字幕屋の気になる日本語 の商品レビュー
字幕について断片的な知識はあったものの、 その奥深さや並々ならぬ工夫が、軽い読み口で楽しめる良い本でした。 ただ短く文字を並べるのではなく、その見た目の美しさやわかりやすさも考えられて字幕はついているんだなぁと思いました。 映画が好きな方は、紹介されている映画も観たくなると思いま...
字幕について断片的な知識はあったものの、 その奥深さや並々ならぬ工夫が、軽い読み口で楽しめる良い本でした。 ただ短く文字を並べるのではなく、その見た目の美しさやわかりやすさも考えられて字幕はついているんだなぁと思いました。 映画が好きな方は、紹介されている映画も観たくなると思います。私もいくつか見てみたいなと思いました。
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エッセイは苦手ですが この本は 映画がテーマなので 飽きる事なく読めました。 映画を見ていた時に あれ??訳していない?とか 誤訳?(なんて恐れ多いけど) って 疑問に 思っていた事が書かれていました。 字数が限られているだろうとは 思っていたけど 本当に大変な作業なのですね...
エッセイは苦手ですが この本は 映画がテーマなので 飽きる事なく読めました。 映画を見ていた時に あれ??訳していない?とか 誤訳?(なんて恐れ多いけど) って 疑問に 思っていた事が書かれていました。 字数が限られているだろうとは 思っていたけど 本当に大変な作業なのですね~~~ しかも ギャラがそれだけ?って 思いましたね。。。 私なら もう少し欲しいと思っちゃうけど。。。 でも、将来は 英語が堪能な人が増えるだろうから (小学生前から英会話習ってる人が多いしね) 字幕なんてのは なくなるかもしれないですね~~ この方の最後のエッセイでした。 時間があれば この方の 他の本も読んでみたいと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
別件で立ち寄った図書館でこの本と出会いました。 自らを映画好き、そして字幕派であると自負していましたが私はこの本で著者の太田直子さんを初めて知りました。 図書館で手に取ってパラパラとめくると、これはもう読まずにはいられない、となり早速カードを作り、借りて帰りました。 年末年始をまたいでいたため、こんな面白い本をひと月ほどかけて読みました。 大きく3編に別れていて、まずは気になる日本語、次に翻訳された映画の紹介、そして最後に翻訳業のお話。 日本語の編はもう、ずっとずっと思っていたことがそれはそれは面白おかしく、しかし説得力を持って書かれていて、気分はスッキリ、笑ってほっこり。 英語の紹介では思わずある作品をレンタルして、太田さんの書かれていたエピソードのところを巻き戻して何度か観たり。また、これから観てみたい、知らない作品にワクワクしました。 最後の「字幕屋」のお話、映画の字幕、吹き替え共にこんなに大変なお仕事だと知って驚愕しました。 そして、これからの業界、若い翻訳家の人達のお仕事を憂いてられました。 太田さんが、どんなに言葉に対して、英語に対して、そして何よりも人に対して深い愛情を持っていらしたのか、しみじみと伝わりあとがきを読みながら涙がこぼれました。 最初から最後まで太田さんの素敵なお人柄が溢れる本でした。 私もドストエフスキーの短編集からの長編、そしてオリジナルの小説を読みたかった。 その前に、太田さんの著書を1冊ずつ読んでいこうと決めました。
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図書館本。 字幕翻訳の大変さがわかると同時に、日本語の柔軟さに感動しました。太田さんの文体はリズムが良く、贅肉のない文章なので、すらすらと気持ちよく読めるエッセイでした。常に周りに溢れる言葉を取り上げて考える姿勢は、まさに職業病です。言葉に対する執着心にとても憧れを抱きました。字...
図書館本。 字幕翻訳の大変さがわかると同時に、日本語の柔軟さに感動しました。太田さんの文体はリズムが良く、贅肉のない文章なので、すらすらと気持ちよく読めるエッセイでした。常に周りに溢れる言葉を取り上げて考える姿勢は、まさに職業病です。言葉に対する執着心にとても憧れを抱きました。字幕は一瞬で過ぎ去る文章ですが、そこには翻訳者それぞれの個性があることがわかり、日本語の表現度の高さを改めて認識しました。太田さんのエッセイはあと四冊あるそうだので、そちらも是非読んでみたい。太田さんの担当した映画も見てみよう。
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映画の字幕というのは、一秒=四文字という字数制限の中で物語を適切に表現していかなければならない。内容をぎゅうぎゅうに凝縮してかなり激しい意訳をする。匙を投げたくなるような早口のマシンガントークにも対応しなければならない。複数の人間が同時にしゃべっているときは、どれかを省略せざるを...
