする》のはやめてほしい。有名なタイトルとはいえこれから触れる人もいるのだから……。これから読む初見の人は注意してほしいと思う。
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ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズⅠ』を読んで、自らのあまりの教養のなさを痛感し、少しでも『ユリシーズ』の理解を深めたいとの一心で手に取った。 結果は、大苦戦である。 まず第一に、この岩波文庫の本は、1994年の版であり、活字が極めて小さい。 ことに「注」に至っては、活字があま...
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズⅠ』を読んで、自らのあまりの教養のなさを痛感し、少しでも『ユリシーズ』の理解を深めたいとの一心で手に取った。 結果は、大苦戦である。 まず第一に、この岩波文庫の本は、1994年の版であり、活字が極めて小さい。 ことに「注」に至っては、活字があまりに「小さすぎて読めな〜い」と放り出したくなるのを、ハズキルーペの力を借りてようやく何とか読んだという代物だ。/ 二つ目に、そもそも、僕自身に『オデュッセイア』自体を読もうというモチベーションが、あまりなかったということがある。 これだけ有名な本なのだから、もっとずっと前に読んでいてもおかしくはなかったはずだ。 例えば、テオ・アンゲロプロスの映画『ユリシーズの瞳』を観た後に読んでおいてもよかったかも知れない。 だが、結局読まなかった。 そもそも、僕は、古典中の古典をほとんど読んでいない。 同じホメロスの『イリアス』も読んでいないし、シェイクスピアも、先日『ハムレット』を読んで、その相性の悪さは水と油のようだった。 セルバンテス『ドン・キホーテ』も、前篇だけ読んで積読状態になったままだ。 ほとんど、古典音痴と言うしかない有様だ。 なぜ、僕は古典とここまで相性が悪いのだろうか? たぶん、一つには、古典の世界は、「神」が君臨する世界だということがあるのだろう。 僕は、「神」という奴が大嫌いなので、その感情が「バカの壁」となって、古典作品の理解を妨げているのかも知れない。/ 三つ目は、ストーリー展開があまりに紋切り型な点である。 オデュッセウスは一日も早く故郷イタケへ帰らんと欲するも、ことごとく神々に行く手を阻まれ、数多の島々を放浪せざるを得ない。 判で押したようなそのストーリーは、昔のラジオドラマ「君の名は」を聴いているようだ。 ここのところ読みたい本が目白押しで、早く読み終えたいと焦る僕の心を嘲笑うかのような、無限連鎖の「金太郎飴」ストーリーだ。 そういう訳で、この本も、『ユリシーズ』を読み始めなかったら、ずっと積読のままで終わっていたのかも知れない。/ ところが、上記のような数々の不満にもかかわらず、驚いたことに、この『オデュッセイア』の世界は、いまだに現代に通ずるものがあるのだ。 何しろ、EUやアメリカなどの欧米民主主義国の人々は、ウクライナを「生贄の羊」として差し出して、ひたすら冷酷な「荒ぶる神プーチン」の怒りが静まるのを祈るだけなのだから。
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集英社 世界文学全集1、ホメーロスのオデュッセイアの代わり。呉茂一訳。 言い回しが回りくどいのが気にならなくなれば、物語として面白くなってくる。 日本の桃太郎的な存在なのかな。
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あらかじめ言うと話が特段面白いわけではない。 ただ「ドラえもん」みたいに誰もが知ってる(とされる)名作だから色々な作品の色々な場面でオデュッセイアのワンシーンなんかが引用されている。 ふと昼下がりにテレビで名前も知らない映画を眺めていたらオデュッセイアとキュクロプスの戦闘シーンが...
あらかじめ言うと話が特段面白いわけではない。 ただ「ドラえもん」みたいに誰もが知ってる(とされる)名作だから色々な作品の色々な場面でオデュッセイアのワンシーンなんかが引用されている。 ふと昼下がりにテレビで名前も知らない映画を眺めていたらオデュッセイアとキュクロプスの戦闘シーンが出てきて、「あ!これオデュッセイアで読んだ!知ってる知ってる!」と声が出た。 知識が別のものと結びついた瞬間って気持ち良いなと改めて思ったものでした。 また随所に出てくるギリシャ的な表現がなんだか仰々しくて面白いので要注目です。 朝が来る=朝のまだきに生まれ指バラ色の曙の女神が姿を表す 等
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