映画の字幕というのは、一秒=四文字という字数制限の中で物語を適切に表現していかなければならない。内容をぎゅうぎゅうに凝縮してかなり激しい意訳をする。匙を投げたくなるような早口のマシンガントークにも対応しなければならない。複数の人間が同時にしゃべっているときは、どれかを省略せざるを得ない。字幕屋ならではの日本語へのつっこみが妙に可笑しい。文法的にいちゃんもんをつけるほどの素養はないと著者は謙遜するが、唸らせられるものは多い。字幕世界でも価格破壊が進んでいて、仕事が集中する優秀な若手ほど、便利に使われ身も心もボロボロにされ業界を去っていくなど、業界裏事情も興味深く読んだ。
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1秒間に4文字。字幕の文字制限がそんなに厳しいとは知らなかった。 確かに、画面上は短いのに深い言葉をいう時がある。 ただ翻訳するのではなく、どの言葉を選ぶか、観客により伝わるように、端的かつ印象深い言い回しはどういうものかを考える仕事。 個人的には、こちらのほうが語彙につ...
1秒間に4文字。字幕の文字制限がそんなに厳しいとは知らなかった。 確かに、画面上は短いのに深い言葉をいう時がある。 ただ翻訳するのではなく、どの言葉を選ぶか、観客により伝わるように、端的かつ印象深い言い回しはどういうものかを考える仕事。 個人的には、こちらのほうが語彙について考えさせられた。 あまり関係ないのだが、この本の作者の太田 直子さんは、この前に読んだ「服を買うなら、捨てなさい」の地曳 いく子さんと同じ年の生まれなのだけれども、太田さんは服にこだわらない。他人にどう見られるかより、自分の内側の違和感にこだわる人なのかなぁ。外側と内側、わかりやすく差があるような、実は同じような。けれど、年を重ねるなら、太田さんのようになたいと思っていたら、急逝されていたとのこと。ショックを受けた。 ご冥福を祈るばかりです。
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ひとつひとつの短いエッセイの中に、思わず笑ってしまったり、ウーンとうなってしまったり、ともかく面白い。 コミュニケーションの道具としての言葉に対して、もっともっと敏感に、慎重に扱ってくださいよ、というメッセージが込められている。 自分もこんなエッセイが書けるようになると良いな、と...
ひとつひとつの短いエッセイの中に、思わず笑ってしまったり、ウーンとうなってしまったり、ともかく面白い。 コミュニケーションの道具としての言葉に対して、もっともっと敏感に、慎重に扱ってくださいよ、というメッセージが込められている。 自分もこんなエッセイが書けるようになると良いな、とは思うけれど、まだまだ修行が足りないのを実感します。
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今年1月に急逝した字幕翻訳者の太田直子さんの遺稿エッセイ集。タイトルに惹かれ、購入しました。 僕自身は映画館で映画を観るのは少なく、洋画も吹き替えがほとんどで、字幕に「1秒につき4文字」という制限があることも知りませんでした。字幕翻訳とは、その言語のもつ歴史や文化を理解し映画の...
今年1月に急逝した字幕翻訳者の太田直子さんの遺稿エッセイ集。タイトルに惹かれ、購入しました。 僕自身は映画館で映画を観るのは少なく、洋画も吹き替えがほとんどで、字幕に「1秒につき4文字」という制限があることも知りませんでした。字幕翻訳とは、その言語のもつ歴史や文化を理解し映画の内容や意図を、定められたルールの中で日本語として正確に伝えていくという地道な作業なんですね。 「言葉が豊かだと生きる楽しさは増すのではないだろうか」という指摘は、その通りだと思うし、「豊かでメリハリがあって相手の心を動かせる言葉」をきちんと使えるようになりたいととても思いました。一生懸命勉強しないといけませんね。もっと映画も見てみようと思います。 お勧めの一冊です。
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